青木龍山の酒器

実家へ行って、亡くなった母の形見分けということでもないが、家を片づけるために、使っていない食器類を整理しようということになった。
台所の棚の奥の方に押し込まれている食器類も、このままでは場所をとるだけということで、気に入ったぐい呑みがないと日頃不満を持っていた私は、そういう類があればいいなと思って、整理につきあうことにした。
ぐい呑みは、萩焼のような明るく滑らかなものが好きなのだが、その趣味には合わないが、黒っぽい天目で、割に良さそうなものがあった。
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旧家でもなんでもない家だから、値打ちものなどあるはずもないのだが、これは酒が好きだった亡父がオークションで手に入れていたものらしく、青木龍山作。恥ずかしながら、この人のことは全く知らない。それ以前に、焼物についてとんと無知。産地名ぐらいはいくつか知っているものの、産地とモノが一致するのは信楽の狸ぐらい。ネットで調べると青木龍山という名前の陶芸家で文化勲章を受章された方がいるらしく、青木龍山作品なら買い取りますという骨董屋のサイトもあったりする。本物ならそこそこの値がつくらしいが、遺品でもあるから、贅沢して普段使いしてやろうと決めた。(売るなら未使用の方が値打ちがあるらしいが)

使ってみると、黒っぽい色から予想されるのとは違い、軽く、口当たりも良い。私はぬる燗が好きだが、ごついぐい呑みだと、ぬる燗が一気にさめてしまったりするが、これだとそういうことにはならない。
だいたい茶碗とかのありがたみは、熱いお茶やご飯を入れたときに、茶碗を持つ手が熱くてたまらないというようなことがないことだ(そうでない茶碗は結構多い。特に薄い焼物で上品なやつ)と考えている私のような人間には、機能的とも思える本作は好感が持てる。(ただし徳利の方はまだ使ってない。電子レンジに入れるなどありえないだろうし、湯せんするのも面倒だから)

ちょっと使うのに気を使うけれど、豊かな気持ち、ゆったりした気持ちで飲める。

そういえば、お好み焼き屋で、ロブマイヤーのグラスでワインを出す店があるらしい。それに比べれば、ぐい呑みはそれほど気を使うものではないだろう。(お好み焼き屋でロブマイヤーを使うなというつもりは全くない。その逆で素晴らしいと思っている。機会があればぜひ行きたい、ロブマイヤーの保険料が上乗せされていないならですが。)
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大河ドラマの功罪

今年のNHK大河ドラマは「軍師官兵衛」、今のところ好調のようだ。

私は子供のころから大河ドラマを良く見ていた。さすがに「花の生涯」は見ていなかったが、その翌年の「赤穂浪士」は結構覚えている。たしかこの年は12月14日が日曜で、その日に合わせてドラマでも討ち入りだったと思う。
その後、「太閤記」、「源義経」と続いていく。あまり印象に残っていないのもあるが、大体、毎年楽しみにしていた。

昔から、こんなものは歴史ではない、という批判はあった。
一方、「学校の歴史の授業なんかより、大河ドラマを見れば良い」と言った大臣もいる。
これを歴史の再現と思って批判するのは大人げないし、そう思って見るようでは子供だろう。
多くの大河ドラマでは(真偽のほどはわからない)講談などで語られてきたエピソードが入るが、これはこれで「歴史」を楽しむ者の常識であり、「イヨッ、待ってました」という大人のノリなのである。

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このところ、篤姫とか江とか、そういう大英雄的でない人物が取り上げられたが、これを機にそれぞれの「ちゃんとした」伝記ものを読んだ。江などは通常、家光の母として通っているわけだが、福田千鶴「江の生涯―徳川将軍家御台所の役割 」(中公新書)では、これを否定している。
だから大河ドラマはダメというのは間違い、娯楽番組は娯楽として楽しめば良いわけで、それよりも大河ドラマを契機として、実際は(歴史家のちゃんとした考証では)どうなんだろう、と関連書籍を読めば良く、その動機を与えてくれるのが大河ドラマの功だと思う。そうすれば、ドラマへの興味が倍加する上に、本当は違うらしいと批判精神を持って見ることもできるようになる。大河の放送が始まると、ストーリーや撮影裏話などのドラマ解説本が書店に平積みされる光景を見るが、ありがたいことに、便乗商法で、関係書籍が並べられたり、最新の歴史知見に基づく本が刊行される。

で、今年の「軍師官兵衛」。一番有名なエピソードは、信長が本能寺で死んだことを知り号泣する秀吉に対し、「天下をとるチャンスですぞ」と言ったという話だと思う。私も、大河ドラマが官兵衛と聞いたとき、あの策士で腹黒そうな奴に視聴者が感情移入などできるのだろうか、と否定的に思った。
だが、諏訪勝則“黒田官兵衛―「天下を狙った軍師」の実像” (中公新書)を読むと、律義者の官兵衛という全く違うイメージが語られている(本書によると「かんべえ」ではなく「かんびょうえ」と呼ばれていたとのこと)。「軍師」と呼ぶことも不適切(軍師は戦いの吉凶などの占いが本務。官兵衛にその記録はない)、また、参謀というよりも、方面軍司令官という役割だったのではないかという。
というわけで、今までの官兵衛に対する私のイメージはがらりと変わった。それにしても岡田官兵衛はまだ役をつかめていないのでは(脚本のせいかもしれない)。切れ者イメージはもう一つ、直情的すぎる。自分の策に責任を持つ厳しさではなく、責任を上司になすりつけるような甘さを感じてしまうが。

さて、大河ドラマでは、例の「天下をとるチャンスですぞ」のエピソードはどう扱われるのだろう?
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ダイオウイカ

このところダイオウイカが水揚げされる記事が目につく。

去年、NHKスペシャルで世界初の快挙として深海で動くダイオウイカの動画が紹介された。
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ビデオはこちら(NHKへのリンク)

この快挙を成し遂げるまでの10年がかりの取り組みを描いた「ドキュメント 深海の超巨大イカを追え! 」という本も読んで、大変な苦労をして撮られたことに感動していた。
ダイオウイカを撮影するというプロジェクト自体が挫折しかかったこと、潜水艇を借りるのにも制限があること、何より広い海のどこをピンポイントで狙うか(それを決めるのがダイオウイカを追い続ける学者の知識と勘)、そうした障害を乗り越える苦労話。民放のネイチャー系の番組だったと思うが、出演者が「NHKはすごい。こっちは限られた取材期間でなんとかしなければならないが、NHKは撮れるまでやる」と言っていたのを思い出す。それでもNHK単独では流産しかかり、Discovery Channelと共同のプロジェクトになったそうだ。(頑張れNHK、視聴率なんか気にするな)

なのにこの頃やけに水揚げされたという報告が多いように思う。
NHKに姿を撮られて、もう隠れててもしようがないとヤケになったわけでもないだろうに。
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無料楽譜のこと

多くのクラシック音楽の楽譜がインターネットで無料で手に入る。

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有名どころでは、ペトルッチ楽譜ライブラリー(http://imslp.org)。ヘンデルのメサイア全曲スコアも無料でダウンロードできる。ちゃんと楽譜用ソフトを使って綺麗に書かれているデータもあれば、市販の楽譜をそのままスキャンしてアップしたものもある。中には楽譜にいろいろ書き込みをしてあるものもある。

特定の楽器向けのサイトもあって、たとえばフルート用だと、Free flute sheet music(http://www.flutetunes.com/)。

すごいのは、新モーツァルト全集オンライン(http://dme.mozarteum.at/)。モーツァルト全集というのは、モーツァルトの全曲を収録した楽譜集だが、その本をそのままスキャンしたものがオンラインで見られる。良くも悪くも本のままだから、演奏用としては使いにくそうだ(1ページに収まる小節数が少なすぎる)。

オーケストラスコアなんかはやはり読みにくく、家庭のプリンターで印刷するのも大変なので、やっぱり印刷製本されている楽譜が良いと思うが、小品だったら十分使えそう。素人の手慰みにはちょうど良いのでは。
あるいは、大きな画面に楽譜を表示し、フットスイッチなどを使って譜めくりできるなら、普通、両手がふさがっている楽器の練習には、案外、実用的かもしれない。
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クラウド用暗号化アプリ(Cloudfogger)

昨日、クラウドにデータを置くとき暗号化ができたら良いと書いた。
Evernoteはテキスト暗号化はできるらしいが、画像対応はしていない。昨日稿では証明書類を写真に撮ってアップすると書いたように、画像の暗号化が欲しくなった。

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ネットで調べてみると、割に使いやすそうなものとしてCloudfoggerというのを見つけた。
このアプリはファイルタイプを選ばないこと、透過型であることが特徴。
つまり、端末がCloudfoggerにsign inした状態だと、暗号化されているファイルが普通のファイルと同様に扱える。暗号化ファイルを開くときには自動的に復号化がパイプのように動作する感覚である。
その分、オーバーヘッドが発生すると考えられるので、使いやすいけれどパーフォーマンスは下がると思う。

暗号化は、ファイルの右クリックメニューでCloudfoggerに送ることで実行する。復号化ファイルに戻すのも同じメニューだが、前述のとおり通常は復号化ファイルに戻す必要はない。
また、Cloudfoggerの環境設定によりフォルダを指定すると、そのフォルダ内のファイルはすべて自動的に暗号化される。平文ファイルをこのフォルダーに移動/複写すれば、自動的に暗号化されるわけだ。
フォルダーとしてGoogle Driveなどのクラウドストレージが指定できる。もともと暗号化する目的はクラウド側では見られたくない(攻撃者はもとより管理者にも)ということなので、クラウドに対して暗号化できるのは本来の使い方として当然要求される機能。

CloudfoggerはWindows、Mac、iOS、Androidに対応したものがあるのだが、前述の動作はWindowsでのみ確認できた。
Android版では、私の環境(SH-08E Android 4.2)では、いろいろやってみたが復号化は問題ないのだが、暗号化ができなかった。共有(intent)メニューにCloudfoggerは出てくるのだが、動作しないようだ。なお、Evernote上の添付ファイルとした場合、Windows版ではOKだが、Androidでは、共有(intent)のインターフェイスエラーとなって、復号化もできなかった。
ネットをいろいろ調べたが、評価をアップしている雑誌的サイトはもちろん、個人的書き込みでも、そうしたことに言及したものは見当たらなかった。実際に使った評価が書かれているのか実に疑わしい。
また、私はGoogle Driveでテストしているのだが、ネット情報ではDropboxが本来のターゲットというのに、Dropboxを暗号化フォルダーとして指定する方法がわからない(ネット情報どおりの操作ができない)。

使いやすいUIなのだが、機能不全、というのがトータル評価。パーフォーマンス低下の心配もあって、使い続けるかは未定。

ところで、Cloudfoggerというのは雲に霧をかけるの意だと思うが、雲霧といえば、日本では泥棒(雲霧仁左衛門)だ。
海外アプリだから頓着してないのだろうが、泥棒よけのアプリの名前としては皮肉だな。
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パーソナル情報管理

身分が変わると健康保険・年金制度も変わる。
前の保険証の記号・番号とかが必要になったりして、保険証が手元になくてあわてることになる。
そんなとき手元に保険証の写真があると役に立つ。
保険証2

海外旅行に出るとき、旅券、保険証、運転免許証などを写真にとってEvernoteに放り込んでおいた。
旅券s
旅行社の注意書きには、旅券紛失時にスムースに再発行を受けられるようにコピーを携行してくださいとあるが、スーツケースに入れっぱなしならともかく、使うこともないだろうという紙を持ち歩くのも嬉しくない。

以前、米国・カナダ国境で、パスポートを忘れた人が、タブレットに入れておいたパスポートの写真を見せて入国できたという話がネットで流れていた(真偽不明)。

たしかにタブレットにこういう個人情報を入れておくといざというときに便利である。
ただ、Evernoteは写真に写っている文字まで検索するすごさがあって、これが逆に気持ち悪い。
Evernoteに写真も暗号化する機能があれば良いと思うのだが。

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禁煙居酒屋 with Michelin★

このブログの愛読者にはすでに個別にメールで報告しているところだが、人生ではじめてのミシュラン★付の店を体験した。
割烹・小料理「ながほり」
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案内してくださったのは、電子たばこの稿に出てくるN医師。今までも良く利用されていて、以前はそうでもなかったらしいが、近頃は、ミシュランの星が付いたことやTVで紹介されたりして、予約が非常にとりにくくなっているそうだ。この日も、いつなら空いてますか、ということでそこを目がけて予定を立てた次第。

身をきれいに捌いて食べやすくした毛ガニ。ジュレがかかって滋味、カニ酢も付いてるので好みで。
他、さしみ盛り、筍の香り揚げなどなど。
(初心者ブロガーでこういう場所で写真を撮ることに慣れてないので、すみません、料理写真は上記食べログのページでご確認を)

一番感動したのは、さしみ盛りにあった鳥貝、わた(肝?)が付いている。真っ先にこれを食べてみたところ、蟹味噌のような食感・味。生まれて初めての体験である。N医師もはじめてということで、どうやらいつもあるわけではない。食べログのさしみ盛り写真を見ても、鳥貝のわたが写っているのは見当たらない。
これがなければダメというわけでも、これさえあればOKというような食材だとは思わないが、これだけで結構話題をひっぱれることは請け合いだ。

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電子たばこ(続報)

一昨日、Ploomについてアップしたが、今日は「ほんものの」電子たばこ。
Ploomはたばこの葉を砕いたものを詰めたポッドを加熱してニコチンを吸うという方式で、我が国ではたばことして扱われる。
これに対し「ほんものの」電子たばこは、ニコチンの液を加熱しその蒸気を吸引するもの。我が国では薬事法の規制を受けるとされ、現在は無認可医薬品で、国内販売はできない。今回試したのは、N医師がフランスからの帰り、機内販売で購入したもの。

電子たばこ
写真左から、電子たばこのニコチン液・吸引デバイス、Ploomデバイス・Pod、ゼロスタイル吸引ホルダー・カートリッジ(2種)。

なお、ゼロスタイルはたばこの葉をつめたカートリッジで、葉は外へ出ることなく、その香りとわずかにまじるニコチンを楽しむもの。その方式でわかるようにニコチン吸引の満足感はあまりない。

前稿で書いたとおり、N医師はもちろんその周りには喫煙者がおらず、禁煙運動家としては海外のレポートの評価だけでは頼りないので、私が試して使用感をN医師やO先生に伝える役割である。

まず吸引感であるが、Ploomとは違い直接ニコチンを吸引するためより高い満足感が得られるはず、というのがN医師の説明だったが、実際に使用すると案外そうでもない。たしかにPloomよりも充足感は強いように思うが、Ploom同様、深く吸い込もうとすると咳き込む。肺喫煙でないと吸収は弱いだろう、というのがO先生の評価。
この製品の場合、バニラかマンゴー系の香りと、なんとなくプラスティック臭もする(使い込めばなくなるかもしれない)。そういう味付けもメーカーの陰謀だというのがO先生。

O先生、N医師の説明では、海外では電子たばこが次第に広がっており、ニコチンガムやニコチンパッチがあまり売れなくなっているとのこと。ガムも口腔粘膜からニコチンを摂取するものだが、データではその吸収速度は電子たばこのほうが早いとのこと。また、電子たばこを子供が使ってニコチン中毒になる事例もあるとのことである。(このため子供に簡単に吸引されないよう機器操作をわざと難しくしてある)

この市場でも(市場というと拡大が是とされるので必ずしも適切な表現ではないが)、幅広い選択肢があることが望ましい。もし電子たばこが国内販売されるようになったら、ニコチン液にたばこ消費税はかかるのだろうか?(日本薬局方エタノールには酒税がかかっているが)もしそうなら財務省が反対する理由はなさそうだ。




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60年もののワイン

退職送り出しの宴会で60年もののワインをいただいた。
そんな貴重なものを、そして、そういうけれど60年も管理できるんだろうか、と思った。
宴会から帰って家でおそるおそる開けてみる。
桐とおぼしき箱に入っていて、プチプチで厳重に保護されている。
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飲むのがもったいなく、暫くそのままにしていたが、思い切って飲んでみる。
シェリー?
見るとラベルには甘味果実酒とある。ネットで探し当てるとアルコール強化ともある。
60年もたせるには、甘味を足し、アルコールを強化しなければ難しい。この商品は60年に意味がある。そういう記念の年のギフトとして商品が企画されているものなのだろう。
そういうと、この頃の消長の激しいあざとい商売のようだが、今思いついて60年ものを用意できるわけもない。フランスにはそういう伝統があるのだろう。

正直、料理に合うワインではないし、60年の時を経たまろやかさというのもあまり感じない。飲み方としては、適度に冷やして寝る前に飲むのが良い。

年代物といえば、随分昔、友人と飲み歩いていて、とあるバーに入ると、40年もののスコッチというのが置いてあった。値段は覚えていない、1ショットで数千円もしただろうか。味も香りも記憶は曖昧だが、とにかく喉も鼻も全く刺激しないまろやらかなもので、口の中も喉もとてもすっきりとしたという覚えがある。

60年物のワインを送ってくださった皆様、思いのこもった贈り物、どうもありがとうございました。
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Ploom(電気加熱式たばこ)

新しい職場がある市には禁煙条例があって、大通りに灰皿を見かけない、たばこを吸う場所で苦労している、といったことを退職挨拶メールに書いたら、Ploomを試してみたらどうか、という返信が来た。
私は愛煙家で、普段はピースライトと、煙管(葉は小粋)を吸っている。今までに随分いろんな煙草を試してきた。
葉巻、パイプ、水煙草、スニッフ、ゼロスタイル。ニコチンガムもやったことがある。
しかし、昨年12月に発売されたPloomは知らなかった。

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ポッドという小さなカプセルに粉末に近いたばこが詰めてあり、加熱してニコチンを吸引する。
ニコチンの作用としての満足感は、ある、と感じる。
6種類あるポッドだが、たばこの香という点では不満足。ピースの香が欲しい。
吸引感は良くない。沸騰しているやかんから吹き出す湯気を吸うと喉にざらざらしたものが当たる感じがして咳き込んだりするが、Ploomも同じような感覚である。静かに吸わないと咳き込む。
USB充電だが専用の充電台を使うのは不便、一般的なmicroUSB端子から充電できるようにすべき。

実はPloomを紹介してくださったのは禁煙運動の大家であるO先生で、「電子たばこに関する今後の調査と議論を期待する」という報告を医学誌に寄稿されるとのこと。その報告では「電子たばこによる禁煙達成率はニコチンパッチと同等」という論文が紹介されており、O先生は、Ploomを禁煙補助具として使えると考えておられるようだ。(JTは戸惑うだろうな。)
また、この報告中に次の件がある。
……「スウェーデンの経験」(スウェーデンではスヌースの使用が多く、紙巻たばこの使用が少なかったため、他の先進国に比べて肺がん死亡率が低い。これをスウェーデンの経験という)が他の国でも再現するか、“harm reduction”をどうとらえるか論争が行われたが、これと同様に、電子たばこを巡ってもたばこ規制推進派の内部において論争が行われているとのことである……

ちなみに、O先生の同志であるN医師も早速Ploomを手に入れたが、まわりに喫煙者がいないので使用感がわからないとのこと。
私がきっちり報告させてもらいます。
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レーダークルーズコントロール

3月下旬に車を買い換えた。
車種はプリウス。石を投げたらプリウスに当たるというぐらいあまりにポピュラーだから、車の評価を書いてもおもしろくない。今日は、レーダークルーズコントロールの使い心地について。

レーダークルーズコントロールというシステムは、アクティブ・レーダーを使って、前車との距離・距離変化を検出して自動的に速度調整をするもの(前車がいないときは設定速度を維持)。また、前車に急接近し衝突が予測されるときにブレーキ制御される、いわゆる自動ブレーキもセットされている。同様のものとしてはスバルのアイサイトがあるが、こちらはテレビカメラ(2台)を使って距離を測るもので、相手が小さい自転車でも、電波を反射しにくい人間でも検出するのでこっちの方が街乗りでは効果がありそうに思う。

このシステムを付けた理由は、年寄りとしては、高速道路を楽に走りたいし、反射的行動が悪くなっても自動ブレーキがかかるという安心感が得られること。
で、実際に使ってみた感想は、あたりまえだが使い方次第。それではこのシステムを使うときの注意を以下に。

○割り込み車に気付いたら、普通どおりに対応(システムを解除)
レーダーは隣の車線の車の挙動は監視しない。人間の運転では、隣の車の動き(指示器はもちろん、加速の仕方とかを)感じて、前に入ってくると思ったらその時点でアクセルを緩めたり、ブレーキを踏むが、これに対しレーダークルーズコントロールは前車が割り込んできたときに作動開始するため、対応が遅くなり、その分、急減速となる。なお、システム解除はクルーズコントロールレバーの操作で行うが、ドライバーがブレーキを踏んでも解除されるから、軽くブレーキを踏むのが良いと思う。

○カーブがきついときはシステム解除
クルーズコントロールは、上り坂でも下り坂でも、カーブでもおかまいなく設定速度を維持しようとする。特にカーブは、人間ならアクセルを踏まないようなきつめのカーブでも、設定速度を維持しようとして加速する感覚。ネットでは、カーブのガードレールや壁をレーダーが前車と誤認して急ブレーキがかかることが報告されているから、その予防としてもカーブではシステムを解除すべきと思う。

○前車が隣車線に移ったら自分でアクセル操作
これはレーダークルーズコントロールの方式上の問題ではなく、プリウスのチューニングの問題だが、こうした前が急に空いた状況になると、一刻も早く設定速度に到達しようと、私ならこんなに強くアクセルを踏まないというぐらいの急加速がかかる。トヨタには、速度上限だけでなく、加速度上限(加速の強弱)が設定できるようにしてもらいたい。

全体に、レーダークルーズコントロールは、結構細かくアクセル、ブレーキ操作をしているように思う。今までブレーキを踏むのはエネルギーロスと考えて嫌っていたが、回生ブレーキのハイブリッド車の場合は大きなロスにはならない。ハイブリッドでないと燃費が悪くなるのではないだろうか。

まとめると、要するにシステム任せにせず従来通りの運転をし、落ち着いて巡航するときにシステムをオンにするということ。
そんな使い方で、どんなご利益があるのか? ということになるわけだが、
・保険と同じ。いざというときにブレーキがかかるという安心
・高速を巡航している時、アクセルから足を放して自由な姿勢をとれる
この二つだろう。後者は結構ありがたいものだ。

初めてこのシステムを使って高速を走ったとき、同乗者には随分不安感を与えたようだ。上述のような特徴はしばらく走っていればわかるのだが、意地になってどこまでもシステムに任せてみようとやったから。
その一方、先日は交差点で前車が急ブレーキをかけたとき、ピピピピという自動ブレーキ警告音が鳴った(ブレーキ操作は自分でやったが)。ちょっと嬉しかった。

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ステアリングの横から出ている小さなレバーがレーダークルーズコントロールの操作レバー

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写真ではわかりにくいが、レーダークルーズコントロール装備のプリウスのエンブレムには凹凸がない
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会計の呪縛

私は会計については全く素人だから、これから書くことはまったく的外れかもしれない。
そうなら、是非、コメントをお願いしたいと思う。

まず会計というのは厳格な数字であると素朴に思っていた。とりわけ複式簿記とか財務諸表とか、高度な会計処理がなされているというだけで、畏れおののき、ひれ伏す人間である。
そういう人間が会計というものに疑問を持ったのは、関連会社に出向したとき。決算書に減損損失10億円が計上されているのを見て、PLは円単位で、項目によってはせいぜい万のオーダーが記載されているものもある中で、BSに書かれた10億円、これは一体何なんだ!?
PLの損益はBSに接続されて、完全な財務諸表となる。だけど、一方は円単位、一方はあまりにさっぱりした10億円、0が9つ並ぶ紛うことなき10億円。こんなもの加減算することに何の意味があるんだ?
誤差論では、こういう加減算は桁落ちを起こすから信用できないとされる。
また、素朴な会計理解では、動かしようのない事実が記帳されるものと思っていた。10億という数字にどんな根拠があるのか。

私には会計基準について語れるような知識はないが、会計基準を振りかざす人達には疑問が湧いてきた。
例えば発生主義。発生主義は、原因の発生を直ちに記帳するわけで、業務の流れ々々の時点で記録され、記帳漏れを防ぐ実務的効果もあるし、未収・未払をきちんと管理できるわけで、良いやり方だと私も思う。しかし、発生主義を声高に言う人のなかには、まるで事業の計画的実施に役立つかのように言う人がいたりした。計画時点で記帳なんかするわけないでしょ。
(ところで国や自治体では、契約や発注時に支出予定を枠取りする。契約期間が1年なら請求の発生の1年前に記帳するわけで、計画的実施については役所の方が徹底している。)
そして前述の減損会計。理念はなるほどそうかもしれないが、その数字自体にどんな根拠をもって書き込むんだろう。これって素朴な会計理解からあまりにかけ離れているのでは。

そんな疑問を持っていたことも忘れていたこの頃だが、通勤の無聊を慰めるために読んだ本が、かつてのこうした疑問に答えてくれた。
会計の呪縛
大畑伊知郎「日本経済を壊す会計の呪縛」(新潮新書)。

そもそも私は会計なんて所詮企業活動の結果を記載するだけの技術にすぎず、日本経済を壊すなどと大げさなと思って、あまり期待せずに読み始めたのだが、そして実際やっぱりおおげさな感じは今でもするが、会計に対する疑問への回答としてはなるほどと思わせる。
著者は公認会計士だが、会計ビッグバン(外圧の産物)によって、日本の経営スタイルが大きく変わってしまったとし、その元凶として、時価会計、減損会計、税効果会計をあげている。そして冒頭の素朴な疑問(減損損失10億円)に対しても、これら会計基準が会計に推測の数値を持ち込み、予測にすぎないデータが事実に転化してしまっていることを指摘し、こうしたことは財務諸表本体ではなく注記とすべきとしている。
著者は、過剰な収益性重視の経営を戒め、成長性重視を説く。(それも良いかもしれないが、成長性重視には外部不経済を招く場合もあるから、社会貢献重視=企業の存在価値重視が良いと思う。)

会計ビッグバンに続いて、IFRS(国際財務報告基準)の導入も検討されているという状況だが、著者によれば、ドイツ、フランスの証券取引所では、IFRSに従う企業と、国内基準に従う企業は分けて上場する制度となっているそうで、我が国も同様、国際会計基準企業、国内基準企業それぞれの取引所にすることを提案している。もとより私にその良し悪しを判断する能力はないが、説得力のある話である。
また、イトーヨーカ堂が米国株式市場から撤退し、一時は株価の下落を招くものの、すぐに以前以上の高値となった事例から、国際市場でなくても経営業績はあげられること、投資家は会計上の数字より企業の成長性が判断できれば投資するものだと、言われてみればあたりまえのことを指摘している。

「高度な」理論をふりかざされても平伏してはいけないようだ。
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母子健康手帳プラス

仕事がらみで母子健康手帳に関する会合に出席した。
この分野の専門家の講演を聴いて、あらためて母子健康手帳の意義や効果を認識したところ。
講演の要点だが、母子手帳は日本が始めたもの、はじめは戦中で、産めよ殖やせよがねらい。
戦後、貧困・栄養不良にあえぐ国民生活に母子の健康を守ることが目的となり、配給手帳(ミルク○ポンド、など)を兼ねたものになったとのこと。
そして、1964年には、貧しい敗戦国の日本の乳幼児死亡率が米国のそれを下回る画期的な成果をあげる。
現在、この日本の母子手帳というツールが海外でも使われるようになり、日本の知恵、ミラクルと高い評価を受けているという。

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写真は講演で紹介されたインドネシアの母子手帳。
ここに父親の姿も取り入れられていることに注意。
妻が母子手帳に細かく書き込みをしているのを知っているが、母子手帳に父親が書き込む欄があったら良いのではないかと考えた。父親(実父でなくても)が積極的に子供にかかわることはとても大事なこと。(母子家庭だったらどうするんだ、という意見もあるかもしれないが、そんな後ろ向きの発想は嬉しくない)

他にも東日本大震災で母子手帳を失った多数の人が再発行をもとめ、急ぎ某企業が印刷を間に合わせ、またその真っ白な母子手帳に保健師が残っている電子記録(その県では複数市がクラウド・サービスを使ってデータを共同管理していたとのこと)から情報を復元・書き込みをしたことなど、母子手帳をめぐる話が紹介されていた。

この会合は母子健康手帳の電子化を考えるものだったが、既に各地で電子化の取り組みが行われている。そのそれぞれについてはよく知らないのだが、講演では、紙の手帳に加え電子の手帳、という提案がされた。
曰く、電子の手帳のメリットは、先にふれた震災でのクラウド・バックアップはもちろんとして、子供の特性―たとえばダウン症の子供の場合は成長するパターンが違う―に応じた情報提供をして育児に役立てること、写真をいっしょに取り込むこと、などなど。

電子母子健康手帳というより、「母子健康手帳プラス」と言うべきか。
主催者がどういうビジョンを持っているか不明だが、私が思うにEvernoteのようなアプリではないだろうか。
母子手帳のページを写真に撮って取り入れる。その際、追記型のページは自動認識して二重に登録されないように工夫する。また手帳の様式情報に基づいて記載項目が決まっているものはできる限り文字認識する。そんな感じのアプリが良いのでは。(Evernoteは写真に文字が写ってたらそれも検索してくれる)
また、講演では母子手帳の使用期間を小学校、中学校に拡大している市があることが紹介されていたが、保健福祉だけでなく教育への広がりも出てくる。
さて、これからどうなっていくんだろう。

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精密コード

教育に関する本―たしか「社会力を育てる」(岩波新書)で、子供の学習力の違いとの関連がみられる家庭環境として、
一つは家庭内の文化資産(本や芸術など文化的なものがどれだけ家庭にあるか)、
もう一つは家庭で使われている言葉が精密コードか限定コードのどちらか、という記述があった。
精密コードとは、論理的な構成をもち、科学的真理や推論がきちんと表現できるような言葉使いであり、
限定コードとは、「勉強しなさい」「めし、ふろ、ねる」など、使える場面が限られた(感情的な?)言葉使いという。
学校で教師が話す言葉は精密コードであり、これに慣れていない子供は理解力が劣ることになるという話である。

赤子は鰐をてなずけることができない
(ルイス・キャロルが何かに書いていたという、かなり異常な論理的表現)

IT部門の人と話をすると、会社が違っていても共通して、何もかもIT部門にまかせてくるという愚痴を聞く。
技術的なことはともかく、情けないのは、それぞれの事務の担当者が自分の仕事をきちんと理解していないことだそうだ。
「前にやってもらったけど、中身はわからないけど、あれやって」というようなことが良くあるそうな。

自分が担当している事務が、どんな情報を扱っており、それをどう操作して、どんな出力情報を得るのか、
これをきちんと理解しておらず、言葉で表現できない。

実際には、事務処理で扱う多岐にわたる情報の操作を、厳密に自然言語で表現することは結構難しい。
SQLで表現すれば曖昧さのない(SQLに内在する曖昧さを度外視すれば)、情報操作を表現できる。
SQLの習得は、精確な情報操作を表現するための良いトレーニングになるのではないだろうか。
プログラム言語の習得が、物事を手順を追って整理する能力を高めるように。

さて、精密コードとSQLのどっちが習得しやすいだろうか。
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仕事でW県まで

旅先でタブレットから投稿。
今日は仕事でW県まで来た。

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初めての土地で、約束の時間より大部早く着いた。
が、車でないと名所など廻れそうにない。
家から電車を乗り継いで3時間余り。
車だとその半分ぐらいの時間で来れそうだが、何分、初めてなので歩き廻ろうと思ったが、ちょっと思慮が足りなかったか。
駅前の中国料理店でいかにも中華というラーメンを食べた。懐かしい味。客も結構入っていた。

次に来る時はやっぱり車かな(高速代が高そうだけど)。
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今年は旅に行けるか

今まで出張以外ではあまり旅をしてこなかった。

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この写真はネットから取ったものではない。
昨夏、ドイツ、オーストリアを観光旅行したとき、スマートフォンで撮ったもの。誰がどんな機械で撮ってもこんな風に綺麗な景色が撮れるのだから、さすがハルシュタットは天下の景勝地。(ただし何時でもというわけにはゆかない。現地で会った日本人観光客はハルシュタットに3泊していたが、3日目=私が写真を撮った日に、ようやくすっきり晴れたとか)
昨夏は日本は猛暑。涼しいドイツ、オーストリアは格別ありがたいというもの。宿泊したハルシュタットのホテル(写真の塔のすぐ右側の建物)には冷房設備はなかった。冷房というと、ウィーンのオペラ座も冷房はなかったのか、コンサート中も汗ばむほど暑かった。

退職したらゆっくり旅行ができるね、というけれど、再就職が決まっていて、退職前と相変わらずとなりそう、だったら、今でしょ、というわけで。
今の職場は、7~8月に一つヤマがあるような話を聞いたが、今年の夏休みはどうなるだろう。
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iPad vs Androidタブレット

新しい職場ではiPadを渡された。定例的な会議での資料は、できる限り紙を使わず電子情報で閲覧しようということである。私はiPadを持って会議に出席したが、iPadを渡されていない人はノートPCを持ってきていた。
今のところ資料を事前にメールなどで送り、あらかじめダウンロードしているが、いずれはその場でサーバーへアクセスして見るようにしたほうが良いだろう。

iPad_Android

私はiPad派ではない。私物で使っているタブレットはAndroid(SH-08E)。以前はGalaxy tabの初代を使っていたが、シングルコア1GHzではこのごろのアプリの動作には力不足のようである。SH-08Eはクアッドコアだし、片手でわしづかみにできるサイズ、軽さが良い。iPad miniも軽く、かろうじて片手で持てる(やや不安定だが)。しかしiPad miniという選択肢はもとからなかった。SH-08EにはフルセグTVがついているのが嬉しいのだが、それ以前にiOSが好きになれない。

iOSとの付き合いはiPod touchからなのだが、とにかくデータをアプリの中に隠蔽する設計は好きになれない。
見た目は綺麗なUIだが、「綺麗でしょ、使いやすいでしょ」と押し付けてくるわがままなUIが気に入らない。
はじめてデザインするときは、当然、目標とする機能にあったデザインが最優先であろうが、一旦実装されたなら、こんどはシステムのフレームワークに自然な形でUIを再検討することが必要だと思う。

その点Androidはシンプルだ(実際にはそうではなくても、ユーザーがシンプルに理解できる)。
iOSもAndroidもベースはLINUXだと聞いたような気がするが(もしそうなら、よくまぁこれだけ思想の違うOSができるものだ)、AndroidはLINUXに素直で、iOSのような厚化粧をしていないと感じる。

だいたい、iOSにはファイルエクスプローラーはない。それっぽい顔をしてても見えるのはそのアプリが管理するフォルダだけ(ただし、リモートファイルの場合は、sambaサーバーのディレクトリはちゃんと見えるくせに)。
Windowsでもすぐ右クリック(送る)をしたがる私のような人間には、iOSは苦痛だ。

無理やりつじつまをあわせるようなiOSの設計と、より下位のOSに自然な拡張をしているAndroid。
やっぱり私は素性を隠さない方が好きだ。




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定年退職したぞ

とうとう定年退職した。

Temple_Cherry.jpg


良い時も悪い時もあった。
難儀な仕事もあったが、不思議と滅入るようなことはなかった。
つらかったのは何をしたら良いのかわからないとき。
バートランド・ラッセルが「労働は、・・・考えずに過ごせる時間」と言ったことが身にしみる。

退職者の無責任ブログのつもりだったが、
定年退職はしたのだけれど、再就職してしまった。

それにしても、ITに関しては、新しい技術、サービスにじっくり取り組む根気がなくなったなぁ。
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