お役人の仕事

お役人の仕事
<○府□課>
A担当: 小学校の新設の申請が来そうなんですが。
B係長: ちゃんとしたとこやろな。
A担当: それが、今幼稚園をやってるとこなんですが、ややこしいとこで。
B係長: どうややこしいねん。
A担当: 前に、設置認可条件を変えろというてきたとこです。
B係長: ああ、あれか。あれが布石やったんやな。
A担当: 何でも首相が関係してるとかで、幼稚園の名誉園長は首相夫人ですわ。
B係長: そうか……、申請内容はちゃんとしてるんか。
A担当: それが、経営計画とかもう一つで。
B係長: あかんとこちゃんと言うたりいな。
 
 
<○府□課応接>
A担当: この間のご相談ですが、経営計画に無理があるように見えるんですが。
C理事長: どこがあかんねん、収入か、支出か?
A担当: そうですね、バランスしてないというか、この支出やったら児童数もっといるんちゃいますか。
C理事長: そしたら、児童数、増やそか。
A担当: そんなんしたら、少子化の今日日、審議会通りませんよ。
C理事長: そしたら支出下げなあかんけどな。
A担当: それできますか。
C理事長: ちょっと調整するわ。
 
 
<●省×局応接>
C理事長: あそこの土地のことやけど、借地料、まからんか。 2017-03-08_124547.jpg
D事務官: 前は4000万でOKて仰ってましたが。
C理事長: ゴミ出たやろ。
D事務官: それは撤去したと思いますが。
C理事長: 全部調べたんか、まだ出るかもしれんやろ。
D事務官: それが借地料減額の理由ですか。
C理事長: それはそっちにまかせるわ。
 
 
<●省×局>
D事務官: あそこの土地、借地料の減額要望がきてますが。
E掛長: そのことか、○○先生からも聴いてるわ。
D事務官: それで、ゴミが出るリスクがあるというのが減額理由になるかと。
E掛長: ゴミは処理したと聞いているけど……、そうか、ゴミがあったということなら、まだあるかもしれん、そのリスク分ということか。
D事務官: そういうことです。
E掛長: なるほど、うまい理屈だな。しかし、府の認可は降りるんだろうね。
D事務官: それについては、府とも連絡をとってます。
 
 
<○府□課>
C理事長: 経営計画を見直して持ってきたぞ。
A担当: ランニングが随分下がりましたね。
C理事長: 借地料を減額してもろたんや。
A担当: わかりました。お急ぎのようですのでこれで審議会にはかります。
 
 
<○府□審議会>
F会長: 臨時審議会をはじめます。本日は○○小学校の設置認可についてです。 shingikai_toushin.png
G委員: この人なぁ、けったいな幼稚園やってはるんや。
H課長: よほどのことでなければ、教育方針については認可条件にはしにくいかと。
I委員: 経営計画がちょっと怪しいな。本当に工事契約とか、この額でやってるんですか、安すぎるように思うけど。
H課長: それは出されたものを信用するということで。
F会長: 認可を出さないというのも難しい、かといって委員のみなさんの経営上の疑義が拭いきれないということですので、ここは認可とまでは言えないが、条件付きで、条件が満足されていることが確認できるなら認可ということでよろしいでしょうか。
 
 
<○府□課応接>
C理事長: 審議会、ようやってくれはった。そやけど条件付きいうのが気に入らんな。
A担当: まだ委員には経営計画に疑念をもってる人もいてはります。ランニング全体、なんとかなりませんか。
C理事長: ほなら、借地やのうて、土地を買い取ってしまおか。
A担当: そんなことできるんですか。
C理事長: うちは定期借地権で契約して、もう学校建てにかかってるんや、他のもんは買われへん。随意契約でOKや。
A担当: しかし、その分、初期投資が増えて、毎年の金利負担が高くなると厳しいんちゃいますか。
C理事長: なんぼで売ってくれるか、それがはっきりしてからや。
 
 
<●省×局応接>
C理事長: このあいだは、借地料まけてもうて助かったわ。そやけど府に持って行ったらまだまだ経営計画が甘いいうて怒られてんねん。いっそ借地やのうて、買うてしまおか思てるんや。 2017-03-08_165420-crop.jpg
D事務官: 買うって、9億円、出せるんですか。
C理事長: そこやがな、前に借地料減額のときは、隠れてたゴミが出てくるリスクがあるからいうて下げてくれたやろ。今度は、ほんまにゴミが出たんやということでどや。
D事務官: ゴミ、出たんですか?
C理事長: そういうこっちゃ。
D事務官: いくら出せるんですか。
C理事長: 府に出してる経営計画の収入をベースに逆算したら1億数千万円いうとこや。
D事務官: 9億円と随分差がありますね。
C理事長: ゴミ処理ちゅうのは、そのぐらいかかるもんやで。
 
 
<●省×局>
D事務官: あの土地、学校側が売ってくれと言ってきました。 baikyakusareta_kokuyuchi.jpg
E掛長: 売るとなるとまた入札になるな。
D事務官: そこは大丈夫です、定借契約して建物も建てはじめてますから、一者随契でいけます。
E掛長: そうなるとあとは値段か。理屈がほしいな。
D事務官: 技術に聴いたら、ゴミ処理の値段というのはなかなか難しいようです。
E掛長: こっちが処理したら値段が丸見えになるな。
D事務官: 向こうに処理させるということで、その分、いくらかかってもこちらは知らないということでどうでしょう。
E掛長: 借地料のときと同じ理屈だね。
 
 
<C理事長のひとりごと>
  役人いうたら、でけへん理屈ばっかり言うて、頭固い奴ばっかりやと思てたけど、みんな有能でものわかりのええ人で良かったわ。
やっぱり政治家の名前出したら、話も丁寧に聴いてくれる。迅速な意思決定、これが政治主導のええとこや。国ちゅうもんはこうやなかったらあかん。
朕󠄁惟フニ我カ皇祖皇宗國ヲ肇󠄁ムルコト宏遠󠄁ニ德ヲ樹ツルコト深厚ナリ。ありがたいありがたい。
 
 
<○府、●省それぞれ>
  なんか、えらいことになってるけど……

※本作品はフィクションであり、実在の人物・事件との関連はありません。
写真はいずれもイメージ資料です。


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