謎の絶滅動物たち

nazonozetumetu.jpg北村雄一「謎の絶滅動物たち」という本を読んだ。
絶滅動物というと、真っ先に思い出すのは恐竜。
ついでリョコウバト(この本でもとりあげられている)など、つい最近、人類によって滅ぼされた種。

この本はタイトルで手に取ったわけだが、てっきり、いろんな時代に、いろんな原因で絶滅したものをピックアップしているのだろうと思っていたら、取り上げている45種の生物は、すべて新生代第四紀(というより完新世、地質年代的には現代)の生物で、5万年前あたりから現代までに絶滅した種。
そしていずれも人類によって絶滅させられた、または人類によって餌動物が絶滅させられたために絶滅、と解説されている。

いずれも、大きい、強い、すごいという形容詞が付くもので、いかにも当時から人類の興味を惹きそうなやつばかりである。
人類のような獰猛な生物の興味を惹くから命を落とすわけで、と言いたいところだけれど、別にそういう生物ばかりが絶滅したわけでもないだろう。恐竜は人類の興味を大いに惹くが人類が滅ぼしたわけではない、というのは戯言としても、人類による過剰殺戮説に対する真っ当な反論もあり、気候変動にその原因を求めている。また、北米のマンモスは人類が北米に到達する前にその数を減少させていたと推定できる資料もあるという。反論・再反論がまだまだ続いている状況のようだ。

なんだか、創刊まもない頃の少年週刊誌の特集記事のような雰囲気で、理詰めでの説明は少なく、最後が「人類によって滅んだ」のワンパターンだと、この本だけを信じて良いものか、眉に唾をつけたくなる。その一つの理由は、前述のとおり、反論・再反論などを記述していないからで、やはり人に信頼してもらうには誠実に議論の過程を見せるのが良いだろう。(もっともこれを利用して、まともでない反論を選んで取り上げ、それを論破して自らの主張をもっともらしく見せるという手法―誠実さのかけらもない政治家が使う方法もあるので気をつけなければならない。)

ところで、出始めの少年週刊誌はマンガばかりでなく読み物も多く、巻頭はイラストや写真を使った特集記事が置かれていた。特集記事には「世界の秘密兵器」とか、それこそ「恐竜特集」みたいな企画が多かったように思う。また、「全国の難病・奇病」というような特集では、水俣病やイタイイタイ病も原因不明の難病と紹介されていたことを記憶している。読み物としては、戦国・戦争もの、スポーツものが多かったと思う。


ということで、この本で種の絶滅について理解しようというのは無理があるが、過去にこんなおもしろそうな動物がいたんだということは、恐竜やリョコウバトにばかり目がいきがちなところ、また別の視点を提供したということか。

ところで、天然痘ウィルス(ウィルスも生物というなら)も自然界では絶滅してしまったが、惜しむ声はあまり聞かない。保護するものとしないもの、どこで線引きするのだろう。

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No title

生きる者が最終的に死ぬのはごく当然のことです。種についても同じことなのだろうと私は思います。
なぜ人間は生物の死について非難的に捉えるのか、自分は生にしがみつき、誰かに生を強要させることこそ、人間の傲慢さの根本なのだと思いました。

Re: No title

コメントありがとうございます。
人間は自己中ですね。単純に自分さえよければという発想も、人間が地球をダメにするという思考も、どちらも自己中心的。もっともそれは人間が考える以上、しかたのないこととしか言えないかもしれません。
もし仏さまがいたら、やっぱり掌の上でころがされているだけなのかもしれませんけど。
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