科学の発見~練習問題

ワインバーグ「科学の発見」は各章末に練習問題がついている。

1 タレスの定理
2 プラトンの立体
3 和音
4 ピタゴラスの定理
5 無理数
6 終端速度
7 落下する水滴
8 反射
9 水に浮かんだ物体と水中に沈んだ物体
10 円の面積
11 太陽と月の大きさと距離
12 地球の大きさ
13 内惑星と外惑星の周転円
14 月の視差
15 正弦と弦
16 地平線
17 平均速度定理の幾何学的証明
18 楕円
19 内惑星の離角と軌道
20 日周視差
21 面積速度一定法則とエカント
22 焦点距離
23 望遠鏡
24 月の山
25 重力加速度
26 放物線軌道
27 屈折の法則をテニスボールによって導き出す
28 屈折の法則を最短時間から導き出す
29 虹の理論
30 屈折の法則を波動説から導き出す
31 光の速度を計測する
32 向心加速度
33 月と落体との比較
34 運動量の保存
35 惑星の質量
各章で言及された数学の定理や物理法則などについて、結論は本文中にも書かれているのだけれど、それを読者が自分で導くようになっている。

なお、それぞれの解答は、巻末に「テクニカルノート」として収録されている。
これって、なかなか良い問題集になる。


この本は、大学での講義が下敷きになっているとのことだけれど、こうした練習問題は、講義を聴いた学生への宿題としたのだろうか。
もしそうなら、学生に自分の頭で考えて確かめさせ、科学的態度というものを身に着けさせようとしたわけだ。

このあたりが文科系(一括りにしたら怒られるかもしれないが)と理科系の違い。
教科書を読むにしても、教科書が描く世界をきちんと理解するのが理科系の勉強の基本。
対して文科系では理解する対象は教科書ではないらしい。

以前、就職してからのことだが、社内研修で経済学の連続講義があったのだけれど、私は教科書を読みこんで、書かれているマクロの方程式の理解に努めて授業に臨んだのだけれど、経済学部出身の人は、既知のことだからかもしれないが、教科書はそっちのけで関連する経済誌の記事などを拾い集めて授業に臨んでいた。

教科書を理解した上でのことならば立派なことなのだけれど、確固とした体系を持たずに知識の切り貼りだったらどうだろう。
それに体系的でなかったら、背理法のような強力な推論が使えなくなってしまうんじゃないだろうか。


さて、本書に収録されている問題は右のとおり。
問題も解答も簡単に想像がつくものもあれば、どういう着眼点だろうと思うものもある。
「屈折の法則」なんてやけにいろいろ証明を付けている。
著者も書いているが、高校卒業程度の学力があれば十分理解できる範囲である。

ただ、情けないことに、歳をとったせいか、しっかりと証明を追いかける気力がなくなっている。


最初の「タレスの定理」の証明に付いている図をあげておこう。
Thalēs_theorem_red 「タレスの定理」は勿論、物理学ではない。数学である。
本書ではこの定理について特にとりあげているわけではなくて、「万物の根源は水」と言ったとされることから、根拠も何もない哲学的思索の端緒というような形でタレスを紹介し、その一方で数学的業績について触れている。

次の図は「虹の理論」に付いているもの。
rainbow_ray_blue.jpg 虹というのは物理学者にはとても魅力的らしい。
ウォルター・ルーウィン「これが物理学だ」でも虹の説明にはやけに力が入っていた。

ルーウィン先生、セクハラでクビになっちゃったけど、どうしてるんだろう。


どうだろう、この練習問題、どれもワクワクするようなことじゃないだろうか。

数学は科学じゃないと言うけれど、科学を推し進めるには数学が不可欠ということバレている。
もっとも、紙の上でできることといえば、やっぱり数学が中心になってしまうのはしかたがない。


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