余計なことはしないほうが良いのでは

nikkei_computer_ph01.jpg 定期購読している「日経コンピュータ」の2016年12月22日号によると、

マイナンバーカード対応スマホが登場
2019年にはiPhoneもカード代わりに

とあった。
記事によると、いずれもNFCを使って、マイナンバーカードの利用者認証用証明書(名前などの個人情報のない証明書)を読み取れる端末らしい。
すでに、NTTドコモは2016年11月4日にマイナンバーカード(個人番号カード)読み取り対応スマートフォン「AQUOS EVER SH-02J」(写真)を発売したそうだ。

さらに、その証明書をAndroidではSIMカードに、iPhoneではOS領域に取り込んで、マイナンバーカードがなくても利用者認証ができるようにするとあり、記事は、

 実現すれば、クレジットカード番号を電子証明書に結び付けてスマホをクレジットカード代わりに決済で利用したり、コンサートなどのイベント会場への入場時にスマホをかざすだけで本人確認ができたりするようになる。
 マイナンバーカードには住所・氏名やマイナンバーが記載されているため日常的に持ち歩くことに抵抗感を持ちやすいと言われている。スマホが2枚目のカードとして利用できれば、用途が飛躍的に広がると関係者は期待を寄せている。

と結んでいる。

ちなみに、J-LISの資料によると、住基カードやマイナンバーカードを指導してきた某大学教授は「PINなし認証も検討すべき」という提案をされているそうで、そうなると、一旦証明書を取り込んだら、利用者は認証を意識することなく、安全に(端末を紛失しない限りだが)、各種のサービスが受けられるようになるという。

だが、私はこうした動きには疑問を持っている。
そんなことをしなければならないのか。

マイナンバー制度は、国税庁がこれを利用することで、その目的は達成している。

マイナンバー制度をめぐる大誤解――国税庁は何を狙っているのか?、あるいは、
最強の国家権力・国税庁

また、年金機構も利用することで、少しは年金記録の精度を上げることができるかもしれない。
これだけできれば十分である。
そして、これで満足していたら、整備コストは3桁は下がり、住基ネットワークは不要となってお釣りがくると思う。
目的を絞って効果的に投資する、それが経費節減の極意だろ。

各種の行政「サービス」にマイナンバーを利用するといっているが、その利用シーンは必ずしも多くない。大々的に利用されるのは、おそらく税と年金だけで、他の事務については、従来電話で連絡をとって十分だった程度の利用しかないだろう。
そのために、新たなシステム脆弱性を持ち込むような連携サーバーなどを整備するのは愚の骨頂だと思う。

そしてマイナンバーカードである。
そもそもマイナンバー制度とマイナンバーカードは本来は関係がない。
政府は、マイナンバー制度は既に普及していて、上述のように税・年金で活用されるわけだが、マイナンバーカードは、行政サービスが便利になるという謳い文句であるが、そう便利になるはずがない。
住民票なんて、一体、一生に何回とるんだ?
それに、住民票の提出先といったら、ほとんど公的機関や金融機関である。
住民票を持っていくより、その場で住民票照会ができるほうが遥かにサービス水準として高い。

そして、さらに思うのは、マイナンバー制度も、マイナンバーカードも社会インフラである。
政府・関係者もそれには同意するはずだ。
なのに、インフラが特定のサービスに合せてシステムを作ってしまったら、そのインフラもサービスも、硬直的なものになってしまうに違いない。

何度も書いたと思うけれど、マイナンバー制度というインフラの上で、どんな便利なサービスができるのか、それこそ民間に委ねるべきである。
マイナンバーカードはインフラとはとても言えないが、公的規格である。そして、今までICTの世界で、公的規格が普及した例はないと思う。

蛇足であるが、証明書をスマホに取り込むって、証明書がエクスポートできるってことじゃないか。JPKIの証明書は、エクスポート不能属性が与えられているんじゃなかったっけ。
そら、既に規格の改変じゃないか。
インフラがフラフラしちゃ、みんなが困るんだよ。

JPKIの証明書を持っていたら、本人確認が円滑に行える、だからそれをベースにして民間認証サービスを行えば、もっと便利なものを、NFCが付いてない端末でも、PINなし認証でも、何ら問題なく実現できるだろう。
マイナンバーカードの有効期限が切れたとしても、民間認証の方は使い続けることができて、利用者が混乱しない、そういうサービスだってできるだろう。
外国人観光客にも便利なサービスを統一的なサービスを提供できるだろう。

なぜ、そういう方向でネットワーク社会をデザインしようとしないんだろう、この国は。
世界で最も進んだ国民番号制度を運用するエストニアの国家予算はたった70億円、日本の1/10,000以下である。
日本ではその何十倍もの予算をマイナンバーだけにかけている。
番号制度だけの費用を比較したらどうなる?
人口が1/100(130万人)だからできる?
違う、エストニアはお金がないから、ICTを使った番号制度を運用しているのだ。

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