「戦国の城 攻めと守り」

81U5eT3v3CL.jpg 小和田哲男「知れば知るほど面白い 戦国の城 攻めと守り」について。

"小和田哲男 戦国の城"で検索すると学研新書の別の本もヒットするが、今回とりあげるのは、じっぴコンパクト新書(実業之日本社)の一冊。

小和田哲男著となっているが、印象としては監修ものという感じ。城の設備や、主要な攻城戦について、通説を紹介しているという印象である。

というのは、第1部―第2章では城の設備などが説明されているのだけれど、江戸期に作られた城だと、実戦が戦われたところはほとんどないだろう。
今残っている城の多くは江戸期の築城だと思うが、戦国期の本当の闘いがどうだったのか、それらの城の設備が本当に役にたったのかというようなところが、もっともらしさいっぱいの通説通りだったのか、というようなところの説明がもの足りない。

【第1部 攻城戦とは何か?】
 第1章 城の攻め方・守り方
攻城戦とは 戦国の乱世に繰り広げられた城を巡る争い
 ●攻城方の戦術其の一 力攻め
 ●其の二 奇襲
 ●其の三 兵糧攻め
 ●其の四 水攻め
 ●其の五 坑道作戦
 ●其の六 内応工作
 ●籠城方の戦術其の一 後詰
 ●其の二 支城制
 
 第2章 城郭のしくみ
城の役割とは 戦国の世を切り抜けるにために鉄壁の居館と化した戦国の城
城のタイプ 山城から平城へ/ 曲輪/ 天守/ 破風/ 壁/ 窓/ 堀/ 土塁/ 石垣/ 門/ 橋/ 櫓/ 縄張・普請・作事/ 虎口/ 枡形・馬出/ 狭間・石落/ 横矢/ 御殿/ 城下町
 
【第2部 戦国史を動かした攻城戦】
 第3章 戦国初期の城攻め
河越野戦/ 戸石城の合戦/ 小田原城の合戦/ 門司城の合戦/ 第二次月山富田城の合戦
 
 第4章 信長時代の攻城戦
稲葉山城の合戦/ 安芸城の合戦/ 立花城の合戦/ 佐嘉城籠城戦/ 三方ケ原の合戦と浜松城/ 石山合戦/ 伊勢長島一向一揆鎮圧戦/ 長篠城の籠城戦/ 七尾城の合戦/ 御館の乱/ 三木城の合戦/ 小谷城の合戦/ 有岡城の合戦/ 高天神城攻防戦/ 鳥取城の合戦/ 高遠城の合戦/ 備中高松城の合戦/ 本能寺の変
 
 第5章 天下人たちの攻城戦
太田城の合戦/ 第一次上田城の合戦/ 岩屋城の合戦/ 山中城の合戦/ 小田原城攻防戦/ 忍城攻防戦/ 蔚山(ウルサン)城の戦い/ 伏見城の合戦/ 第二次上田城の合戦/ 長谷堂城の合戦/ 大阪冬の陣 真田丸の攻防
掘や石垣はともかく、疑うわけではないけれど、たとえば、枡形とか馬出が所期の働きをしたのか、破風から実際に鉄砲を撃ったような戦いがあったのかとか、説明はもっともらしいけれど、本当にそのとおりに機能したのだろうか。何せ、今に残るような城では、実戦は少なかっただろうから。

時代は違うが、そして本書でいうような城の設備などはほとんど備えていないけれど、千早城で楠木正成が、上から石や糞尿をばらまいたというような文献的資料があって、戦い方が裏付けられるというようなことがほしい。

山中城の攻城戦は、前にとりあげた西股総生「戦国の軍隊」に詳しい。
思えば、個々の戦いで、効果があった・なかったということになって、一般化は難しいかもしれない。


それはそうとして、本書では、34の攻城戦がとりあげられている。
史実かどうかはともかくとして、これをテレビドラマにしたらおもしろいのではないだろうか。数からいって、大きな戦いについては2回放送すれば、1年十分持つと思う。

「のぼうの城」とか、戦い自体は小規模でも、話としては随分おもしろかったと思う。(忍城攻防戦も本書でとりあげられている。)
それなりの脚本(史実からははなれるかもしれない)が必要だとは思うけれど。
もっとも戦いの場面だけだと美女の出番はあまりないだろうから、視聴率はかせげないかもしれない。


男の子の遊びでは「城」は特別のものだ。
ガラクタを集めては「城」とか秘密基地を築く。工作の授業でも、城を作りたがる子供は多い。
そして、たいていの場合、城は美しい。

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