ストラディバリウス負けた!

ストラディバリウス負けた!聴衆は現代製に軍配
【ワシントン=三井誠】数億円の値段がつくバイオリンの名器「ストラディバリウス」と、現代のバイオリンの演奏を聴衆に聞かせると、聴衆は現代のバイオリンの方を好むとする実験結果を、仏パリ大などの研究チームがまとめた。
 論文が近く、米科学アカデミー紀要に掲載される。
 このチームは5年前、ストラディバリウスと現代の楽器を弾いた演奏家でも、音の評価に大きな差がなかったとする研究を同紀要で発表している。チームは今回の研究で「バイオリンの作製技術が上がったのか、あるいは一般に信じられているほどの音色の違いがなかったのかもしれない」とコメントしている。
 実験は、パリ郊外と米ニューヨークのコンサートホールで、音楽の批評家や作曲家などを含む聴衆計137人の前で行った。ストラディバリウス3丁と現代のバイオリン3丁を、演奏者にはどちらのバイオリンかわからないようにしてソロで弾いてもらい、どちらの音色がよく響くかなどを、聴衆が評価した。
読売新聞 5/9(火) 7:42配信
昨日に続いてバイオリンの話題。
ネットでニュースを見ていると、ストラディバリウスと現代製のバイオリンのブラインド・テストを行った結果、現代製の方が好ましいという評価が出たという記事が目に入った。

聴衆がどのぐらいクラシック音楽、とりわけバイオリンを聴き慣れているのかなども評価に影響するだろうと思うのだけれど、記事によると、音楽の批評家や作曲家なども含まれるという。
アメリカでの実験結果だというから、"Stradivarius modern violin test"でググってみると、今までも同様の結果が出ているらしい。しかも、演奏家にも区別できないという結果も報告されている。

Stradivarius Fails Sound Test versus Newbie Violins (Scientific American)


ストラディバリウスが名器というのは定着した評価で、それ自体は今後も変わらないと思うけれど、現代製のバイオリンが、それに追いついたということなのかもしれない。
ストラディバリウスを研究して、その再現を図ったという話もある。木の材質、構造など寸分違わぬように作っても、ニスがどうしても再現できないというような話を聞いたことがある。

同じものを作る努力はともかくとして、聴衆が良い音と感じるものから、その音を追求するというアプローチもあるだろう。
良く言われるのは、倍音の豊かさである。
基音しか出ていなければ、どんな楽器の音も同じになるわけで、倍音の出方が楽器の音色を決めるわけだから、これは納得できる。ただ、単に豊かであれば良いわけではなくて、何次倍音が多く、何次倍音が少ないのかということが音色を決めるはずである。クラリネットの独特の音色は、偶数次倍音がないことによると言われている。

安物のオーディオだと、クラリネットかフルートかオーボエかわからないような変な音になることがある。一つ考えられる原因は、スピーカーが高調波に追随できない、あるいは変な分割振動をするため、本来の楽器音が再現できていないことだと思う。


mozart_violin_concerto_no_3.jpg そのほか不規則振動も影響しているかもしれない。響板が分割振動したら(極端な場合、割れていたらそうなる。もちろん不快な音だけれど)、違う音になるはずである。

何が良い音かわからなければ難しいけれど、ストラディバリウスという目標があれば、それに近い音を目指すというのはアプローチの方法としてアリではないだろうか。

midiなどで楽器音のスペクトルデータが出ているけれど、これでその楽器の音色になるかといえば、案外そうでもない。アタックやディケイ、サステインなどのエンヴェロープは別だし、やはり演奏となると、その一瞬一瞬のゆらぎ、息づかいというものが入って楽器の音になる。スペクトルの再現だけではできないだろう。


楽器の音の違いというと、フルートでは、管の材質の違いが良く話題になる。
曰く、洋銀(銅、亜鉛、ニッケルの合金)は軽くて安っぽい、銀は重厚、金ははなやか、など。
ただ、これもブラインドテストをやると、管体の材質の違いはわからないという結果になる。音色の違いは管の材質より、演奏家の違いの方が遥かに大きい。

原理的にフルートの音は空気柱の振動であるから材質は無関係と思われる。材質が問題となる管体も少しは振動する(それは唇や指に感じる)けれど、その寄与はそう大きくないと思う。


現在、プロ・フルーティストの多くは、金製のフルートを使っているようだけれど(金製のフルートというとランパルがその嚆矢じゃないだろうか)、20世紀最高のフルーティストといわれるマルセル・モイーズは洋銀のフルートを使っていたことは有名である。

金のハンドメイドだと1000万円以上するものも多いけれど、「芸能人格付けチェック」で、5万円ぐらいの大量生産品と比べてみたら面白いと思う。

思うに、材質が音に与える直接的な影響はほとんどなくても、楽器職人がその材質にどれだけ慣れているかなど、加工にかかる問題が大きいのではないだろうか(洋銀は加工しにくいらしい)。視覚的印象もあるだろうけど。

私? もちろん洋銀製である。ローエンド製品。
洋銀製が一番重量が軽くて、疲れにくいからである。


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