新国立競技場

shinkokuritsu.jpg 新国立競技場の建設費が膨大ということで、随分もめていた。
昨日、建設の事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)の有識者会議が開かれ、既に決まったことだったらしいが、最終的に建設費2520億円ですすめられることになったようだ。(問題のデザインを選定した審査委員長の安藤忠雄氏は欠席と伝えられている。)

建設費が膨大になったのは、そのデザインに大きな原因があるらしい。
どうやら予算制約をかけずに、「ブッ飛んだ」デザインを求めたようだ。
で、その結果「ブッ飛んだ」コストになったということらしい。目論見通りである。

この問題についてはいろんな記事がネット上に出ているけれど、ちょっと読んだところ一番まとまってそうなのは玉木正之「新国立競技場、船頭なき"大艦"の視界不良」(東洋経済オンライン7月6日付け)の記事のようだ。

私などは素朴に、なぜ予算制約をかけなかったのかと訝しく思っていたけれど、そもそも提案時の予算の倍ぐらいの建設費になるらしい。提案段階での積算が甘いことはしかたがないけれど、それが倍にもなるなら選定結果を反故にするという停止条件を付けておくのが普通では。それなら提案者も納得せざるをえないと思う。

件の記事では、こういう建設費の問題だけでなく、そもそも建設可能なのかというとんでもない疑問や(建設可能かなんていう疑問が出るとしたら審査員は何をしていたのだろう。この設計者は「アンビルトの女王」と呼ばれるぐらい、作品の実現性が低いといわれているそうだ。)、もしできたら維持費がとんでもなく高くなるという問題も指摘されている。
この記事の当否を判断できるような知識はないが、本当ならめちゃくちゃな話ではある。

ニュースサイトの記事は時間が経つと消されることがあるので、念のため要点を抜き書きしておく。
建設費2520億円の経緯:コンペ時の建設予算は1300億円だったがJSCが試算すると3000億円に。規模を縮小して昨年5月には1625億円の見積もり、だがゼネコンが受注不能と拒否
建設費が高い理由:デザインの特徴である2本のキールアーチ=長さ370m、直径7m、重さ約3万t。東京スカイツリーの半分ほどの巨大構造物を2本造ることになる
維持費は年間35億円:旧国立競技場の維持費は年間約7億円だったが、新国立競技場では35億円(JSC試算、修繕費含まず)
収入計画が杜撰:年間にサッカー20試合、ラグビー5試合、陸上競技大会11回、コンサート12回を開催を計画だが、計画どおりのイベント開催は不可能
地盤改良工事も必要:旧国立競技場跡地は、高低差10m以上、旧競技場を支えた5000~1万本のコンクリート製杭の除去も必要
設計図は未完成:竹中工務店、大成建設の2社と建築契約を結んだが、詳細な設計図は未完成。キールアーチをどちらが建設するかも未定

昨日の有識者会議を伝えるニュースでは、仮設スタンドの建設費が含まれないなど、2520億円には含まれない費用があるらしい。前記の地盤改良も含まれていないのでは。


東京開催が決定された有力なポイントがこの競技場だったとしたら、IOCも杜撰な計画を鵜呑みにして評価したということになるのではないだろうか。(「福島原発は完全にコントロールできている」という大うそに比べたら小さい話かもしれないが。)

以前、オリンピックは開催国・都市の負担が大きすぎるということで、開催を希望する都市があまりないという時代があった。
1984年のロサンゼルス・オリンピックは開催希望都市はロサンゼルス1市だったということで、だからできたのかもしれないが、このオリンピックでは税金は1ドルも使わずに開催され、しかも大きな収益を上げたといわれる。テレビ放映権や各種スポンサーシップのコントロールが成功したためらしいが、経費をかけないためだろう、メイン・スタジアムも1932年のロサンゼルス・オリンピックで使われたところを使っている。
このロサンゼルスの成功のあと、「オリンピックは金がかかる」は、「オリンピックで商売をしようとすると大金を要求される」という意味に変わったようだったのだけど。

で、これだけの経費をかけて整備しようという新国立競技場なのだけれど、オリンピック以外では中学生の全国大会ですら使えないという指摘もある。
日本陸連は国内の競技場を1~4種に分類しており、国際大会や日本選手権など全国規模の大会を開ける「1種」の条件に、全天候舗装された400mトラックの併設を挙げていて、新国立はこの条件を満たしていないので2種だという。
オリンピックのときはそばに仮設トラックを作ってしのぐらしいが、オリンピック以外でそういう措置がとれるかどうかははっきりしないという。
私にはこういう問題のほうが、スポーツ施設としては、ずっと重大だと思えるのだけど、こういうのはデザイン評価にあたっては考慮されなかったのだろうか。

ところで2019年のラグビー・ワールドカップには間に合わないだろうと思うが、新国立ではラグビーもあてにされているらしい。
今はラグビー日本選手権はトップリーグ6チームと大学4チームのトーナメントだけれど、以前は、社会人1位と大学1位が、1月15日、当時は「成人の日」に国立競技場で戦う、お正月の名物で、晴れ着姿の御嬢さんがスタンドで観戦する景色も正月風景として懐かしい。
しかし、旧国立競技場はラグビー向きではないと言われていたと思う。

インゴールが狭く、端っこから進入してゴールポストの方へ回り込むプレイがやりにくい、
観客席が微妙に弧を描いていて、これが目に入ると、ラインアウトが真っ直ぐになりにくい、など。

新国立はどうなるんだろう。

関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

Gallery
検索フォーム

⇒記事一覧

プロフィール

六二郎。六二郎。


定年退職
苦しい家計の足しに再就職
=いつクビになってもええねん
 言うたもん勝ちや!のブログ
リンク
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
アーカイブ
カテゴリ
タグ

ITガジェット 書評 マイナンバー Audio/Visual 

現在の閲覧者数
聞いたもん