松方コレクション展

P_20161112_124410.jpg 休刊日をはさんだのでアップが遅くなったが、一昨日の神戸行きの主目的は、神戸市立博物館で開催の「松方コレクション展」。

特に目当ての作品があるわけではなくて、これもやっぱり行き所のない老人の暇つぶしである。

そして、単刀直入に感想をいうと、特別感動する作品というのはなかった。

そのなかで、敢えてこれはというのを挙げると、モネの「ヴェトイユ」という、お城を中心にして、セーヌに面した小さな村を描いた作品(画像右下、ネットから)。
0001570003L.jpg 城に当たる光、水面に映る影、いかにも印象派というタッチというか、色づかい。さすがにモネである。色を決めて塗るようなことはしない。

さて、コレクションとしてである。
正直、何かを集めたというものではなくて、手あたり次第という感じがする。
音声ガイドでは、たびたび「松方コレクションは手あたり次第に買い集めたという評価がなされるが、先進的な作品を選んでもいる。そのことは作品が訴えている。」というようなことを言っていたが、やっぱり手当たり次第に買い集めた中に先進的な作品があったということでしかないかもしれない。

それが悪いと言っているのではない。
松方幸次郎の時代に、西洋文化をまるごと日本に持ってこようとしたなら、そうならざるを得ないと思う。ソファなどの家具も買い集めて博物館に展示するつもりだったという話もあり、それらも展示されていた。

聞くところでは、蒐集家としても知られる某宗教団体のトップのN氏は、昭和のはじめ、帝大の学生として東京で暮らしていたときに、神田の古書店などで大量の古書・古筆を買い集めていた。それらは今では、その宗教団体が設立した図書館に集められていて、さまざまな研究や歴史番組などの資料として参照されている。
「もう少し選んで買ったらどうか」と意見した人がいたらしいが、N氏は「向こうも商売、良いものだけ選んで買ったのでは困るだろう。それに、そうやって買うから、滅多に出てこない貴重なものも手に入るというものだ」と答えたそうだ。ノブレス・オブリージュにも通ずるものである。

ちなみにN氏は、帝大の学友を教団の要職に引き入れて、教義・教団組織を整備しているという。人間も蒐集したわけだ、こちらはしっかり選んだものだろう。


倉敷の大原美術館に行くと、美術の教科書に載っている名品がたくさんある。
だが、これは名品を買い集めたというよりも、教科書に載せる作品の写真を撮るのに、国内にある美術館だと撮りやすかったからだと聞いたことがある。
教科書に載るような名品が大原美術館にあるということではなく、大原美術館に所蔵されている作品だから教科書に載った、そしてわれわれは、それを教科書にも載るほどの名作だと思うわけである。

そういえば百人一首も、歌人の代表歌となるものばかりが選ばれているのではなく、むしろ百人一首に含まれているから名歌とされているものもあるという。


コレクションというのはなかなか一筋縄でいかないものらしい。

関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

Gallery
検索フォーム

⇒記事一覧

プロフィール

六二郎。六二郎。


定年退職
苦しい家計の足しに再就職
=いつクビになってもええねん
 言うたもん勝ちや!のブログ
リンク
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
アーカイブ
カテゴリ
タグ

書評 ITガジェット マイナンバー Audio/Visual 

現在の閲覧者数
聞いたもん