政党復活枠

PK2016112602100052_size0.jpg 年が明けると、多くの都道府県では予算の復活折衝がはじまるそうだ。

12月頃に財政担当の査定が行われ、財政担当が決めかねた事業(査定では予算を認めなかったもの)について、知事の判断を仰ぎ(復活折衝)、それを受けて、2月頃からはじまる議会へ提出する予算案が作成されるという手順だという。

当然、知事が復活するためには、相当する財源が用意されているはずで(でないと、既に担当査定でOKのものを削らないと収支がバランスしないが、それをするのは相当の剛腕の知事でないと難しいだろう)、いわばこの額が知事の裁量の範囲ということになるわけだ。


その復活折衝にあたって、東京都の予算編成では「政党復活枠」というのがあるのだそうだ。
200億円と伝えられているその枠は、政党の要望によって復活する分として、とりわけられているという。
小池都知事はこの枠を廃止するという。

都知事の説明では、全国道府県で同種のやりかたをしているところはないという。
本来、予算編成は知事の権限である。議会は知事が提出した予算案に修正を加えることはできるが、予算案として提出することはない。

某自治体では議会が認めなかった事業について、歳出予算を減額したことがある。歳出の減額であれば、歳入側は予備費に充当するなどして予算の体裁はとれるだろうけれど、歳出増だったら大変である。(というか、税収見積もりがあまいと指摘されて、歳入減額されても大変だろう)


予め議会用にとりおいたとしても、各政党の要望に応じて予算に組み入れるのは知事側が最終決定するだろうから、形式的には問題ないというのが議会側の意見のようだ。

この慣習がいつ頃からできたのか知らないけれど、おそらく知事と議会の関係を円滑にするためにできてきたものだろう。

議会:こんなことをしてもらいたい。
知事:議会用の枠の内でしたら要望にお応えできます。

(子:おもちゃ買ってぇ~
 親:おこづかいがあるでしょう)


americano_kinkenseiji.jpg というわけで、知事側は、議会の際限ない要求を抑える言い訳として利用し、議会側は、自分たちの要望によって実現した成果であると誇る。

米国には「イヤーマーク(ear mark)」という言葉があるそうだ(軽部 謙介「ドキュメント アメリカの金権政治」)。
議員の要望で実現した事業については、印(イヤーマーク)を付けておく。そうすると、議員が自分の要望がどう取り入れられたか確認でき、成果を誇ることができるのだという。

昔、聞いた話だけれど、ある自治体では事業担当者がなんとかして予算を付けてもらいたいときに、議員にネタを持ち込んで、議会質疑などで事業の推進を要望させ、それを根拠に財政担当に予算を付けるよう圧力をかけるやりかたがあるそうだ。

財政側は、予算編成権の侵害であると憤るのが普通。仮に要望が通って予算がついても、後年度でしっぺ返しをしたりするらしい。


ホントかウソか知らないが、交通量の多い幹線道路にたくさん歩道橋が設置されるのは、地元議員が子供の安全のためにと自治体に要望して、それが実現することが多いのだそうだ。歩道橋というのは目に見える成果としてわかりやすい。近隣住民は「○○先生の橋」と呼ぶのだとか。

歩道橋の設置はそう高額ではないのかもしれない。なぜなら、近くに信号のある交差点があれば、どこともつながらない単独の歩道橋が使われることはあまりなく、それに高い税金を投入することはしないだろうから。


議会制民主主義には、選挙以外にもいろいろコストがかかるものらしい。

議会: 議会軽視だ!
行政: いえ、議会経費です。
都民: こちとら江戸っ子でぇ、シとヒの区別はつかねぇや。


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