疑似ハイレゾ

何度も書いたように、DAC内蔵アンプ(DENON PMA-50)を買ったおかげで、私にとってもハイレゾが身近な存在になった。
このところ、新聞やテレビでも、ハイレゾがたびたび話題になっており、最近ではハイレゾ対応機器が良く売れるようになっているとも報道されている。

とはいうものの、前にも書いたようにハイレゾ音源は高い。DSDファイルをダウンロード購入するより、SACDの方が安いという困った状態である。そう思っていると、ハイレゾ対応機器の中には、アップサンプリング機能をもっている製品がちょくちょくある。このデジタル万能時代である、そういう機器があるとなると、きっとそういうパソコンソフトがあるに違いない、そう思ってネットを調べるとやっぱりある。しかもフリーのものが。

ピュアオーディオマニアなら、アップサンプリングなど邪道も邪道、とんでもないことだと言うに違いない。そういう人は高価なオーディオセットに、高価なハイレゾ音源を組み合わせれば良い。


2015-02-16_214755.jpgで、WPUP(Wave PCM Upconvert Player)というのをダウンロードした。
アップサンプリングするソフトには、再生時にアップサンプリングするものと、アップサンプリングしたデータを作成するものがある。WPUPは再生時アップサンプリングも、データ作成もできる。

アップサンプリングは要するにCD品質ではカットされている高調波成分を補うのがキモのようだ。
CD品質は22.05kHzが理論的再生可能上限(44.1kHzでサンプリング)だが、そこから上は「ゼロ」として扱われるらしい。しかし考えてみれば、「ゼロ」になるというのは、たとえていえば固定端振動みたいなもので不自然、自由振動のような動きをする方が良いのではないか、つまり高調波部分に「自然な」拡張をするというアイデアのようだ。

そう考えると、これは原情報を損ねているということにはならない。22.05kHzまでは原情報と同じだからだ。(もっとも、実装されているアップサンプリングが本当にそうなっているのかは分からない。また、実際の再生装置では、当然スピーカーが勝手な高調波を出すはずだから、高調波がゼロの信号でも、出る空気振動はそうではない。これもアップサンプリング?)

昔、アナログ・レコード時代に、疑似ステレオというのがあった。モノーラル録音を、おそらくハイパス・フィルタ、ローパス・フィルタを使って左右に振り分けていたものだと思うが、ステレオ感はあるものの、不自然な音になって、そのうち廃れてしまったと思う。アップサンプリングはこれとは全く違う戦略だと思う。


補う高調波部分をどんなものにするのかだが、原情報が持つ22.05kHzまでのスペクトルに従ってその倍ぐらいまでを埋め込むというのが普通だろう。楽器によって特有のスペクトルがあるから、たとえばクラリネットは偶数倍音はない、それに応じてという考え方もあるだろうが、22.05kHzまでの範囲でそれはすでに埋め込まれているから、敢えて楽器に合わせる必要はないとも考えられる。(これらはいずれも私の推定で、実装がどうなっているかは全く知らない、念のため)

ハイレゾは量子化の細かさも違う。CD品質は16ビットだが、ハイレゾは24ビットとか32ビットである。
こちらは、原情報に基づいて標本点を補完するような方法は安直で、そうではなくて、高調波を補った分を反映するようなやりかたをすべきだと思うが、実際はどうなのだろう。

で、私が考える正しいアップサンプリングは、

その疑似ハイレゾ化された音源を、CD品質で再度サンプリングし直した時に、
元々のデータに一致すること=原情報は全く損なわれていないこと。
(いわば、「可逆アップサンプリング」であり、「聴こえない音のみの操作」―なんだか変な表現だが)

である。これに賛同していただけるかどうかはわからない。おそらく音として感じる範囲に違いがないと納得しないユーザーもいるだろうから、色をつけるようなことをするソフトもあるに違いない。

さて、あらためて、ハイレゾにどんな値打ちがあるのかだが、私の耳など、既に9kHzあたりが限界である。
前にアナログ・レコードのディジタル化の稿でコメントとして書いたけれど、国立国語研究所の研究結果では、可聴帯域外の高調波を含む音源と含まない音源をブラインド・テストすると、前者を心地よいと感じる人が多いという、これがハイレゾの値打ちだと思う(テレビのインタビューで「低音がすごい」と言ってた人がいたが、そんなはずはない。単に機器が良いだけだろう)。
その心地よさというのが、CDにありがちな「頭を抑えられたような」感覚からの解放だろうと思っている。それと、これも前に書いたが、ハイレゾ⇒ヘッドフォンみたいな世情だが、音に頭を抑えられなくても、ヘッドフォンで頭を抑えられる。これはいやだ。

いろいろ理屈を考えてみたが、問題は音、というか聴感である。
その報告は明日の稿にあげるつもり。
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