貧乏人のハイレゾ

hires-logo.jpg 先日、ローコストSACD再生の記事で、安物のブルーレイプレイヤーのSACD再生でも、HDMI/SPDIF分離により、176.4kHzという、高品位のPCM信号が取り出せたと書いた。

これで一応満足できる水準には達したのだけれど、この一種裏技を試みる前に、やはりプレイヤーを買わなければならないかと思ってネットで情報収集していた。
SACDの音声信号はDSDという形式である(e-ONKYOなどは電子データで配信している。私もそれを購入してPCから読みだしてPMA-50のUSB入力に送り込んでネイティブ再生している)。
ならば、SACDプレイヤーで、USBにDSDを出力するものがあれば買っても良いかなと考えた。
しかし、そういう製品はどうやら存在しない。

もし存在して、数万円以下とかだったら買ったかもしれない。なくてかえって良かったかも、2600円で高品位再生ができたわけだから。
また、S/PDIF出力はどの製品も付いているわけだが、この出力規格はカタログなどで確認できない。これでは安いからといって飛びつくわけにはゆかない。


他にもいろんな製品をチェックしてみた。
マランツのSA8005というプレイヤーは、USB-DACも持っていて、なかなか良さそうだった。値段もAmazonでは90,000円を切っていて、高いことは高いけれど、許容できる範囲である。

しかし、この製品を買うと、DACは、アンプ内蔵のものと重複して揃えることになる。聴き比べるならともかく、普通、両方同時に使うことなどないわけで、なんとなく勿体ない。そう考えると、90,000円近く出すのは馬鹿馬鹿しくなった。

アナログ時代であれば、オーディオ・コンポーネントというのは、各コンポーネントの機能分担は明確で、コンンポーネント間のインターフェイスも簡単だった。
ところがデジタル時代になると、不思議なことに製品コンセプトに、機能独立性などは配慮されていないように見える。つまり、上述のように、DACが単体であったり、アンプにあったり、SACDプレイヤーにあったりする。
私が、アンプにUSB-DACが付いているという変則的な製品を使っているからいけないのかもしれないが、このあたりのデジタル・オーディオは結構、ややこしい。

ただ、メーカーが不誠実じゃないかと思うのは、私がやったように、2万円もしないプレーヤーに、2600円の追加投資(HDMI/SPDIF分離器)をすれば、10万円以上もするプレーヤーとそう違わないだろうということ(S/PDIFの出力品位が低ければ、高級プレイヤーのほうが低品位になるかもしれない)。

アナログなら機器の通過を重ねるごとに信号が劣化するけれど、デジタルならアンプまでデジタル信号が正確に届けば良いはずである。それに、DAC側がアシンクロナス転送を行うなら、信号のエラーの問題も回避できるようになるだろう(エラーが酷ければ停止)。


オーディオの満足度は投資額に対し逓減するもので、それゆえ高い道楽といわれてきた。
しかし、デジタル時代の今では、アンプとスピーカーが本質的なオーディオ機器だと思うから、ここさえしっかりしていれば、貧乏人でもそこそこ、昔の高級オーディオ並みの音が楽しめると思う。

ライブ・コンサートは高くてなかなか行けない。
というわけで、貧乏人のハイレゾである。

ところで、SACDの出力で苦労したわけだが、もしアンプがAVアンプだったら、HDMI接続で、何ら悩むことなく高品位再生ができただろう。やはり、これからはAVが主流になるのだろうか。

私はピュア・オーディオに拘っているわけではない。以前から持っているオーディオ機器がAV対応ではないというだけである。ただ、今まで聴いたAVアンプの音って、貧相なんだけれど、ピュア・オーディオ並の音にするにはどのぐらいのアンプにしなければならないんだろう。


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ローコストSACD再生

TANNOY Arundelにスーパーツィーター追加アンプをDAC内蔵に取り換え、とオーディオの調整をしてハイレゾ対応を進めてきた。先日は、PMA-50のUSB-DACを利用して、PCからPCM 24bit/192kHzや、DSD 2.8MHzといった音源を聴いたことを書いた。

そして、ここへきて、SACDがCD音質でしか再生されないことに苛立ちを抑えきれなくなった。
SACDのディスクは20枚ぐらいしか持っていないが、ちゃんとした音を、まともなオーディオ・セットで聴いてみたい。

我が家で、SACDを再生できるのは、安物(2万円しなかったと思う)のユニバーサル・プレイヤーしかなく、これにデジタル出力(S/PDIF)はあるけれど、ここからはCD音質しか出せない。
YAMAHAのサウンドプロジェクターYSP-2500にHDMI接続すれば、本来のSACDの品位のデータが送られ、サラウンド効果も含め、それなりに聴けるものであるが、入力信号の品位が維持されていても、この機械は、ピュア・オーディオに比べれば、音自体は貧相である。


スピーカーもアンプもハイレゾ対応ならば、やはりSACDをその品位で再生したい。かといって、高価なSACDプレイヤーを買うのも財布が許さないし、今使っているDAC内蔵アンプ(PMA-50)と重複して、HDMI入力のあるアンプなんかを買うのも勿体ない。

それに、高級SACDプレイヤーといえども、製品企画が古いせいか、デジタル出力はDSDを出せるものはないようだし、S/PDIFもどんな品位で出力されるのかアヤシイ(はっきりしない)。SACD自体は古い規格かもしれないが、デジタル時代に合わせた製品ラインアップを考えないのだろうか。


というわけで、手ごろなSACDプレイヤーも、お金も、無いので、何か手はないのものかとネットを渉猟していると、解決策があった。
HDMI出力から、音声をS/PDIF(光デジタル)に分離するデバイスである。

P_20170607_200005_vHDR-notes.jpg Flylinktech hdmi音声分離器(hdmi spdif 信号変換器)
Amazonで、2,599円で購入。

同種製品は他にもあるが、HDMIの分岐機能(出力が2系統以上)が付いてるような製品は、高い上に、余計な機能が加わるので、私の目的からすれば不要である。


デジタル信号というのは、アナログが電気的特性だけ定めているのとは違って、すごく面倒で、単純にINからOUTへ信号を流すわけではない。HDMIでは、送出側と受信側がネゴをして、伝送フォーマットが決められるらしい。この分離器は、その信号から音声だけを取り出すものだけれど、HDMIがネゴをする相手というものが必要になる。

この理屈でいけば、送出側が出力可能なフォーマット、受信側が入力可能なフォーマットに一致するものが選ばれるということになる。私が欲しいのはS/PDIFの音声信号だけだから、受信側HDMIは信号フォーマットだけを定める役割、いわばダミーである。

SACDを再生するのは、上述のBDP-S370という安物のブルーレイ・プレイヤーで、これがどんな規格の信号を送出可能なのかはやってみなければわからない(取説などにはそんなことは書かれていない)。HDMI経由でDSD出力もできる機器なのだが、分離器がDSDに対応しているはずがない、もちろんS/PDIFはPCMを伝送するものである。なので、BDP-S370の音声出力はPCM 2chに固定する。
分離器の音声出力(光デジタル)はPMA-50につなぐ。なお、この分離器には、2ch/5.1chの切替スイッチが付いているのだが、2chで使う(元が2chだからどうでも良いのかもしれないが)。

ダミーのHDMI受信機器だが、ダメもとということで、まずリビングの古いテレビを選択した。
光デジタルから音声信号が取り出せていることは確認できた。44.1kHz。CD音質である。
これは予想した通りの結果なので、落胆せず、本命の機器、YAMAHAのサウンド・プロジェクター YSP-2500をダミーとして使うことにする。

P_20170607_195538_vHDR_Auto-crops.jpg やったー! 176.4kHz!

DSDではないものの、十分のクォリティの信号である。
さんざん購入を検討したン十万円とかの高級SACDプレイヤーなどではなく、わずか2600円の投資で、満足できる結果。


YSP-2500は一応、本格的なサウンド機器であるから、高品位のPCMに対応しているだろうという期待を裏切らなかった。まさか、オレ様がダミーで使われるなんて、思ってもみなかっただろうけど(しかも音は出さないのに電源はオン)。

ネットで調べると、送出側とのネゴに使うダミーのHDMIプラグというのがある。我が家ではYSP-2500があるので不要ではあるけれど、そもそも、このダミープラグの音声規格が解らないので、買ってもムダになるおそれがあった。使えることが判れば、これの方が、電源がいらない、ケーブルの始末が自由ということで、こちらを使うのだけれど。
分離器自体にHDMIダミーの機能があれば良いのだろうけど、そうすると、上述のような特殊な用途に限られるから、商品としては売りにくいのだろう。
なお、もう一台あるユニバーサル・プレイヤー PIONEER DV-610AVを使って同じことをしたら、88.2kHzまでの出力だった。これはプレイヤーの能力ということだろう。


さて、SACDの本来の品位に近い音の評価である(我が家のオーディオ・セットでの)。
アンプ、スピーカーが良くなったので、CDでも随分と良い音になっている。それは先日、スーパーツィーターの追加の記事でも書いた。
そのときに試聴した「幻想交響曲」を、今回実現した176.4kHzで聴き直してみる。

力強いとか、繊細とか、あるいは抜けが良いというような情緒的な評価をぶっとばして、驚いた。
CDの音が、ppp―fff だとすると、この176.4kHzの音は、pppppp―fffff と言って良い。
とにかく、ダイナミック・レンジがめちゃくちゃ広い。フォルテ側はCDでも結構な迫力の音であるけれど、もちろんハイレゾはさらに迫力が加わるわけだけれど、なんといってもピアノ側、驚くほどの弱音、微音が出てくる。

繰り返すけれど、情緒的にというか、なんとなくというか、そんな気持ちの違いではない。
はっきりと、ダイナミック・レンジが何桁も違う。これがハイレゾの音だったんだ。
以前、ハイレゾというのは聴こえない音(周波数帯域)の聴感の改善だろうと書いたけれど、これは訂正しなければならない。
周波数帯域だけではなくて、ダイナミック・レンジがまるっきり違っている、まさに音として聴こえる部分だ。

この音源の違いがわかるには、パワーが入り、きっちりと低域から超高域までを再生できるオーディオ・セットがのぞましい(我が家のセットなんてまだまだ、片鱗を感じる程度のものだろう)。

ハイレゾ対応ヘッドフォンとか売ってるけれど、このダイナミック・レンジの音をヘッドフォン、とくにカナル型とかで聴くのは、自傷行為のような気がする。


外部からの音の遮断(自分の鑑賞を妨げない)、外部への漏洩の遮断(近隣に迷惑をかけない)、も考えないと。(楽曲によるけど)

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アンプの入替

何度も書いたように、我が家はオーディオ・セットが2つある。
一人で集中して聴くためのオーディオ部屋に1セット、リビングに1セットである。

オーディオ部屋は、今までは前に書いたような機器構成(その後サブウーファーNS-SW200を追加)で、アナログ・レコードのデジタル化もこの部屋で行う。

リビングは大きいけれど古いスピーカー(TANNOY Arundel)を置いて、エッジが傷んでいたので、前はたまにしか音を出していなかったのだけれど、スピーカーの修繕スーパーツィーターの追加ということで、ハイレゾ対応の満足度の高いセットに変わった。
ということで、今まではオーディオ部屋がメイン、リビングはサブという位置づけだったのが、逆転してしまった。

そうなると、リビングの方の音をもっと良くしようということになる。
さしあたって、アンプのデジタル入力が24bit/96kHzという低い(?)規格なので、もっと品位の高いソース(DSF 2.8MHz/1bitとか、PCM 24bit/192kHz)をその品位で再生したい。
そう、オーディオ部屋で使っているDENON PMA-50をこっちのセットで使おうということである。

PMA-50入力仕様
 入力端子 フォーマット サンプリング周波数 ビット長
 USB-B DSD(ASIO、DoP) 2.8/5.6 MHz 1 bit
 LPCM 32/44.1/48/88.2/96/176.4/192 kHz 16/24 bit
 光/同軸デジタル LPCM 32/44.1/48/64/88.2/96/176.4/192 kHz 16/24 bit

PMA-50にすれば、外付けサウンド・プロセッサーを介さず、PCに直結できる。
この外付けサウンド・プロセッサー24bit/96kHzまでの対応であるが、ダイレクトにPMA-50に接続すれば、手持ちのハイレゾ音源、

菊池洋子のモーツァルト(DSF 2.8MHz/1bit)
ラトル/ベルリンのベートーヴェン(PCM 24bit/192kHz)

などを、その品位で再生できる。(他のハイレゾ音源は、24bit/96kHzが多い)
どちらも、前は、PMA-50+Autograph mini+NS-SW200で聴いていたもの。変わったのはスピーカーと部屋である。

さて、菊池洋子、モーツァルトの協奏曲だからオーケストラは小編成なので、広大な音とはならないけれど、ピアノの音が妙に生々しくなった。Autograph miniではとにかく綺麗に鳴ったという印象だったが、迫力とタッチの微妙なところが際立ったような感じ。
ラトルのベートーヴェンは、とにかくオーケストラが柔らかくなった。これがハイレゾの効果ではないだろうか。

P_20170605_205629_vHDR_Auto.jpg

PMA-50のディスプレイに "DSD 2.822MHz"の表示


とはいうものの、PMA-50の音は、繊細で均整がとれたような音なのだけれど、前に接続していたONKYO A5-VLのほうが、なんとなく色気を感じる。ただし、A5-VLには、高域にノイズが出てる感じがするけれど。
原信号の再生にこだわるのか、さて、悩ましいところである。

ところで、DSDの再生には、PCのfoobar2000をDSD対応にする必要があるが、これがちょっと苦労した。
前に、foobar2000―PMA-50でのDSD再生という記事を書いているので、この通りにやれば良いはずだが、foobar2000のコンポーネントをダウンロードしようとしたら、前の記事のときから随分、バージョンが上がっている。最新がいいだろうと思ってやってみたのだけれど、どうやらソフトの構成が変わったようで、いろいろやってみたものの音が出ない。新バージョンの使い方を調べるのも面倒なので、結局、記事通りの古いバージョンで無事、再生にこぎつけた。新バージョンについてはいずれゆっくり調べるつもりだが、メリットはなんなんだろう。

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スーパーツィーターの追加

修理から帰ってきたTANNOY Arundel、前はエッジが傷んでたので手をかける気もなかったが、修理も済んだので、ちょっと良くならないか考えた。

前から気になってはいたのだけれど、要するに、音の抜けが悪い感じ、というかちょっと頭を抑えられたような感じがする。これは、スーパーツィーターを追加したら改善されるかもしれない。
そもそも、Arundelは古~いスピーカーで、いわゆるハイレゾ対応というわけではない。素性は良くても、鈍重ということかもしれない。

そう思って、ダメもとでやってみることにした。Arundelをバラしてネットワークを組み替える(つまり改造)などはやる気がないので、単純に追加で置けるものを探した。

P_20170603_110341_vHDR_Auto.jpg TANNOYにもスーパーツィーターがあるけれど、バカ高いのでパス。
いろいろ探していると、TAKET-BATPRO2という製品に行き当たった。ペアで42,023円(Amazon)。

メインのスピーカーにパラでつないでも良いけれど、今使っているアンプ(ONKYO A5-VL)はスピーカーが2系統つながるようになっているので、比較試聴することも考えてアンプに接続。
(TAKET-BATPRO2側にもレベル・スイッチがあって、OFFにもできるけれど)

Arundelの周波数特性は30~20,000Hz、BATPRO2は18,000~150,000Hz(測定限界)。
私も加齢により、耳は悪くなっていて、10kHzぐらいまでしか音として認識できないから、このスーパーツィーターの音域は私には音として全く聞こえない。

というか若い人でもほとんどの人は音として認識できないだろう。思えば、昔のカセット・レコーダーなどは16kHzまでしか録音できなかったわけで、このスーパーツィーターは超音波領域専門。
なので、結線に不具合がないか調べようとしても、通常の音源ではこのスーパーツィーターからは全く音が聞こえない。そこで、PCのオシレーターソフトを使って、10kHzの正弦波を送り込んでみたら、ようやく、鳴っていることが確認できた。

このように年寄りには音として認識できない10kHz以上にこだわってスーパーツィーターを追加するなんて無駄じゃないのかと言われそうだけれど、そもそもハイレゾというのは可聴帯域外の音まで再生することで、聴きやすい良い音として感じるというところに意味がある。アナログの場合は、高調波成分は少しでも残っていると思うが、デジタルでは原理的に高調波を含まないから、ハイレゾには意味があるとも考えられる。

それなら、同じような理屈で、年寄りが音として感じない10kHz以上の再生も無駄ではないだろう。
また、高調波成分は単音としては感じないかもしれないが、波形には影響しているはずで、音として感じるかどうかとは別の作用だという考え方もできるかもしれない。

まぁ、繰り言はそのぐらいにして、実際に聴いてみる。
まず、Arundelを切って、BATPRO2のみで聴いてみた。
もちろん、何にも聴こえない。

次に、ArundelをONにしてみる。
音源は、いつもテストに使う、LPからデジタル化した24bit/96kHzの「金と銀」(ボスコフスキー/ウィーンpo)。特に低弦の自然な音をチェックしたい。
ん~ん、良い感じ。

スーパーツィーターを追加してまず低弦をチェックするというのも変なのだけど、キラキラした部分もある曲なので、高音域の伸びもわかりやすい。なにより聴き慣れている分、評価しやすい。

特別に変わったという印象はないのだけれど、心なしか抜けが良くて、圧迫感が低いと感じた。

そして、BATPRO2をオフにしてみる。
あれ、あんまり変わらんやんか。

BATPRO2のオン/オフを繰り返しても、もう一つ音の違いがわからない。
ネットでは劇的に変わるという評価が多いのだけれど。
あらためてArundelって素性が良いスピーカーなんだなぁと思う。

少々落胆したが、悪くなるわけではない。

実は、ArundelはTANNOY独特の同軸2wayで定位の良いスピーカーなのだけれど、3本目のスーパーツィーター追加で定位が悪くなるか心配していたが、そんなことはなく、むしろ音像がクリアになった印象さえある。

なので、気を取り直して、せっかく買ったのだから、気に入らなくなるまでBATPRO2をオンの状態で使うことにして、別の音源を試してみた。
5113oEiKSbLSY355.jpg ということで、ダイナミックレンジが広大で、繊細な音を含むものが良いだろうと考えて、久しぶりだけど、「幻想交響曲」(Yannick Nezt-Seguin/Rotterdam Philharmonic)を聴いてみた。
オーケストラがフォルテでもハープが鳴っていることがわかる。他にも、今まで気づかなかった音が大量に見つかる。低弦の動きがくっきりとしてくるし、ロングトーンではステージを漂う雰囲気が伝わる。第五楽章、わざと下品な音を出しているクラリネットにニンマリする。

テストのつもりだったけど、結局、全曲を聴いてしまった(だから第五楽章のクラリネットにニンマリしたわけだ)。

やはり、抜けの良い音になっているようだ。長時間聴いていても圧迫感がなく、疲れない(曲そのものは大迫力で疲れるものだけれど、別の意味で)。やはり、しっかりと効果があるようだ。

どうやら、完全なハイレゾ対応になったと言えるのではないだろうか。

ところで、上記の「幻想」は、SACDなのだけれど、安物のユニバーサル・プレイヤー(SONY BDP-S370)しか持っていないので、実は、CD音質でしか出ていない。それでも、これだけの音が出てくるのだから、ちゃんとしたプレイヤーだったらどうなんだろう。

SACDプレイヤーというのは飛びぬけて高いものばかりなのだけれど、デジタル出力に特化したらそんなに高価な製品でなくても十分作れるのではないだろうか。技術的に正確なことは知らないが、アンプへのデジタル出力(S/PDIF)というのはLPCMで流しているだろうから、その精度(量子数と標本化周波数)だけが問題になるように思う(ONKYO A5-VLのデジタル入力は、24bit/96kHzまでのPCM信号に対応)。SACDのDSDフォーマットからLPCMに、なるだけ品位を落とさないで変換できれば良い。そして、それに違いがなければ、安物のユニバーサル・プレイヤーでも何十万円もするSACDプレイヤーでも同じじゃないだろうか。


今まで私としては、別室においてあるTANNOY Autograph mini+YAMAHA NS-SW200(サブウーファー)の方がメインで、リビングのArundelはサブという位置づけだったのだけれど、どうも逆転した感じ。

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コンテンツに合せた上映設備

IMG_20170527_145009.jpg 先日、久しぶりに映画館(シネマコンプレックス)へ行って「美女と野獣」を見たことは既に書いたけれど、ちょっとここのシネコン(TOHOシネマズくずはモール)で、不満に思ったこと。

このシネコンは10スクリーンあるのだが、「美女と野獣」は"SCREEN 6"で上映されていた。
で、映画館でいつも思うのだけれど、音が大きすぎる。そして割れて、ガサつく。
また、映像も、やや動きがぎごちなく、精細度も低いように感じた。

このシネコンにも、1ヶ所だけ、TCX、ATOMOS対応のスクリーン(SCREEN 1)がある。
しかし、「美女と野獣」を上映していたSCREEN 6は、通常設備である。私が行ったとき、SCREEN 1で上映されていたのは、通常のドラマ作品である。

どうしてだろう?
たしかに、私が行ったとき、「美女と野獣」の観客は、314人収容の部屋で、せいぜい20~30人。封切直後はおそらく、相当の人数が押し寄せたものと思う。そして、その時には収容人数374人という、一番大きなSCREEN 1が使われたのではないだろうか。
部屋の広さだけで言えば、シネコン側の判断はそれなりの理由もある。

封切直後に観ておけば良かったんじゃないかといわれそうだけれど。やっぱり空いてるときに行きたいから。


10スクリーン・約2,000席の映画館。メインスクリーンに独自規格のラージスクリーン「TCX®」と関西で初めてドルビーの革新的なシネマ音響「ドルビーアトモス」を導入。全作品デジタルプロジェクターでの上映となり、3D映画や演劇・音楽・スポーツの中継などの新しいエンターテイメントの楽しみ方も提供していきます。
しかし、上映されるコンテンツの特性からすれば、ミュージカル仕立てで、音楽のウェイトが極めて大きい作品に対しては、やはり、Dolby ATMOSのスクリーンを使用すべきではないだろうか。

以前、このシネコンで"Mission impossible"を見たとき、オペラ場での銃撃シーンがあったのだが、このシーンで歌われていた「トゥーランドット」のアリアの音は、素晴らしかった。その時の会場はSCREEN 1、Dolby ATMOS音響だった。ここでオペラ映画をやったらどうかと思ったぐらいである。

目利きというか耳利きの観客なら、この設備を目当てに来場する人がいるものと思う。つまり、集客効果もあると思う。音楽に重点をおかないコンテンツに、SCREEN 1を使用するのは、勿体ないのではないだろうか。

この作品のように、映像と音楽の質にこだわったものが、本来の品質で上映されていないと知ったら、制作者は、がっかりするのではないか。
一定以上の上映品質が確保できないところでの上映を拒否したらどうだろう。
ディズニーなら、そのぐらいのことは、やれると思う。

Blu-rayが発売されたら、それを家で見る方が、映画館よりも、滑らかな映像、ダイナミックレンジが広く、繊細な音楽を楽しめるに違いない。

というか、TOHOシネマズくずはモールが、Dolby ATMOSで上映してくれるんなら、もう一回見に行くけれど。
このスクリーンを「美女と野獣」専用にするのが無理なら、上映スケジュールの調整でなんとかならないものか。

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ストラディバリウス負けた!

ストラディバリウス負けた!聴衆は現代製に軍配
【ワシントン=三井誠】数億円の値段がつくバイオリンの名器「ストラディバリウス」と、現代のバイオリンの演奏を聴衆に聞かせると、聴衆は現代のバイオリンの方を好むとする実験結果を、仏パリ大などの研究チームがまとめた。
 論文が近く、米科学アカデミー紀要に掲載される。
 このチームは5年前、ストラディバリウスと現代の楽器を弾いた演奏家でも、音の評価に大きな差がなかったとする研究を同紀要で発表している。チームは今回の研究で「バイオリンの作製技術が上がったのか、あるいは一般に信じられているほどの音色の違いがなかったのかもしれない」とコメントしている。
 実験は、パリ郊外と米ニューヨークのコンサートホールで、音楽の批評家や作曲家などを含む聴衆計137人の前で行った。ストラディバリウス3丁と現代のバイオリン3丁を、演奏者にはどちらのバイオリンかわからないようにしてソロで弾いてもらい、どちらの音色がよく響くかなどを、聴衆が評価した。
読売新聞 5/9(火) 7:42配信
昨日に続いてバイオリンの話題。
ネットでニュースを見ていると、ストラディバリウスと現代製のバイオリンのブラインド・テストを行った結果、現代製の方が好ましいという評価が出たという記事が目に入った。

聴衆がどのぐらいクラシック音楽、とりわけバイオリンを聴き慣れているのかなども評価に影響するだろうと思うのだけれど、記事によると、音楽の批評家や作曲家なども含まれるという。
アメリカでの実験結果だというから、"Stradivarius modern violin test"でググってみると、今までも同様の結果が出ているらしい。しかも、演奏家にも区別できないという結果も報告されている。

Stradivarius Fails Sound Test versus Newbie Violins (Scientific American)


ストラディバリウスが名器というのは定着した評価で、それ自体は今後も変わらないと思うけれど、現代製のバイオリンが、それに追いついたということなのかもしれない。
ストラディバリウスを研究して、その再現を図ったという話もある。木の材質、構造など寸分違わぬように作っても、ニスがどうしても再現できないというような話を聞いたことがある。

同じものを作る努力はともかくとして、聴衆が良い音と感じるものから、その音を追求するというアプローチもあるだろう。
良く言われるのは、倍音の豊かさである。
基音しか出ていなければ、どんな楽器の音も同じになるわけで、倍音の出方が楽器の音色を決めるわけだから、これは納得できる。ただ、単に豊かであれば良いわけではなくて、何次倍音が多く、何次倍音が少ないのかということが音色を決めるはずである。クラリネットの独特の音色は、偶数次倍音がないことによると言われている。

安物のオーディオだと、クラリネットかフルートかオーボエかわからないような変な音になることがある。一つ考えられる原因は、スピーカーが高調波に追随できない、あるいは変な分割振動をするため、本来の楽器音が再現できていないことだと思う。


mozart_violin_concerto_no_3.jpg そのほか不規則振動も影響しているかもしれない。響板が分割振動したら(極端な場合、割れていたらそうなる。もちろん不快な音だけれど)、違う音になるはずである。

何が良い音かわからなければ難しいけれど、ストラディバリウスという目標があれば、それに近い音を目指すというのはアプローチの方法としてアリではないだろうか。

midiなどで楽器音のスペクトルデータが出ているけれど、これでその楽器の音色になるかといえば、案外そうでもない。アタックやディケイ、サステインなどのエンヴェロープは別だし、やはり演奏となると、その一瞬一瞬のゆらぎ、息づかいというものが入って楽器の音になる。スペクトルの再現だけではできないだろう。


楽器の音の違いというと、フルートでは、管の材質の違いが良く話題になる。
曰く、洋銀(銅、亜鉛、ニッケルの合金)は軽くて安っぽい、銀は重厚、金ははなやか、など。
ただ、これもブラインドテストをやると、管体の材質の違いはわからないという結果になる。音色の違いは管の材質より、演奏家の違いの方が遥かに大きい。

原理的にフルートの音は空気柱の振動であるから材質は無関係と思われる。材質が問題となる管体も少しは振動する(それは唇や指に感じる)けれど、その寄与はそう大きくないと思う。


現在、プロ・フルーティストの多くは、金製のフルートを使っているようだけれど(金製のフルートというとランパルがその嚆矢じゃないだろうか)、20世紀最高のフルーティストといわれるマルセル・モイーズは洋銀のフルートを使っていたことは有名である。

金のハンドメイドだと1000万円以上するものも多いけれど、「芸能人格付けチェック」で、5万円ぐらいの大量生産品と比べてみたら面白いと思う。

思うに、材質が音に与える直接的な影響はほとんどなくても、楽器職人がその材質にどれだけ慣れているかなど、加工にかかる問題が大きいのではないだろうか(洋銀は加工しにくいらしい)。視覚的印象もあるだろうけど。

私? もちろん洋銀製である。ローエンド製品。
洋銀製が一番重量が軽くて、疲れにくいからである。


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スピーカーが帰ってきた

P_20170430_212648_vHDR_Auto.jpg 知人に修理を頼んでいたスピーカーが、1年半ぶりに帰ってきた。
TANNOY Arundelという古い(1982年発売)のスピーカーで、別の友人がスピーカーを買い替えたときに、余ったのを無償で譲り受けたもの。

古いスピーカーだから、コーンのエッジ部分が劣化して、ボロボロになっていた。修復剤(一種の接着剤)で誤魔化して使っていたが、やはり低音のしまりみたいなものが悪いのと、なんだかガサッとした音がするような気がして、本格的に修理をしようと思っていた。

ネットで製品に対応したエッジを探し、割りに評判の良い、永持ちしそうなプラスティック系の交換エッジを購入していたのだけれど、作業が面倒なので修復は延び延びになっていた。

スピーカーの自作とかもするという若い知人がいるので、修復をお願いしたら軽く引き受けてくれた。
なお、スピーカー自体が気に入ったらそのまま使ってもらって良いということにしていた。

P_20170430_212707_vHDR_Auto.jpg 修理自体は、1年ぐらい前に終わっていたのだけれど、そのまま使ってもらっていたけれど、知人の嫁(私の娘)が、家が狭くなって困ると苦情を垂れて、また我が家に戻ってきた次第。

修理に出す前の環境(PC―USBサウンドプロセッサ―アンプ―スピーカー)に戻して音出し。
エッジが修復されているということで、安心して聴ける。
ただ、なんとなく高音域の伸びがイマイチ、もともとこんな音だったかなぁと思いながら聴いていて、古いスピーカーでハイレゾとかの無い時代だから、こんなものだろう、今度はスーパーツィーターを追加しようか、それもやってくれるかな、なんて笑い話をしていた。

で暫くして、アンプ(ONKYO A-5VL)にデジタル入力があることを思い出した。
サウンドプロセッサ(Creative USB Sound Blaster Digital Music Premium HD)側の光デジタル出力をアンプにつないで、再度、音出し。

目を見張るというか、耳を立てるというか、明らかにクリアな音に変わる。
前もデジタル接続していたのである。

アンプまでデジタル接続するということは、信号の劣化はアンプまでは起きていないということだと思う。
スピーカーの問題ではなくて、アナログでの信号の劣化が問題だったようだ。

それにしても、35年も前のスピーカーで、製品仕様上は、周波数特性は30Hz~20kHzとなっているのだけれど、ハイレゾが無い時代だから20kHz以上を記載していないというだけで、実際はとてもスジの良いスピーカーであったわけだ。

50cm×50cm×100cm、50kgの重量級スピーカー、スジが悪けりゃ粗大ゴミ。


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FLACファイルのヘッダー修復

2017-04-21_212830m.png ビデオファイル(mp4)から、音声だけ取り出して、VLC playerの[メディア]-[変換/保存]機能を使って、Audio:flacのフォーマットで変換したところ、なぜかflacファイルのヘッダーがおかしい。演奏時間が入っていないのである。

foobar2000では何の問題もなく再生してくれるので、演奏時間が入ってなくても良さそうなものだけれど、やはり気持ち悪い。
そこで、flacファイルのヘッダー修復をしてくれるソフトがないかネットを渉猟したけれど、見当たらない。

mp3に変換したら演奏時間ぐらいはきちんと入ったデータができるんじゃないかと思って、freacで変換しようとしたのだけれど、ヘッダーがおかしいせいか、freacが動作しない。

2017-04-21_213032m.png それならということで、foobar2000では再生できているわけだから、foobar2000で変換しようと考えた。
それも、flacからflacである。

変換前後で同じフォーマットでも動作するのか、ちょっと不安だったけれど、そういう意地悪な仕様にはなっていない。
それよりも、同じフォーマットだと、変換したフリをして、そのまま出力するのではということが心配。

2017-04-21_212900m.png で、flacからflacへの変換を実行して、出力ファイルをMediainfoで確認すると、ちゃんと演奏時間がセットされている。
正常なflacファイルができた、めでたしめでたし。

foobar2000の変換は、元ファイルをとにかくデコードして、そのデータをエンコーダ(この場合はflac)に送り込むという律儀な動作をしているのかもしれない。


大したことではないけれど、ネットにはflacデータの修復についての情報が見当たらなかったので、私と同じようなことで困った人がいるかもしれないと思って、記事にして公開することにした。

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サラウンドが効く録音

昨日は、Dolby ATMOSという、映画館の本格的なサラウンド・システムのことに触れた。
アクション映画であるから、当然、体の周りを爆音が通り過ぎるわけで、その効果はたしかに凄い。

しかし、そういう効果音以外については、前に、サラウンド録音は、ソロや室内楽、雅楽ではなかなか良いけれど、普通の演奏会録音では、未だ録音ノウハウが確立していないのじゃないかと書いた覚えがある。
実は、その後、どんなものがサラウンドに向いているのか、やっぱりサラウンドがいい、と思える音楽はどんなものか考えていて、 思いあたったことがあった。

ヴェネツィアのサン・マルコ寺院には2台のオルガンと2つの合唱隊席があって、一種のステレオ効果を出していたことが岡田暁生「西洋音楽史」に書かれていた。ひょっとしたら、こういう教会内での録音だったらサラウンド効果を堪能できるのではないかと考えた。
はじめ、サン・マルコ寺院でサラウンド録音したものはないだろうかとネットで探したのだが、サラウンド録音はおろか、サン・マルコ寺院で録音したものが見当たらない。

ちなみに教会で録音したCDというのは結構たくさんある。ヨーロッパのしかるべき教会へ行くと、その教会で録音した宗教曲のCDを売っている。
私もメルク修道院へ行ったときに、そこで収録されたCDをみやげに買った。

CD_in_Stift_Melk.jpg   At_Stift_Melk.jpg


echoandriposta.jpgサン・マルコに限定せず広く探すと、ムーリ修道院所属教会というところがあって、ここで精力的にSACDが収録されている。何種類も出ているのだが、そのうち「エコーとリスポスタ~ムーリ修道院所属教会合唱隊席から響く最上の器楽曲」というSACDを購入した(他にもオルガン曲のSACDも注文したのだが、入荷のめどが立たないようなのでキャンセルした)。

これをサラウンド、といってもうちは本格的なサラウンド・システムではなくて、デジタル・サウンド・プロジェクター(YSP-2500)なので評価が適切かどうか自信はないが、いかにも教会の中で聴いているような雰囲気が再現される。期待どおりである。
ごく小編成の器楽曲だから、室内楽ともいえるわけで、そういう意味では前述のとおりサラウンド感が出やすいものとも思うが、それ以上に、教会内の響きをとらえていると感じた。

サラウンド感といっても、別に、横や後ろから人を驚かすような音ではない。包まれ感というほうがふさわしい。
これからもこういう録音には注目していきたい。

と長々と書いてきたのだけれど、悪魔の囁き、通常のオーディオ・セットで「エコーとリスポスタ」を聴いてみた。
CD層、16bit/44.1kHz, 2chをいつものセット、[PC]=(USB)=[PMA-50]=[TANNOY Autograph mini] で。
こっちの方が音も良いし、臨場感もある。

これって何なのかなぁ。
エレキ臭の違いなのかもしれない。

伝統的なオーディオ・セットというのは、エレキ臭がしないと感じる。
全然理由はわからないし、そういう言葉で批評する例もあまり聞かないけれど、私流にはエレキ臭と表現するようなもので、違う言葉でいえば、なんとなく人工的、そういう感じ。
出ている音を実際に分析してどうなのかとかは全くわからないのだけど。

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映画館の再現~デジタル・サウンド・プロジェクター

wagayanoysp2500.jpgYSP-2500の三回目。写真は見苦しい我が家でセットしたところ。
さて、いよいよYSP-2500の音の評価を書こうと思う。ただし、デジタル・サウンド・プロジェクターは、設置環境が決定的に重要なので、あくまでも我が家での評価である。
(昨日書いたが、我が家の設置環境はかなり悪い方だと思う)。

製品付属のサラウンド・チェック用DVD。周囲を囲むジャズ系音源、雨の音や、林の中の鳥の声、街角の音などが収録されている。
ジャズ系音源ではテレビ画面にどこから強い音が出ているかの表示があるようだが、はっきりいってそのようには感じられない。他の音源ははじめに2ch、続いて5.1chが流れるのだが、あきらかに5.1chのほうが音の広がりを感じる。

ネット評では、雨に囲まれているというか部屋の中で雨が降っているように感じるとまで書かれているのだが、たしかに左右から聞こえ、多少はそういう感じがするが、後ろから聞こえるかは微妙。対して街角の音は、最後のほうで、うしろから車が近づく音が聞こえた。たしかに少しはサラウンド効果が出ている。

何より購入の動機づけとなった、フォン・オッターのカルメンのブルーレイ。テレビに比べて、音はくっきりし、拡がり感がある。まぁ、こんなものかな。しかし、ボーカルが少しさびしい、フォン・オッターの艶やかな声が堅く感じる。
音楽(クラシック)での評価は、なかなか難しく、ソースによって随分違うので、まとめて別稿にする。

テレビやビデオの音楽ソフトを楽しむために購入したわけだが、テレビを見ていると、5.1chサラウンドで放送しているのは音楽番組だけではない。
今、ちょうど、選抜高校野球を中継しているが、NHKは5.1chサラウンドで放送している。
これはなかなか臨場感が出る。どこで試合を見ているという設定なのだろうか、音から感じるのは、バックネット裏に居るような感じである。

DSPという音質調整機能がついていて、映画系でSFX、Adventure、Spectacle、音楽系でMusic video、Concert、Jazz clubという設定があるのだけれど、これらでの音場の変化はかなりある。Spectacleというのが一番、サラウンドっぽくなるように思う。

結局、なかなか面白いおもちゃには違いない。

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デジタル・サウンド・プロジェクター

YSP2500PRimage.png一日おいたけど、予告どおり、デジタル・サウンド・プロジェクター YSP-2500について。

この機械はその方式上、設置条件が厳しい。奥行、幅が3~7m、天井高が2m~3.5mの部屋でないといけない。また、設置場所と視聴場所は1.8m以上離れていなければならない。
我が家では、リビングの長手方向の壁にテレビを設置していて、奥行がぎりぎり3m超である。また、テレビと通常の試聴位置を測ると、これもぎりぎり1.8mであった。窓にはカーテン(レースと厚手の二重)がかかっているし、テレビ横にあるダイニングに通ずるドアは通常開放している。かなり厳しい条件だと予想。

設置自体は極めて簡単、テレビの前にYSP-2500を置き、HDMIケーブルをつなぐだけ。YSP-2500は脚の高さが調整できてテレビの足を跨ぐには十分の35mmぐらいの高さが確保できる、というのだけれど、うちのテレビの足の間隔がほぼYSP-2500の幅に同じで、跨ぐということはどちらかへ偏るという状態だったのは誤算。

で、肝心のサウンド・プロジェクションの調整だが、付属の「インテリビーム・マイク」というのを使って自動調整する。スピーカーとの距離が1.8m無いなど、条件が悪いと自動調整がエラーになると説明されていたので、びくびくしながらやってみたのだが、無事に調整終了。夜中にやったので分厚いカーテンを閉じた状態だが、調整自体は無事終了。
部屋の条件が変わる場合などに使える設定メモリーが付いているのだが、これが3つだけというのは困る。カーテンの開閉だけで2つあるわけだが、ドアの開閉状態も記憶したいので、最低4つは欲しいところ。YAMAHAも変なところをケチったものだ。

YSP-2500はこのシリーズの最新型だが、私としては古くても良いから安いので良いと思っていたのだが、ネットで評価を見ていると、サウンド・プロジェクションという面はともかく、オーディオ機器としては旧製品よりずっと良くなっているという評があるので、ちょっと高いけど、このタイプにしたわけだ。

焦らすようだが、音の評価はまた明日。

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サラウンド・ステレオ

YAMAHAのデジタル・サウンド・プロジェクターという機器を購入した。
以前、フォン・オッターのカルメンのブルーレイをリビングのテレビで見るのに、音を少しは良くしたい、デジタル・サウンド・プロジェクターを買おうかと書いた、その機器である。
(珍之助さまは、テレビの買い替えを推奨されたのだけれど、以前からの興味もあってこっちを選択)

この機器の評価はあらためて書くことにして、今日は、サラウンド・ステレオというものについて。

Quasi4channel.jpg学生の頃、4チャンネル・ステレオというのがちょっと流行ったことがあった。本格的な4チャンネルは音源自体が、FL(フロント・レフト。以下同様)、FR、RL、RRの4チャンネルあるもので、今のサラウンドにつながるものだったと思うが、その他に、疑似4チャンネルとして、もともとL、Rの通常の2チャンネル・ステレオ音源を、リア・スピーカーにも振り分けるものもあった。Wikipediaにも書かれているが、要するに、FL、FRはもとのL、Rで、RLは [L-R]、RRは [R-L]の音が出る。配線だけでできるので、私もやってみたことがある。

これを私に教えてくれた人は、疑似4チャンネルに明確な意図を持っておられた。要するに「音が前へ出てくる」のが好きだという。当然、リアにスピーカーを配置しているわけだから、音は前へ出てくる。それが音に包まれる感覚になる。
ただ、もちろん音は前へ出てくるのだけれど、なんだか本来のステレオ録音とは違うような感じがしたし、良いスピーカーを使うと、そんなことをしなくても音は前へ出てくるので、面白がってやってみたものの、すぐにやめた。

今では、サラウンドには、DTSとかDolby(私の世代はDolbyといえばテープレコーダーのノイズリダクションの代名詞だったが)など、複数の方式があるようだ。また、5.1ch、7.1chというようにスピーカー数も増えている。
DVDやブルーレイ・ビデオの映画系ソフトの多くはサラウンドになっている。
となると、音源のすべてを再生する、つまりサラウンド・システムを導入したいという思いが募るのだけど、リビングではリア・スピーカーを置くのが難しいし、配線もうっとおしい。

SurroundHeadphone.jpgで、手軽にサラウンド体験をしてみようと、サラウンド・ヘッドフォンというものを購入したことがある。サラウンド効果ねぇ、鳴るよ、たしかに。音が右左に動く感じはわかる。

しかし、今までも何度か書いたように、私はヘッドフォンはあまり好きじゃない。圧迫感がいやだし、このサラウンド・ヘッドフォンは写真でわかるように結構嵩高いもので、少々重くもある。
さらに、音が動く感じはわかるけれど、音に包まれているというような感覚は得られなかった。理屈から言えば、ヘッドフォンでも十分音場再現はできそうに思うのだけれど、なぜかそうは感じない。
ということで、このヘッドフォンは、今は家のどこかで眠っている。

今回のデジタル・サウンド・プロジェクターの購入は、大袈裟に言えばサラウンドへの挑戦の3回目ということにはなるが、簡便さからいえばヘッドフォンと同等、実に安易な方法をとったわけだ。

周知のとおり、この製品は、たくさんの小さいスピーカーを使って、部屋での音の反射をコントロールするという技術である。いわゆる疑似サラウンドとは違う。部屋の条件さえよければ、リアスピーカーを配置した本来のサラウンドに近い状態を作れるというふれこみである。

この逆の製品がある。アレイマイクという。これはたくさんのマイクを並べて音を拾うもの。オーディオ編集ソフトにはバックグラウンド・ノイズを取り除く機能がついているものがあるが、これらは適当なノイズパターンを単純に引き算するだけのようだが、アレイマイクは、たくさんのマイクで音を拾って、反響(マルチパス)と判断できるものを取り除く技術のようである。
実は、前の職場でテレビ会議を導入したとき、会議室の音響効果が良くないもので、普通のマイクだと、しゃべっている人の声が聞き取りにくく、実用に耐えなかった。そこで結構効果なアレイマイクを導入して、なんとかテレビ会議がそれらしくできるようになったことを経験している。

録音には、演奏会場で実際に発生しているマルチパスが含まれているはずである。それが会場の音というものだ。サラウンド・システムとは、考えようによっては、演奏会場のマルチパスを家庭で再現すると言えるのかもしれない。

さて、期待どおりの効果が得られただろうか、焦らすようだが、それについてはあらためてアップする。
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フォン・オッターの「カルメン」、ブルーレイ版

前に「アンネ・ゾフィー・フォン・オッター」で、彼女の演ずるカルメンをとりあげている。そのとき「ブルーレイも出ているらしい」と書いたのだけれど、今までに何度か、ブルーレイ版の販売がないかネットでチェックしていて、品切れというようなつれない結果に終わっていた。

ところがところが、ブルーレイ・オーディオというものがあるということを知って(ブルーレイ・オーディオの稿参照)、HMVでブルーレイ・オーディオを調べていたら、件の「カルメン」のブルーレイも検索結果に引っかかってきた。お取り寄せとなっている。

これは買わなければ。


ということで、昨日のブルーレイ・オーディオと一緒に、これも注文することにした。
意外なことに(というのは、HMVでは今までに何度か「手配できません」ということがあったから)、受付メールでは出荷目安が16日後になっていたにもかかわらず、わずか5日で配達された。

CarmenOtterBluRay.jpg


たまたま深夜のBS放送で見たときの衝撃の画面が甦る、はずだ

オーディオはDVDと同じ品質のようだが、映像はハイビジョンである。
しかし、オーディオ部屋に置いてあるテレビは適当に買った安物で、フルHDではないから、これで見ても本当の画面ではない。
う~ん、フルHDのテレビに買い替えようか、どうしようか。

リビングのフルHDで見る。音がさびしい。少しましなスピーカー、たとえばヤマハのデジタル・サウンド・プロジェクターシリーズとかを付けようか。

OtterExtra1.png    OtterExtra2.png

素晴らしいコンテンツがあると、物欲が昂進するなぁ。
暫く見ていなかったカルメンだけれど、こうして、また理性が崩壊していく……


今、私のスマホ、タブレットの壁紙は、マリア・テレジア(少女時代)を駆逐して、フォン・オッターのカルメンが、さまざまな姿態で誘惑してくる。(壁紙切替アプリ使用。壁紙フォルダにマリア・テレジアを混ぜておこうかな)
OtterExtra3.png


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ブルーレイ・オーディオ―もう一つのハイレゾ音源

以前の稿でDVD-videoのオーディオ規格はPCM 24bit/96kHzまであり、その規格のDVDを作ったことがあると書き(グリュミオーのモーツァルト協奏曲5曲を24bit/96kHzでサンプリングして、1枚のDVDに入れた)、そういう規格のDVDを出したら良いのではないかとした。

ものを知らないとは恥ずかしいことで、DVDではなくて、Blu-rayでそういうものがあることを最近知った。ブルーレイ・オーディオと言うそうだ。
(ただし私が24bit/96kHzのDVDを作ったのは5年も前の話である。ひょっとしたらブルーレイ・オーディオより先?)

ものは試しと、ブルーレイ・オーディオのディスクを2つ、HMVで購入。
NicholsonBluRay.jpg一つは、ピアノ協奏曲集(KV271,KV414,KV415,KV456,KV467,KV488)/ニコルソン、クレーマー&カペラ・コロニエンシスで、PCM 24bit/96kHzで収録されている。6曲も入っていてお得な感じ。
実は、リンダ・ニコルソンというピアニストについては知識がなかったのだが、ブルーレイ・オーディオはまだ少ないので、他にこれという選択肢がなかった。
くっきりして、かつ響きのあるオーケストラで始まって、やけに臨場感がある。で、録音の問題では全然ないのだけれど、KV271といえば、序奏部でピアノが存在感を示す曲なわけだけど……、えっ、(現代)ピアノの音じゃない、ハンマーフリューゲルと言うべき部類。これじゃ音の比較にならない。

以前にもFM放送とかでハンマーフリューゲルで弾いたモーツァルトというのを聴いた覚えがあるが、ふーん、という感じ。「ピアノはいつピアノになったか」という本があるが、各時代のピアノ(復元)の演奏がCD付録でついている。おもしろい、でも博物館的興味というところ。
もちろん、ニコルソンは博物館的興味で聴く類の演奏ではないのだけれど、古楽器をそれゆえに礼賛するという気もないから、あえて音について言うとしたら、どうしても現代ピアノと比べてしまう(ブルーレイ・オーディオの音がどうこうという話でなくてタイトルには合わないけど)。
まず、このピアノをピアノフォルテ(pf)というなら、現代ピアノは pf も2つか3つ並んでいる(ppff)ような感じ、オーケストラのテュッティ(このディスクだとかなり少人数のオーケストラだと思うのだが)に対すると苦しい。音色も、聞き慣れたピアノの音と比べると、軽く弦を弾くようなタッチで、ハープシコード的に響くところもあり、それでオーケストラに埋没しがちになるのかもしれない。
18世紀のピアノはアクションが軽くてパッセージが軽やかに弾けるというようなことを何かで読んだ覚えがある。そういわれればそうかもしれないが、結構、音を揃えるのが難しそうだ。楽器のせいか、なにか音がばらつくような感じがする。
オーケストラを含む全体としては、大変良い録音で、弦楽器は艶やかな音がする。

RavelOrchestralWorksBluRay.jpgさて、もう1枚は、ラヴェル管弦楽作品集第1集/スラトキン&リヨン国立管弦楽団で、24bit/96kHzで収録されている。
これはもう、現代的な音で、いろんな楽器がいろんな強さで入っている。ハイレゾの実力を評価するのに良い音源だと思う。聴くと、pppppぐらいで鳴る管楽器や打楽器の音がきちんと聴こえる。追加したサブウーファーのおかげで、コントラバスの動きも良くわかる。
「ハイレゾでも、聴こえる音には違いはない(違いは聞こえない音)」というのが私の逆説的意見なのだけれど、やっぱり聴感は違う。

素人考えだけれど、
可聴帯域外をゼロにするか自由振動させるかの違いが、
スピーカー振動を無理に止めるか本来の動きをさせるかの違いに対応して、その意味でハイレゾは無理がないということなのかもしれない。
疑似ハイレゾの稿も参照)

今回購入した2枚のオーディオは、いずれもLPCM 24bit/96kHzだが、ブルーレイの規格では24bit/192kHzもあり、その規格のディスクも出ている。たとえば、小澤/サイトウ・キネンの第九がある。この演奏は、Blu-rayオーディオでは 3,780円、e-ONKYOからのダウンロードは 2,520円。なんだ、ダウンロードのほうが安いのか。SACDとは若干事情が違うようだ。(なお普通のCDは\1,851―Amazon \1,477)

ハイレゾ音源としては、SACD、ブルーレイオーディオ、そしてダウンロード配信の3種類があるわけだが、どれが一番有望なんだろう。音声フォーマットとしては、SACDはDSD、ブルーレイはPCM、ダウンロード配信はその両方(ソースによる)がある。
個人的な事情を言うと、SACDは持っているプレイヤーが悪いし、PCで扱えない。ブルーレイは何といってもPCでも扱える。素直に考えればパッケージや物流コストのいらない、そして家のスペースもとらないダウンロード配信が価格では有利だと思う。
海外では音楽コンテンツの商売では、CDはさっぱり売れず、ネット配信(ストリームも含め)が主流になっているという。我が国もそうなるのだろうか。あるいは、海外サイトにおしまくられて日本ではコンテンツ商売が全滅することになるのだろうか。

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古い録音のハイレゾ

HeifetzSACD.jpg私のCDライブラリーには、こんなSACDがある。
ハイフェッツ、ライナー/シカゴ響によるブラームス、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲。
それぞれ1955、1957年の録音らしく、当然だがディジタル録音ではない。

ディジタル録音というと、ピリスのモーツァルト・ソナタ全集がそのもっとも早い部類だと思う。コロンビアが開発したPCMレコーダーで、東京のイイノホールで録音されたものだと記憶している。LPで発売され、吉田秀和氏が解説と楽曲分析を書いている。ピアノはアタックが強くてアナログ・プレイヤー泣かせだと思うが、このレコードはきれいに音が拾えた。


このハイフェッツのSACDのソースになったのは、ブラームスは76cm/s 2トラック、チャイコフスキーは38cm/s 3トラックで録音されたものと解説に書かれている。私が持っていたオープンリール・デッキでも周波数特性は30Hz~25kHz(19cm/s)となっていたから、保存状況に問題なければ、ハイレゾのソースとして十分な帯域が入っていたに違いない。

仮に、周波数特性が20~20kHzとなっていたとしても、こういう数字はフラットな帯域を示すもので、この外側の周波数が含まれないということではない。昔は、可聴帯域はどんなに広くとっても16Hz~20kHzで、それ以外は音楽鑑賞に影響はないと考えられていたが、それでも機器の特性としてはそれを超える値が書かれていた。
これは機器の「余裕」というようなものを示す、つまり、20kHzまでフラットということは、20kHzでは少し悪くなるという意味であり、45kHzまでフラットというのなら20kHzでも全然悪くならない、という意味だったと思う。結果、可聴帯域外の音も当然含まれていたと考えるべきだろう。CDのように、22.05kHz以上は「ゼロ」とは違う。

DENONdl110.gifレコードでも同様で、昔、アナログ・プレイヤーのピックアップ・カートリッジのCMで「アナログ・レコードには数Hzから45kHzまでの音が刻まれています」「カートリッジが拾う音溝の凹凸は分子レベルです」などというのがあったし、現在、私が使っているカートリッジも、再生周波数範囲は20Hz~45kHzと書かれている。

私もアナログ・レコードを24bit/96kHz(一応ハイレゾとされるサンプリング)でディジタル化して、CDよりも豊かな音として感じているわけだ。前も良かったと思うが、DAC内蔵アンプになった今の環境ではさらに良くなった。前にデジタル化していたグリュミオーの協奏曲全集などは、驚くほど快適な音になったと思う(不思議なことにアナログ・レコード出力でそのまま聴くより、一旦デジタル化したもののほうが綺麗に聴こえる気がする)。

ところで、ハイフェッツの録音は音はいいよ、だけど、なんか最近のCDとは違うような感じがする。
演奏自体の時代性の問題だろうか、それとも最終製品(レコード)を意識したときの録音設定やミキシングの問題だろうか。

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DSDファイルの音

先日は、foobar2000を使って、PMA-50へのDSDデータを送れることを報告、となると、当然、DSD音源の音がどうなのかをレポートしなければなるまい。

moraとかが無料配信している試聴楽曲だけではなく、普段聴いている曲を聴きたくてたまらない。moraで配信している試聴曲は妙に色づけた曲だし、e-ONKYOのそれはごく短い。
前にDSDの配信はSACDより高いと書いたけれど、ここは奮発して、小曲の一つでもと思ってe-ONKYOサイトを検索。

え、安いのが出ているじゃないか。菊池洋子のモーツァルト・アルバム。
私が一番良く聴いているものといえば、ピアノ協奏曲。ピアノとオーケストラというのは音の善し悪しを確かめるのにも良いし、何より聴きなれている。
サイトの説明によると、3月まで割引料金で、1,944円だそうだ。
念のため調べると、同じもののSACDは定価3,086円でAmazonで2,462円。前に、ダウンロード販売のほうがSACDより高いのが気に入らないと書いたけれど、期間限定料金とはいえ、見事に逆転。

電子書籍のhontoは、このあいだ50%引きのクーポンを送ってきた。e-ONKYOもそうしてくれないかなぁ。


kikuchiyoko1.jpg買ったのは、KV467の協奏曲と、KV331のソナタ。協奏曲のオーケストラは沼尻竜典指揮のオーケストラ・アンサンブル金沢。ファイル・フォーマットは2.8MHz/1bitのDSF。
実は、この演奏のCDは図書館で借りて聴いている。嫌味のない演奏で好感を持っていた。KV467というのは私としては特別好きな部類ではない。大きな神殿の柱のような建物とセンチメンタルな乙女の組み合わせのような曲なので、なんとなくロマン臭がする。映画で使われて有名になった第2楽章も甘すぎて。
だけど、この演奏は柱が太すぎることはなく、菊池洋子もセンチになりすぎない。

演奏評を書くのではなかった、DSDの音の評価であった。
一言、気持ち良い。いつまでも聴き続けたい、そう思う音である。

やっぱりCD音質や疑似ハイレゾとは違う。
ただし、ネットでも報告を目にしたが、foobar2000は、ごくまれにだが、チッというノイズが入ることがある。ないに越したことはないが、あっても特別邪魔になるということはない。まるでアナログ・レコードに傷・埃が入っているような感じがして、不思議な感覚である。

kikuchiyoko2.jpg菊池洋子モーツァルト・アルバムはもう一つあって、こちらはKV466の協奏曲、KV265の変奏曲、KV310のソナタ。短調の曲が2つも入っているというアルバムである。協奏曲のオーケストラは、同じくオーケストラ・アンサンブル金沢だが、指揮は井上道義。
この演奏はCDでも聴いたことがない。
我慢できなくなって、というか定価販売に戻る前にということで、これも買ってしまった。(演奏評は省略。)

しかし、今は、菊池洋子のモーツァルトという素晴らしい演奏が配信されているのだが、割引セールに出ている楽曲はまだまだ少ない(ほしいものがありすぎると困るけど)。もっと頑張ってもらいたい。
なお、これらはAVEXレーベルで、e-ONKYOでもmoraでも全く同じものが、同じ価格で販売されている。

このところハイレゾに凝ったようになっているが、契機はスマホをハイレゾ対応にしたことからだった。
別にハイレゾが欲しかったのではなくて、CPUが一番早いスマホを選んだらハイレゾ対応だったというだけなのだが、そこから、DAC内蔵アンプを買い、そうやって音が良くなると低音の寂しさが気になってサブウーファーを買い、ハイレゾ音源がまだまだ高いとこぼして疑似ハイレゾをやってみて、そしてハイレゾの音が出てないことに気付くとパソコンの設定に努力し、ようやくDSD再生ができるとなると、今度はやっぱりちゃんとしたハイレゾ音源が欲しくなるという、ちょっと困ったことになった。


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foobar2000―PMA-50でのDSD再生

疑似ハイレゾの話が連続したが、今日は前に「ハードルが高そう」と書いたが、その稿に追記2で予告したとおり、foobar2000でPMA-50にDSDデータを送ることができたので、それについて報告。

前にも書いたように、ネット情報では、foobar2000でDSD再生ができるという話があるので、腰をすえてチャレンジした。
大変参考になったのがFOOBAR2000でDSD再生というページ、ほとんどここに書かれているとおりにやって、どうやらうまくいったらしい。貴重な情報提供に大感謝。
らしい、というのはPMA-50のパネル表示がDSDと出るようになったから。
PMA-50DSDdisplay.jpg

ただ、PMA-50はDSD再生といっても、アンプはPCMで動作するらしい。そもそも何をもってDSDダイレクトというのか良くわかっていないのだが、PDMみたいなものらしいから、DSDデータを「そのまま」音にする回路があるのかもしれない。
それはともかく、以下に手順。

0. foobar2000を最新バージョンにしておく

これができてないと、foobar2000のcomponentのインストールがうまくできない。実は筆者は無理やりfoobar2000のcomponentフォルダーにDLLファイルを放り込んでfoobar2000が動作しなくなった。しかたがないので最新バージョン(v1.3.7)を再インストールして、以下の手順がスムースにできるようになった。
(拡張子fb2k-componentのfoobar2000 componentファイルは、zipファイルの拡張子を変えただけのものらしく、解凍すればその中にDLLファイルがあるのだが、これを無理にコピーしてはいけないようだ)
なお、DENONのドライバー(標準のもの、Denon USB Audio)はもちろんこれに先立ってインストールしておく。


1. 必要なfoobar2000 componentのダウンロード/インストール
1-1 ASIOコンポーネントのインストール

http://www.foobar2000.org/components/view/foo_out_asioのDOWNLOADをクリックして "foo_out_asio.fb2k-component" をダウンロード。
foobar2000を起動して、file-preferencesメニューを出し、componentを選択、ペイン下方のinstallをクリックして、ダウンロードしたファイルを選択してインストールする。


1-2 SACDコンポーネントのインストール

http://sourceforge.net/projects/sacddecoder/files/foo_input_sacd/を開いて、最新の foo_input_sacd-0.7.4.zipファイルをダウンロードし、解凍する。
解凍したフォルダ中の foo_input_sacd.fb2k-component を1-1と同じ手順でインストールする。


1-3 ASIOProxyInstall.exe

1-2で解凍したフォルダ中にある ASIOProxyInstall.exe を実行する(通常のWindowsソフトのインストール)。


2. foobar2000の動作設定
2-1 ASIO deviceの選択

File-preferencesで表示されるメニュー(左ペイン)からplayback-outputを選択する。
Deviceのプルダウンに ASIO:foo_dsd_asio が表示されるはずなので、これを選択する。推測だが、foobar2000が制御できるドライバーを選択するということではないだろうか。


2-2 ASIO deviceの設定

次にメニュー(左ペイン)にplayback-outputの下にさらにASIOが表示されるようになるのでこれをクリック。
ASIO driversとして、 Denon ASIO Device と foo_dsd_asio の2つが表示されるので、foo_dsd_asioをダブルクリックする。
foo_dsd_asio の設定ダイアログが表示されるので、ここでdeviceをDenon ASIO Deviceにする。これも推測だが、ハードウェア側のドライバを指定し、ハードへ渡すデータ形式を設定するという仕掛けではないだろうか。
DSD Playback Methodというのは、DSDデータを「生」(native)で送るか、PCMに擬装(DoP)するかを指定するようだ。PMA-50の場合、nativeでもDoPでも、どちらでも動作する。
DSD to DSD methodは、PMA-50側のUSBはDSDを受け付けるのだから、当然、Noneで良いと思うが、他の指定をしたらさらにオーバーサンプリングして出力するようである。DSD64で2.8Mhz、DSD128で5.6MHzというわけだ。オーバーサンプリングすると、私のPCではプツッというノイズが出る。
PCM to DSD methodは、PCMデータをDSDに変換するかどうかのようだ。type A~D、およびtypeA~D(32fp)というのがあるようだが、いろいろネットを調べると変換時の計算方法のようだ。DSDへ変換すると音が良くなる(疑似ハイレゾ?)という話があるようだが、実際にやってみるとDSD to DSDと同様プツッというノイズが盛大に出たりする。ましなのはtypeC(fp32)という設定だったが、オーバーサンプリングの音はなんとなく不自然な感じがして使っていない。疑似ハイレゾはWPUPに任せることにしよう。
DenonASIOdevice2.jpg


2-3 再生仕様(SACD)の設定

File-Preferencesから左側のメニューにあるTools-SACDを選択する、とネットでは説明されているのだが、表示されるダイアログからの推測だと、DSDをPCMに変換するときのパラメータのように見える。DSDで渡すのなら意味がないのではないだろうか。
Tools-SACD.jpg


これで、dff、dsfともfoobar2000で再生し、PMA-50のパネルに、DSD 2.8MHzの表示が出るようになった(冒頭写真)。
なお、PCM 24bit/96kHzや、16bit/44.1kHzの音源も、この設定のままでOK("PCM to DSD"はNone)。

手探りであったが、一応満足できる状態にはなった。実際の音の感想はあらためて投稿する。
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疑似ハイレゾ(その3)

昨日に続いて、疑似ハイレゾについて。

昨日は、一部で激賞されているような音の変化は感じない、言われなければアップサンプリングしているとは気が付かない、ただし音源によって微妙に効果が違う、とした。
今回の試聴は、いずれも比較のため、各曲の冒頭の一部、短い時間しか聴いていないから、長時間聴くと、また評価が変わるかもしれない。また、すべてクラシックで試聴したが、ポップス系の場合はまた違うかもしれない。

最後にWPUPの操作性について。
WPUPは、アップサンプリングをするために元のデータを先読みして分析するようだから、直ちに再生が始まるわけではない。再生ボタンをクリックしてから数秒遅れてスタートするようだ。また、再生位置を示すバーは、少しずれて表示されていた。

foobar2000でもバッファを大きくとっていると(私は楽曲をNASに置いているのでNASへの他PCからのアクセスなどで遅延が発生することも考えてかなり長めのバッファをとっている)若干、スタートが遅くなる。


WPUPの再生可能フォーマットは、wavだけでなく、flac、mp3にも対応、WMAには対応していない。前に書いたように、長年WMAでリッピングしていたデータをflacに順次移行中なのだが、そのままでWPUPを使えるから、flacに移行することは無駄ではないということになる(いつもWPUPを使うかと言われれば、テスト結果から考えるとちょっと疑問だけれど)。
なお、WPUPはmp3のプレイリスト(.m3u)にも対応しているから、foobar2000などと同じプレイリストが使える。私はあんまりプレイリストは作らないのだけれど(エクスプローラーからファイルを開くのが普通)、こういう互換性というか汎用性にも配慮されている。

ということで、アップサンプリング・ソフトはお金を出してまで使うかと言われればやや疑問。しかし、ときどき使ってみるのはおもしろそう。

何より、先日書いたような「理屈」をあれこれ考えるのが一番おもしろいかもしれない。

それより、WPUPの試聴をしていて思ったのだが、DAC内蔵アンプを使っていると、SACDプレイヤーとかにDACを内蔵してもらわなくても良いし、アナログ出力もいらない。S/PDIFあるいはUSBの出力だけあれば良い。SACDをパソコンで再生できればそれでよいと思うのだが何とかならないものか。コピー防止のために意図的に使いにくくされているのだと思うが、DSD配信が始まっているわけだから、そろそろ解禁しても良いのではないだろうか。このままではSACD自体が廃れるのではないだろうか。
nounonakanoyurei.jpg
ところで「音として感じないのに違う」ということについて、視覚での話だけれど、脳疾患で、本人は見えていることを認識できない(見えていない)にもかかわらず、カードをポストに入れてくださいというと、全然迷うことなく、きちんと縦横を間違わずポストに投函するというような症例があるそうだ(ラマチャンドラン「脳のなかの幽霊」)。
意識することと、感覚器に入った信号を(自動的に・無自覚に)情報処理する多層構造の認知機構とは違うらしい。

ならば、素人考えだが、ひょっとしたら聴覚においても同様のことが起こっているのかもしれない。聴覚と言語の結びつきは精妙だろうから、いろんな可能性があるのではないか。

加齢で高音域が聴きにくくなるのは共鳴器の劣化という物理的原因で脳の情報処理の問題ではないらしいが、聞こえなくなった高周波を認知機構が違う形で補うこともありえるかもしれない。そういうのは「幻聴」というのかもしれないけど。


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疑似ハイレゾ

何度も書いたように、DAC内蔵アンプ(DENON PMA-50)を買ったおかげで、私にとってもハイレゾが身近な存在になった。
このところ、新聞やテレビでも、ハイレゾがたびたび話題になっており、最近ではハイレゾ対応機器が良く売れるようになっているとも報道されている。

とはいうものの、前にも書いたようにハイレゾ音源は高い。DSDファイルをダウンロード購入するより、SACDの方が安いという困った状態である。そう思っていると、ハイレゾ対応機器の中には、アップサンプリング機能をもっている製品がちょくちょくある。このデジタル万能時代である、そういう機器があるとなると、きっとそういうパソコンソフトがあるに違いない、そう思ってネットを調べるとやっぱりある。しかもフリーのものが。

ピュアオーディオマニアなら、アップサンプリングなど邪道も邪道、とんでもないことだと言うに違いない。そういう人は高価なオーディオセットに、高価なハイレゾ音源を組み合わせれば良い。


2015-02-16_214755.jpgで、WPUP(Wave PCM Upconvert Player)というのをダウンロードした。
アップサンプリングするソフトには、再生時にアップサンプリングするものと、アップサンプリングしたデータを作成するものがある。WPUPは再生時アップサンプリングも、データ作成もできる。

アップサンプリングは要するにCD品質ではカットされている高調波成分を補うのがキモのようだ。
CD品質は22.05kHzが理論的再生可能上限(44.1kHzでサンプリング)だが、そこから上は「ゼロ」として扱われるらしい。しかし考えてみれば、「ゼロ」になるというのは、たとえていえば固定端振動みたいなもので不自然、自由振動のような動きをする方が良いのではないか、つまり高調波部分に「自然な」拡張をするというアイデアのようだ。

そう考えると、これは原情報を損ねているということにはならない。22.05kHzまでは原情報と同じだからだ。(もっとも、実装されているアップサンプリングが本当にそうなっているのかは分からない。また、実際の再生装置では、当然スピーカーが勝手な高調波を出すはずだから、高調波がゼロの信号でも、出る空気振動はそうではない。これもアップサンプリング?)

昔、アナログ・レコード時代に、疑似ステレオというのがあった。モノーラル録音を、おそらくハイパス・フィルタ、ローパス・フィルタを使って左右に振り分けていたものだと思うが、ステレオ感はあるものの、不自然な音になって、そのうち廃れてしまったと思う。アップサンプリングはこれとは全く違う戦略だと思う。


補う高調波部分をどんなものにするのかだが、原情報が持つ22.05kHzまでのスペクトルに従ってその倍ぐらいまでを埋め込むというのが普通だろう。楽器によって特有のスペクトルがあるから、たとえばクラリネットは偶数倍音はない、それに応じてという考え方もあるだろうが、22.05kHzまでの範囲でそれはすでに埋め込まれているから、敢えて楽器に合わせる必要はないとも考えられる。(これらはいずれも私の推定で、実装がどうなっているかは全く知らない、念のため)

ハイレゾは量子化の細かさも違う。CD品質は16ビットだが、ハイレゾは24ビットとか32ビットである。
こちらは、原情報に基づいて標本点を補完するような方法は安直で、そうではなくて、高調波を補った分を反映するようなやりかたをすべきだと思うが、実際はどうなのだろう。

で、私が考える正しいアップサンプリングは、

その疑似ハイレゾ化された音源を、CD品質で再度サンプリングし直した時に、
元々のデータに一致すること=原情報は全く損なわれていないこと。
(いわば、「可逆アップサンプリング」であり、「聴こえない音のみの操作」―なんだか変な表現だが)

である。これに賛同していただけるかどうかはわからない。おそらく音として感じる範囲に違いがないと納得しないユーザーもいるだろうから、色をつけるようなことをするソフトもあるに違いない。

さて、あらためて、ハイレゾにどんな値打ちがあるのかだが、私の耳など、既に9kHzあたりが限界である。
前にアナログ・レコードのディジタル化の稿でコメントとして書いたけれど、国立国語研究所の研究結果では、可聴帯域外の高調波を含む音源と含まない音源をブラインド・テストすると、前者を心地よいと感じる人が多いという、これがハイレゾの値打ちだと思う(テレビのインタビューで「低音がすごい」と言ってた人がいたが、そんなはずはない。単に機器が良いだけだろう)。
その心地よさというのが、CDにありがちな「頭を抑えられたような」感覚からの解放だろうと思っている。それと、これも前に書いたが、ハイレゾ⇒ヘッドフォンみたいな世情だが、音に頭を抑えられなくても、ヘッドフォンで頭を抑えられる。これはいやだ。

いろいろ理屈を考えてみたが、問題は音、というか聴感である。
その報告は明日の稿にあげるつもり。
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サブウーファー NS-SW200のセッティング

昨日書いたとおり、TANNOY Autograph mini にサブウーファー NS-SW200を追加した。

そもそも、狭い部屋なのでオーディオラックの位置の関係もあるから、置き場所だけでも苦労する。
はじめに置いてみたのは、正面オーディオラックの左の床面。左のスピーカーの外側に置く形。
ここでしばらく使ったが、実はその左にクローゼットのドアがあって、サブウーファーを置いているとドアが開けにくい。さらに、低音には指向性がないと言うけれど、たしかにそこから音が出ているという意味での指向性は感じないのだが、なんとなく音圧のバランスを欠くように思った。また音が左右に散る感じや、反射音(?)が聞こえるようにも感じた。

subwoofersetting.jpg

それで、結局写真のように、オーディオラックの上に置くことにした。結果、音圧のバランスは左下に置くよりは良いようだ。ダクトが真横右を向いていることが気になったが、斜めに置いても聴感上はほとんど変わらなかった。

オシレータ(PCで動作する発振器、昨日稿参照)でチェックしてメイン・スピーカーから平坦につながるようにクロスオーバー周波数、ゲインを調整する。そうすると聴感上はやはり60Hz以下はだら下がりになるわけだが、途中、35Hzあたりが膨らむ感じ(定在波の影響にしては低すぎる)。また位相の反転スイッチもついていて、説明書では「逆」が標準とあったが、うちでは「正」の方が良いようだ。メインスピーカーがバスレフダクトを後ろに持っていることが関係あるのだろうか。

実は左下に置いたときは、楽曲を聴くと、低音が塊になったように聞こえたが、ラック上中央に置くことで改善された。フローリングの床面より、オーディオラックの方が板厚があって堅いので、それが良いのかもしれない。

サブウーファーの隣、同じラックの天板上にアナログ・プレイヤーがあるのはまずいと思うが、アナログ・プレイヤーを使うときはサブウーファーはoffにするつもりだ。


低音は力強く出て、しまりもあるが、体を包み込む風とまではゆかない。ゲインを上げると、頭・耳にくる塊が目立ってくる。ホールの響きの再現は難しいし、38cmのArundelに比べれば色気に欠ける。
ホールトーンを再現し、包み込む感じにするには、サブウーファーといえども2本あるほうが良いのかもしれない。
また、1ランク上のNS-SW300はf0が20Hzだから、こちらにならもう少しゆとりある低音が出たかもしれない。贅沢をいうなら、やはり38cm以上の口径のスピーカーを使ったサブウーファーが良いのだろう。

結局、「そういえば鳴ってるな」ぐらいで使う、つまり存在を感じさせないのが良い。それでも低音のさびしさは改善されている。
というわけで、いろいろ不満はあるが、メインスピーカーを邪魔して音が濁ったようになるわけではないし、ステレオ感にも特に影響はないようだから、邪魔しない使い方をする分には、悪くはないと思う。
何と言っても、コントラバス奏者への敬意の表明になるし。

それにしても、リビングの方が、伸びやかで繊細、低音にもゆとりがある。金はこっちの方がかかってないんだけど(Arundelはもらいものなので)。
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サブウーファーの追加

オーディオのアンプをPMA-50に変更したことは既報だが、そのときTANNOY Autograph mini(10cm)では低音がさびしいとも書いた。

実は、今はもう持っていないのだが、TANNOY Lancasterというスピーカーの音が強く印象に残っている。前にも書いたが、低弦が風のように気持ち良いという表現は、このスピーカーを使っていたときの感覚である。
この感じが欲しい。

それまでは「全周波数帯域でフラットな特性」を謳っていた国産スピーカーを使っていたが、オーディオ・テストレコードで低音から高音までの正弦波を再生すると、あきらかに途中で音が変質する(部屋鳴りではない)。2wayスピーカーだったから、おそらくそのクロスオーバー付近で音の質が変わるのだろう。TANNOY Lancasterで同じテストレコードを再生すると、低音から高音まで音質が一定している(今使っているAutograph mini、Arundelも同様)。
TANNOYはフラットな特性などは宣伝していないし、オーディオ評論家はTANNOYは楽器的で特別な趣味人が使うもので、ピュアオーディオマニアからは論外のスピーカーとされているようだ。もちろん一定の水準(価格)以上のスピーカーならこのTANNOYと同じように低域から広域まで自然につながっているに違いない。ハイファイとかフラットとかの理念は好きだが、音としてどう実現するかはまた別の問題のようだ。


さて、前置きが長くなったが、PMA-50で鳴らしているスピーカーはTANNOY Autograph miniだが、このスピーカーの再生周波数帯域はカタログ上 68Hz~であり、実際、オシレータで正弦波を出して確認すると( "WaveGene" というフリーのWindowsソフト使用。PCがつながってるといろいろ便利)、70HzまではOKだが、これより低くなるともう音にならない。70Hzというと楽音で言えば C#2 あたりであり、真中のドの2オクターブ下がもう出ていないわけだ。(楽音と周波数)
cbass-open.gif
最近、コントラバス奏者と知り合いになったが、コントラバスの通常の最低音はE1(≒41Hz)、5弦だとC1(≒33Hz)あるいは B0(≒31Hz)というから、こういう人に対しては、70Hzまでしか出ないオーディオは失礼なような気がする。(図はコントラバスの調弦。括弧は5弦の場合)
なお、リビングの別のオーディオセットのTANNOY Arundelでは40Hzまできちんと出ている。

ということで、Autograph miniにサブウーファーを追加することにした。選んだ機種はYAMAHA NS-SW200。周波数帯域は28Hz~となっている。これはほぼA0(普通の88鍵ピアノの最低音、27.5Hz)に相当する。またクロスオーバー周波数も50Hz~150Hzの間で設定できるので使いやすそうだった。
NS-SW200.jpg
サブウーファーの追加は、ピュアオーディオマニアという人種からは邪道と言われるらしい。そういう人達は、最低でも38cm級のスピーカーを使い、このスピーカーで制動の聞いた低域を出すしっかりしたアンプが必要となると言う。

安物のアンプで38cmを駆動してもそこそこの音は出ると思うのだけど、実は、PMA-50の購入で、置き換えになったONKYO A-5VL(これもピュアオーディオマニアからは安物のアンプと言われるだろう)をリビングのアンプに転用した。それまでONKYO A-973というアンプだったのだが、A-5VLにするとTANNOY Arundelの低域の締りが良くなった。エッジが劣化していて要修繕と思っていたが……。矛盾するようだがアンプで音は変わるようだ。スピーカーとの相性のようなものかもしれないが。


ピュアならぬプア・オーディオ愛好者としては金がかかりすぎる。しかし、楽器から出ている40Hzの音が出ないということは、本当のコントラバスの音ではなく、その倍音だけを聴いているというような状態だから、邪道と言われても、他に選択肢はない。

サブウーファーのセッティングはなかなか難しい。長くなるので稿をあらためる。
それにしてもオーディオって、一か所いじると、あちこちいじりたくなるなぁ。
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ハイレゾ音源

新しいスマホ(Xperia Z3)がハイレゾ対応ということに端を発し、DAC内蔵アンプを購入してしまうなど、ちょっとハイレゾに関心が出てきた。

あらためてハイレゾの現状を見てみると、e-ONKYOやmoraは、24bit/96~192kHzというPCM音源に加え、DSD音源も配信している。なお、e-ONKYOは以前はWMAでの配信だけだったと記憶しているが、今はwaveやflacでも配信している。WMAだけで配信していたのはDRM(著作権保護)をかけるためだろうと思っていたのだが、もうコピープロテクトはあきらめたのだろうか。DSDもそれ自体にはDRM機能はないと思う。

で、昨日書いたようにいろいろ新しいアンプでテストをするなかで、moraから無料で配信されているDSD収録曲を聴いてみたりしたが、これだけではやっぱり物足りないので、あらためてDSDでどんな楽曲が配信されているか見ると、いくつか興味深い録音を見つけた。
その一つは、ペーター・レーゼル(Pf), ヘルムート・ブラニー/ドレスデン国立歌劇場室内管弦楽団による、ピアノ協奏曲 第19番(KV459)、第27番(KV595) 3,600円。
e-onkyoRoesel.jpg

少々高いが、思い切って買ってみようかと思ったのだけれど、調べるとSACDでも販売されている。Amazonで2,861円。739円も安い!
amazonRoesel.jpg

ということで、やっぱりダウンロードではなくて、SACDの方を買ってしまった。(やっぱりスマホで聴いたりしないよなぁ。)

普通の音源の場合、ネットの方が安い場合が多いと思うのだけれど、ハイレゾ音源だとネットの方が高いようだ。SACDはリッピング困難だがネット配信はコピーが簡単、ということでそういう価格になっているのかもしれない。

電子書籍はまだまだ普及が進まず、紙の本より安く売られたり、割引クーポンが使えたりするのだけれど、音楽の方は、CDが売れず、ネット配信の方が多いと言う状況だから、無理にネットで安売りする必要はないのかもしれない。

もう一つ、ハイレゾで配信されている演奏は、是非聞きたいというのをあまり見つけられない。
私が知らないだけで、すばらしい演奏がいくつも収録されているに違いないのだが、全く聞いたことのない曲の場合はともかく、聴いたことのある曲の場合、この演奏家ならどう演奏するのだろうというように、既知の演奏家でないと、なかなか買ってまで聴こうとしないように思う。
年寄りには、若い頃に夢中になった名演奏・名録音というのをハイレゾで出してもらうのも良いと思う。
昨日書いたように、グリュミオーのモーツァルト:協奏曲全集とか自分でディジタル化したものもなかなか良いから、少々録音が古くても(ハイレゾ録音でなくても)、結構良い音がする。(もっともハイフェッツになるとさすがに録音が古すぎるように思う。)
いずれにせよ、まだちょっと高い。

ところでうちのマルチメディア・プレイヤーは、CDは楽曲が表示されるのだが、SACDは出ない。SACDはCDDBに入っていないのだろうか。多くのSACDはハイブリッドタイプでCD層もあるからCDDBに入っていてもおかしくないと思う。これはプレイヤーの問題なのだろうか。
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PMA-50の評価

昨日は機械的な動作確認だけ書いたので、今日はオーディオとしての評価(機器構成は昨日の稿参照)。

まずSACD。
私はピュアオーディオのSACDプレイヤーは持ってなくて、ブルーレイ(マルチメディア)プレイヤーで代用している。SACDプレーヤーには高価なものもあるが、私が思うにデジタル再生装置というのは、ノイズの拾い方とか、クロックの正確性とか、違いが出そうな部分もあるだろうが、ディジタル伝送するのならノイズは関係なさそうだし、クロックもPMA-50側のクロックが使われるから、安物でも問題ないのではないだろうか。(演算速度が遅くて再生が途切れるなどは問題外で、あとは操作性の違いぐらいでは。)
前に使っていたONKYO A-5VLというアンプにもディジタル(同軸、光)入力があり、同軸でつないでいて、状況はたいして変わらないようだが、やはり、ハイレゾ対応をうたうPMA-50は前述のとおり、クロックがしっかりしているのか、やはり前よりくっきりした音になったと思う。これはアナログ増幅段の性能も大きいのだろう。
【追記】 今もっているマルチメディア・プレイヤーではSACD再生してもS/PDIFではPCM 16bit/44.1kHzでしか出てないようだ。

次にPCからのUSB接続。再生に使用したプレイヤーはfoobar2000。昨日も書いたが、foobar2000のoutput deviceのところに "DENON USB Audio" の表示が確認できる。
【追記】 DSD対応ができれば、ASIOが選択できるらしい。
foobar2000output.jpg

これは明らかに違う。今までのサウンドプロセッサでの再生は、おそらくジッターだろう、音が埃っぽかったが、大変くっきりし、プレイヤー直結のSACD/CD再生に勝るとも劣らないというところ。以前にアナログ・レコードを24bit/96kHzでディジタル化していたものを聴くとそれが良くわかる。
前述のとおり、アンプ側が「責任をもって」デジタル音源をアナログ化するということなので、ストレートな音になるのだろう。

問題はロー・レゾリューションの音源。mp3 192kbpsというような楽曲を聴くと、なんとも貧しい音になる。そうした音源でもウォークマンで聴く分にはそんなに貧相な音に思うわないのだけれど、ちゃんとしたオーディオセットだとハイレゾ(CD音質でも)との落差が大きい。

ということで、プレイヤー直結でもPCからでも同じような音になるので、音源の違いは無視して、スピーカーから出る音、つまり最終のアナログ信号の印象について若干コメントしておく。

これこそディジタルの本領と言える。
音源のディジタル記録が同じならスピーカーから出る音も当然同じになるはず。
同じPCM 24bit/96kHzなら、どのルートで入力しても同じ。元はPCでも、CDでも、スマホでも関係ないはず。
ただし、同軸デジタルは192kHz対応だが光デジタルは96kHzまでという規格上の違い、USBはDSDを流してくれるが、他はPCMに変換するなど、それぞれの規格に合わせて伝送されるから、ルートによってデータが違うということはある。
こういうアンプと組み合わせる場合、高級SACDプレイヤーに存在価値はないだろう(見た目の満足感を別にすれば)。


Julia Fischerのモーツァルト KV216(SACD)を聴くと、高音がやや固い印象。少し高域を落とし気味にするほうが聴きやすいかもしれない。となるとGrumiauxと比べたくなって、KV219(LPから24bit/96kHzでディジタル化)をPCで聴いてみた。いやぁ、古い録音とは思えない。涙が出る。やっぱりFischerよりGrumiauxかな。
以前、ONKYOが24bit/96kHzでお試しで無料配信していた楽曲でも、CD音質とははっきりした違いを感じたが、これはハイレゾ効果なのか、アンプの素質なのか(あるいは単にソースの問題なのか)はよくわからない。

LP時代からオーディオチェックに使っているBoskovsky/Wien POによる「金と銀」(LPから24bit/96kHzでディジタル化)を聴いた。定位は以前よりさらに良くなったと思う。ただし、この曲では低弦が風のように体を包む感覚を確認したいのだけれど、やはり口径10cmのAutograph miniでは、しっかりした低音が出てはいるのだが、その感覚は得られない。トーン・コントロールで低域を上げても低弦の音は風というより塊になる。今まで使ったことはないのだが、サブウーファーの追加(PMA-50にはサブウーファー用端子もついている)で良くなるのか、単にバランスを崩すだけなのか、もう少し考えたい。

ボーカルは、ナタリー・デセイの夜の女王の復讐のアリアを聴いてみた(CD音質)。ハリと透明感のある声だと思っていたのだけれど、それに加えて艶めかしさが出てきた。やっぱりオーディオを変更すると、人の声が一番変わるような気がする。
ピアノはもちろんしっかり鳴る。もう、こうなると音のことはどうでもよくなって、演奏の方にばかり注意が向くようになってきた。
まとめると、ハイレゾの効果はともかく、音はクリアで締りの良いものになったと思う。

いろいろ聴いているうちに、入力セレクタがボタンを押して一つずつ進むようになっているのが、使いにくく、またわかりにくい。機械的接点が劣化などで音質に影響することを嫌ったのかもしれないが、操作性は旧来のダイヤル式の方が良い。

私が設計者だったら、ルック&フィールは昔のものを目指す。パネルにセレクト・ダイヤルを配しソース名を印字しておき、ダイヤルを右へ回すと右クリック、左へ回すと左クリックとして動作させ、選択されているソースをLED発光で示すというようにするだろう。(前のONKYO A-5VLは、デジタル音源が生きているとそこがブルーのLEDで示される。)


それとBluetoothはいらない。機能があるから動作確認はしたけれど、やはり音としては情報量が減ったものになるようで、使うことはないだろう。マニュアルにもBluetoothはノイズの原因になるから、使わないならoffにするように書いてあるが、それなら初めから付ける必要はない。当然、ペアリングのためのNFCも不要。
これらをカットして値段を下げるか、前述のような操作性向上をお願いしたい。

Amazonで54,000円を切っていたが、これはなかなか良い買い物だった。
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DAC内蔵アンプ―DENON PMA-50

新しいスマホ Xperia Z3 はハイレゾ音源に対応している。
前にも書いたように、スマホにヘッドホンを挿してハイレゾで音楽を聴こうとは全く思っていない。ハイレゾは圧迫感のない音が良いのであって、ヘッドホンというだけで、違う意味でだが、圧迫感があるので値打ちがないと思っている。ハイレゾ再生でネットを検索するとヘッドフォンの記事がやけに多いように思うが、みなさんヘッドフォンを愛好しているのだろうか。

DSC_0033-crop.jpgしかし、ハイレゾ音源対応と言われると、やっぱりハイレゾ再生をやってみたくなるのが、デジタルおたくの習性である。
初め、いつものサウンドプロセッサ(Creative)につないでみたのだが、どうも認識してくれない。この際、USB-DACを一つ手に入れようと思った。そして買ってしまった。DENON PMA-50。

Amazonで在庫5台とあったのを見て、どうしようかと迷っているうちに、しばらくして在庫なし、入庫待ちになってしまった。あぁ、すぐにポチればよかったと思って物欲が昂進してしまいオーダー。10日以上待ちとなったが、すぐに「早く出荷できるようになりました」ということで2日で到着。


DSC_0034-crop.jpgXperiaにつなぐのは最後のお楽しみとして、ステレオ・アンプの置き換えから。

まずはSACDで動作確認。これはもちろん問題ない。ただし、PMA-50のディジタル入力はDSDに対応していないから、PCMになっているはず。

ついで、PCのUSBにつないで動作確認。まずはメーカーサイトへ行って、ドライバーをダウンロード/インストール。オーディオ用のPCはセカンドマシンで、あまり手入れをしていないので、ハイレゾ対応プレイヤーの導入も必要。SONY、TEACがハイレゾ対応プレイヤーを無償提供しているので入れてみた。が、デバイスを認識してくれない。それぞれ自社製品のDACが前提のようだ。ケチなことを。

DSC_0035-crop.jpgものは試しということで、普通のオーディオ再生でいつも使っているfoobar2000でハイレゾ再生ができるらしいのでこれに挑戦することにした。
とにかく現行の環境を確認しようとしたら、なんと、デバイスリストを見ると、何にもしてないのに "DENON USB Audio" が現れた。このまま再生できてしまうじゃないか。
moraで無料配信されているDSDのテストデータを再生、問題なく音が出る。ただし、DSDがそのままPMA-50に流れているのか、PCMにしているのかは判断できない。

【追記】 PMA-50の表示を見ると、PCM 44.1kHzとあった。foobar2000でDSD再生する話はネット上にあることはあるが、対応DACも限られているようで、なかなハードルが高い。

【追記2】ネット情報をもとにやってみたところ、無事にDSDデータをPMA-50に送れるようになった。これについては近いうちにまとめて投稿するつもり。2015/2/25に投稿:「foobar2000―PMA-50でのDSD再生」


PCでビデオ(mp4)も再生してみた。これも問題ない。ただしAAC 48kHzでビットレートが160kbpsだと貧相な音。
マルチメディア・プレイヤーでDVDを再生してテレビから光デジタルで戻すように結線した。

DSC_0009-crop2.jpgそしていよいよXperiaの接続。
オーディオ設定メニューで、USB接続をONにして、USBケーブルをつないだらあっけなく動作。DSD音源もなんなく再生。
【追記】 PMA-50のパネルを見るとPCM 176kHzとなっていた。DSDダイレクトではないようだ。相手がSONYでないとだめなのかもしれない。

絶対に使わないと思うが、Bluetooth接続もやってみた。これも簡単にペアリングできて、何の問題もなく再生。apt-X仕様だけれど、USB接続に比べればやっぱり音はさびしいように思う。

ということで、機械的には特に迷うようなこともなく、いずれもOKという結果。
結局、新しい構成は次のようになった。
audioconfig3.png

うれしいことに今までデジタル音源再生とアナログレコードのディジタル化に使用していたUSBサウンドプロセッサはフォノイコライザーが付いていて、今までどおりレコードのディジタル化ができる(イコライザーが付いてなかったら、RIAA補正をPCでやるつもりだった)。
また、プロセッサの入力(イコライザー通過後)を出力端子で同時モニターできるので、PCで録音していてもいなくても、モニター出力をアンプのアナログ入力に入れれば、今まで通りアナログ・レコードを聴くことができる(プロセッサの給電がUSBなのでPCはONにしないといけないようだが)。

また、テレビには光ディジタルのオーディオモニター出力端子があって、これもアンプに入れて、マルチメディ・プレイヤーのBD/DVDをテレビに写しながら、モニターから帰ってくる音声をステレオセットで聴くようにした。
【追記】 BD/DVDの音は、デジタル・オーディオにも同時に出ているので、こちらを使えば良いことに気付いた。テレビからくる光デジタルは、テレビ放送用になる。

問題は音である。これは稿をあらためて。
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WiTVをセットしてみた

ビデオストリーミングについてネットで調べていたら、おもしろい製品を見つけた。
COSTEL WiTV CVS-150CA というもので、ビデオレコーダーのコンポジット出力をそのままストリーミングする機械。
ちゃんと動くかどうか半信半疑だったが、Amazonで3,100円だったので、衝動買いしてしまった。

家のビデオレコーダーにセットした様子がこれ。
丸い白いのがWiTV、レコーダーの前に黒いもやしのように伸びてるのがWiTVからのリモコン操作用赤外線発信器。これでWiTV側からリモコン信号を送るわけで、レコーダーのリモコンでできる操作はだいたいできることになる。
WiTVset.jpg

メーカーが出している専用アプリ(Windows、Android、iOS)があり、このアプリがリモコン付きのビデオストリーミング・プレイヤーになる。なお他メーカーの同様の機器では専用アプリが有料。

専用アプリは、家の外からのインターネット経由でもこの機械を探してくれる。機器ID(MACアドレスを修飾したものが使われているらしい)を頼りにしているようだが、多分、WiTVがメーカーに自分のIDを送って、メーカーがダイナミックDNSのような働きをするサイトを用意しているのだと思う。私の家では特に設定は不要だったが、環境によってはルーターのポートフォワード設定やハイポートの開放などが必要になると思われる。

画質は、最高で720pで、他に中画質、低画質が選べる。ネットの評価ではまずまずのようだが、3G環境では画質以前に接続切れ・再接続が発生するので実用上は厳しいと思う。接続切れ中でも源のビデオ・プレイヤーからは信号が出され続けているので再接続できるまでの分は跳んでしまうことになる。(だいたいSoftbankの4Gは本当にその能力が出ているのか疑わしい。3Gオンリーに設定するほうが早いぐらいだから)

ということでビデオストリーミングとしてはイマイチなのだが、WiTVはリモコン操作で電源On/Offができるし、録画予約操作もできるところが役に立つかもしれない。

ところで、これは以前、著作権法違反と判断されたネットによる再送信(会員制で会費をとって日本国内の放送をネット経由でストリーミング配信していたもの)と同様の仕掛けになるわけだが、個人が自分のために使うのであれば、おそらく違法とは言われないだろう(他人に使わせたらアウトかな)。実際、ネットで調べた使用例では、海外で日本の放送を見るのに利用しているという話が散見される。

これから入れてみようという人のためにいくつか参考になる情報を。

・ビデオレコーダーからはコンポジット出力がちゃんと出ていること
私の家のレコーダーではモニターにHDMIで出していてもコンポジット出力は生きて並行して出ているので問題ないが、そうでないものだと、出力設定が必要になるだろう。

・最初にソフトウェア・アップデート
はじめパスワードを入力しても反応しなかった。メーカーのFAQを見ると最新ソフトウェアにアップデートしないとそういう現象が起こるらしい。なお、アップデート操作は、Androidからでもできるような説明があったが、WindowsPCからでないとうまくゆかなかった。(Windowsでもすんなりとはいかず、「アップデート実行中」のまま終了しなかった。無理やりタスクを停止したが、アップデートは完了していたようで、以後はちゃんと動くようになった)

・Windows用アプリはインストールしておくこと
前述のとおり、ソフトウェア・アップデートはWindowsPCからやるのが良いので、Windows用アプリは必須。メーカーのサイトからダウンロードできる。なお、ビデオストリーミング再生するときには、ffdshow が必要(標準インストールで良い)になるので、インストールしておくこと

・拡張キー設定
リモコン操作は、ビデオレコーダーの機種ごとのプリセットがあるのでそれを選択しておくわけだが、拡張キーというのはそれにプラスしてビデオレコーダーのリモコン操作を記憶させる(アプリではなくWiTV本体に記憶)機能。WiTVの赤外線受発信部が信号を検知するので、それを覚えさせる(多機能リモコンと同様)。キーは15種類しか登録できないので何を登録するかは良く考えること(後から変更も可能だが面倒)。Windows版はキーは5×3で表示、スマホ版は3×5で表示されるので注意。

・iOSは要注意
iPod touchでテスト。パスワード入力するとパスワード変更を求められ、新パスワードを空で返せば良いのだが、メッセージがパスワード不正と出るので慌てさせられる。なお、画面のアスペクトがおかしい(縦長になる)。

というように接続・設定から実際に使えるまでは実は、結構てこずった。手順がわかっていれば30分もあれば十分だが、付属の説明書には肝心なことが書かれてないから、メーカーサイトを調べたり、ffdshowが必要というのもGoogle検索で見つけたりで、調査に時間をとられた。
ネットではいとも簡単に使えるような評価をしている人がいたが、だいたい最初にソフトウェア・アップデートをやらないと動かないなんてことは考えもしないから、それだけでも悩んでしまう。

私はテレビの美しい視聴、どこでも視聴とか、結構テレビ好きで、私のタブレットはDLNAクライアント(DTCP-IP対応)が入っていて、それを使って家のWiFiが入る範囲ならビデオを見ることができ、こちらの方がずっと綺麗に映る(ただしビデオレコーダーの電源を入れておく必要がある。また放送中のものを見ることもできないし、録画予約もできない)。その他、NASにビデオコンテンツを置いておくというのも可能だが、レコーダーからデータを取り出してNASに置くのは結構面倒だから実際にはやらない。また、レコーダーからスマホにコピーする機能もあるが、これも面倒だからやらない。

おそらくこのシステムを使って、外出先でビデオを見るなんてことはしないだろう、そんなものに3,100円出すのはモッタイナイ、こんなこともできるんだと人を驚かせて終わりだろうな。

(以下、Androidタブレットでの画面)
WiTV1-crop.jpg
標準のリモコン操作が表示されている

WiTV2-crop.jpg
これが拡張キー。自分でセットする。

WiTV3-crop.jpg
番組表は読みにくい。外出先で録画予約するなら別の画面で番組を確認したほうが良さそう。

WiTV4.jpg
これはWindows版のアプリ。

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音楽のさいころ遊び

システム科はちょっと息抜きして、今日は、Javascriptで遊ぶ3つ目、「音楽のさいころ遊び」。
K.516fという番号がついていることでわかるように、これはモーツァルトのお遊び。
16の小節のそれぞれに11種類(さいころの目2~12)の楽譜が用意されている。各小節毎にさいころを振って、11用意されている楽譜のうち1つを選ぶことを繰り返し、全体で16小節の曲を作るというもの。

K516fSample.jpg



この遊びのためにjavascriptで記述したページを作成した(上のサンプル画像をクリック)

残念なことに再生がぎごちない。HTML5以降のaudio機能を使っているのだが、音源は小節単位の細切れのmp3ファイルであり、これを連続再生するとファイルの切れ目切れ目で問題が起こる。ネットでいろいろ調べて試してみたが、完全に切れ目なく再生する方法がわからない。抜本的に修正するとしたら、生成された16小節のオーディオ・ファイルを連結してから再生することが考えられ、外部プログラムを利用すればできそうだが、javascriptでの外部プログラム実行は仕様にない。WSH(Windows Scripting Host)を介してできるが、それではスマートフォンやタブレットでは動作しないだろう。
あと考えられるのはmp3ファイルでなく、midiデータにしてHTML内にデータを持ってこれを連結することなど。しかし、これをやり切るのには相当勉強が必要だ。

当分の間、このぎごちない再生でご勘弁を。
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MIDIでマイナス1

小学生のとき、家にテープレコーダーが2台あった。まず第1リコーダーを演奏してテープレコーダーAに録音、次にこの録音を再生しながら第2リコーダーを演奏し、テープレコーダーBで録音する。次にこのBを再生しながら、打楽器パート(ちゃんとした太鼓はなかったのでプラスティックのボウルを箸で叩いた)を演奏してAで録音する。こうやって、リコーダー二重奏+打楽器の一人合奏をした。当然だが、録音・再生を繰り返すから音はどんどん悪くなって、聴くに堪えないものができあがったと記憶している。
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さて、マイナス1というのは、合奏曲でソロ楽器を抜いて録音された音源を言う。何のことはない、抜くのがボーカルならカラオケだが、楽器の場合は(クラシックの世界では?)マイナス1と言うようだ(単純に伴奏CDとも。日本でカラオケがはやる前からマイナス1という言い方はあったと思う)。

マイナス1音源の作成は小学生のときにやったのと同様だが、小学校の音楽の教科書に載るようなリコーダー二重奏曲ぐらいならともかく、ちゃんとした楽曲で伴奏ピアノを録音するのは、相当のピアノの腕が必要。どうしてもテンポが揺れて後から合わせるのが難しくなる。(生きた人間同士だと、ゆれたテンポを感じながら曲にしていけるけど。)

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今、持っているマイナス1のCDは、初心者フルート用小品、リコーダー用のヘンデルのソナタ、同じくバッハのソナタ、それとモーツァルトのト長調のフルート協奏曲 KV313(上の写真。去年、ウィーン観光に行ったとき、有名な楽譜店 Doblinger で購入したもの)。

当然だが、マイナス1のニーズは楽器練習という限定的なものだから、そんなに多くの曲や演奏があるわけではない。
しかし、ありがたい世の中になったものだ、MIDIエディタを使うと伴奏音源を簡単に(といっても面倒だが)作れる。伴奏ピアノ譜をMIDIで打ち込んで、それをMIDIエディタに付いている再生機能を使ってオーディオ・データにすればできあがりというわけ。

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私は、この画面に示した MuseScore というフリーソフトを使っている。不満な点も多々ある。たとえばスタッカートが楽譜上は付けられるのだが、再生してもスタッカートにならない―符を細かくきざんで休符を入れないといけない。それでも比較的打ち込みやすいソフトだと思う。


荒城の月1 荒城の月2


ここに示したのは実際の作例。フルート・パートも入れてあるが、伴奏音源にするときはこのパートを削除する。なお、フルートにもピアノにもカデンツァがありルバートするので、入りを合わせるために拍子をとる余計な音を入れざるを得ない。また譜面には示されないが、速度記号にはテンポの絶対数値を属性として持たせることができ、これによってテンポを変更している。

それにしてもMIDIの打ち込みは、前述のエディタを使っても大変面倒。だが、世の中には奇特な人がいるもので、いろんな楽曲をMIDI化してネットにアップしている。これをダウンロードして、MIDIエディタに読み込ませるとスコアが復元できる。ここから自分が独奏するパートを削除すれば良い。ただし、MIDIの再生音はあまり良いものではない。フルオーケストラだと音のゴミ箱状態になってしまう。せいぜい四重奏程度が限界だし、それでも弦楽器はかなり酷い音でしか鳴らない。練習にはなるかもしれないが、とても聴けるしろものではない。まだ聴けそうなのは、伴奏楽器が1つだけで、それもピアノ、ハープシコード、ハープ、筝などの打弦・撥弦楽器に限ると思う。⇒実際の演奏例(荒城の月)でご判断を。

前に、このブログで無料楽譜のことを書いたが、無料楽譜を使ってMIDIを打ち込む、あるいは無料楽譜とMIDIデータの両方をネットで拾うと、素人が費用をかけずに楽しめる(周りの人には苦痛を与える)こと請け合い。
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アナログ・レコードのディジタル化

一昨日稿でミレイユ・マチューの歌をYoutubeにリンクしている。
私が聴くのはYoutubeのビットレートの低いものではなくて、持っているアナログ・レコードからディジタル化したもの。
家に1000枚ぐらいのアナログ・レコードがあるが、これらを再生するのはやっぱり面倒なので、愛聴盤のいくつかはディジタル化している。CD化されているものもあるが、買い直すのも勿体ない。

ご参考までに、うちのディジタル化作業環境を紹介する。
○ハードウェア
 ・アナログ・プレイヤー Pioneer PL-30LⅡ
 ・カートリッジ DENON DL-110
 ・プリメイン・アンプ ONKYO A-5VL
 ・サウンド・プロセッサー Creative USB Sound Blaster Digital Music Premium HD
 ・パーソナル・コンピュータ ASUS Eee PC 1015PX
 ・モニター・スピーカー TANNOY Autograph mini
○ソフトウェア
 サウンド・プロセッサー付属のCREATIVE製の一連のソフトウェア
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          ノートPCの右にある黒い箱がサウンド・プロセッサー

アナログ・レコードからのディジタル化は、24bit/96kHzでwaveフォーマットで取る。
(PCが非力のため、圧縮フォーマットだと音を取り損ねる)
アナログからの録音なので、曲のスタート/エンドにどうしても無音部分が出るので、編集ソフトでカットする。
waveのままだとディスクを圧迫するので、WMA losslessに圧縮(mp3は今のところ24bit/96kHzに対応していない)してディスクに保存する。

ディジタル化したデータはPCで再生するわけだが、当然、サウンド・プロセッサーを介してアンプに入れる。PC(特にノートPC)は内部に強いディジタル・ノイズ源があり、どうしても音が濁るから、USB接続のサウンド・プロセッサー(ディジタル化に使用したもの)が良い。

PC以外の音響機器で再生する場合、このディジタル・データを元にしてCDを作成(Windows media playerでできる。品質は16bit/44.1kHzに落ちる)したり、カーステレオ用にmp3にしたりする(WMA対応という機器は多いが、24bit/96kHzはおろか、通常のWMA losslessすら対応していないものが多い)。

ところで、DVDのオーディオ規格(廃れてしまったDVD-Audioではなく、普通の動画DVDのオーディオ部分)は24bit/96kHzも標準対応となっており、動画DVDに収録すれば、普通のDVDプレイヤーでも24bit/96kHzの品位で再生できる。なお、この場合、音だけというわけにはゆかないから、静止画を付加してスライド・ショー形式にする。
実際にこういうDVDを作ってみたこともあるが、ネットで24bit/96kHzの音源を提供しているONKYOなんかが、この方式でDVDで発売したら良いと思うがどうだろう。スライド・ショーで楽譜を同期表示するなど、付加価値もつけられるし。ONKYOはN市に本社があったと思うが、N市の産業振興室あたりから提案されたらどうだろう。

貴重なアナログ・レコードをお持ちで、ディジタル化希望の方があれば請け負います。
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