単眼鏡がいらない美術展

チューリッヒ美術館展の感想。

アウトラインは展覧会のサイトを見ていただければ良いが、出展されていたのは、印象派からシュールレアリズムまでの34人の作家の作品74点。彫刻(ロダン、バルラハ、ジャコメッティ)もある。
数字でわかるように、一人の作家に集中するものではなく(本稿で紹介のダリ、マルグリットは1点ずつ。シャガール、ジャコメッティは大盤振る舞いの6点出展)、比較的小規模の展覧会である。(ゆっくり全部見ても疲れません)

大作と言えるのは、モネの睡蓮で2幅連続の大キャンバスに描かれたもので、どちらかといえば規模のあまり大きくない作品が多い。
woman-with-a-head-of-roses.jpg
作品との距離も近いし、絵の傾向からしても、今回は単眼鏡は1枚の絵を除いて、不要だった。
単眼鏡を使ったのは、次の1点のみ。
ダリの「バラの頭の女」(画像右~ネットから。クリックで拡大)。

この作品を見ると、頭部右のところがピンクで、しかも鼻のように見える突起があるので、これが顔だと感じてしまうのだが、

(人間の認知機構は「顔」を認識するのが性だから、顔を探してしまう)

そう考えて視線を下に落とすと体が捩じれている。
手の指を見ればわかるように、画面右側に描かれている手は左手である。
ダリは頭部のバラを細かく描き込んでいるから、そこを単眼鏡で拡大して視ると、「顔」と認識することはなくなる。
ピンクのバラによって顔を表しているというわけではないようだ。


sixteenth-of-september.jpg ダリの隣にはマグリット9月16日」(画像右はネットから)。
夕闇とおぼしき中にあたりまえの木がすっくと立って、ありえない月が見える。好きな人にはたまらない幻想を掻き立てるかもしれない。

私には、絵とは別の作用が同存している、たとえば何か鋭いものが当たって切れてしまったような別次元の作用が感じられる。

20150425msX.jpg

展示を見終わって帰ろうとすると、ロビーに、ルソー「X氏の肖像」をもとに、X氏の代わりに絵に入る趣向の写真コーナーがあった。観光地によくある顔出しのやつ。こういう趣向はときどきお目にかかる。

写真中央、金色の額縁の中にX氏に扮した来館者が収まっている。
ヒゲと赤いトルコ帽子が扮装のために用意されている。(眼の辺りは個人情報保護のためレタッチした)


関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

Gallery
検索フォーム

⇒記事一覧

プロフィール

六二郎。六二郎。


定年退職
苦しい家計の足しに再就職
=いつクビになってもええねん
 言うたもん勝ちや!のブログ
リンク
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
アーカイブ
カテゴリ
タグ

ITガジェット 書評 Audio/Visual マイナンバー 

現在の閲覧者数
聞いたもん