高等戦術?~ギリシアの国民投票

cypuruspm.jpg 前の「ギリシアの国民投票」の記事では、EU緊縮策を受け入れる方が優勢と伝えられていると書き、ツィプラス首相は国民に責任を転嫁して政権を投げ出すのだろうと思っていた。

ところが、投票結果は緊縮策受け入れの拒否である。
そして、こうして再度信任を受けたと理解される首相が打ち出した施策が、事実上EU緊縮策と同様のものだった。

なんという高等戦術だろう。
「皆の覚悟は良く解った。ここは私に預からせてくれ」というのなら、時代がかった芝居のようだ。
首相の思惑がうまくいくことになったら、大英雄としてもてはやされるかもしれない。

そして、かなり成功したらしい。
国民の過半数が拒否している緊縮策をやろうというのだ、EUにも譲歩すべき点があるだろう、ということだ。
EUとの交渉において、随分強気で臨め、苦々しく思っているだろうEU首脳から見事に支援策を引き出した。
もちろん、これから国内の緊縮策反対の世論を説得していかなければならない。それはそう簡単なことではないかもしれないが、一時の熱で国を亡ぼす結果になったかもしれない緊縮策拒否を、受忍するように説得する時間的余裕を得たことは間違いないだろう。(もっとも7月15日=明日までにいくつかの法律を通すってのはできるのか?)

それにしても国民投票って何だったんだ? 世論調査とどこが違ってたんだろう。
憲法や法律で、意思決定手続きとしてオーソライズされていなかったのだろうか。あるいは具体的な法案などでなければ意思決定とみなされないということなのだろうか。
正式な意思決定手続きであれば、いくら強弁しても認められるはずはないだろう。

ひょっとしたら下がり続けるギリシア株、国民投票の実施でさらに下がり、そして、国民投票結果を受けて暴落。
この結果というか、この行動を知っていた者は、暴落した株を買い占めてぼろ儲けしたのではないか?

学校では、古代ギリシア(アテネ)は民主政治(デモクラシー、δημοκρατία)発祥の地と習う。女性・奴隷が参加していないとはいうものの、全市民の直接民主政治も行われたという。
一方で、当時既に、アテネの共和政の実態はペリクレスの独裁政治であると喝破していた人がいるという話もある(塩野七生「ローマ人の物語」)。

民主主義とは所詮手続きにすぎず、立憲主義とは守れるときの護憲にすぎぬのかもしれない。

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