マイナンバーの未来

昨日のFIDOの記事中でマイナンバーカードに触れたところだけれど、雑誌を読んでいたら、先般閣議決定された「日本再興戦略」改訂2015でのマイナンバー制度の活用が書かれているという記事があった。

seicho2015mynumber1.png あらためて、その戦略なるものを見ると「世界最高水準のIT社会の実現」という節があって、マイナンバー制度の活用という項がある。
制度の活用事務の拡大としては、戸籍や旅券事務、医療分野の利用とかいろいろ書いてある。
戸籍や旅券事務は行政のすることだから今の延長だと思うけれど、医療分野となると主として民間サービスだから、今の異様にうるさい法律(マイナンバーは大事な番号だから、人に知られないようにしましょう)というわけにはゆかないと思うけれど、どうするんだろう。

あと、在外邦人も対象にするよう拡大するつもりらしい。というか、電子政府の恩恵が一番強く意識されるのは在外邦人だと思うのだけれど、なぜ最初からそうしなかったのが不思議である。住基に基礎を置いたために対象にするのが難しかったという事情があるのかもしれないが、それで制度を歪めるというのは本末転倒である。
制度の立ち上がりは住基を利用して円滑にスタートするにしても、住基とは別の番号制度として設計し、制度が定着すれば住基ネットワークの方を廃止するのが制度もシステムも簡素化されるはず。一体、どうやって在外邦人を取り込むのか見ものである。(一番簡単なのは在外公館を市町村に見立てることなのだろうけど)

seicho2015mynumber.png この「戦略」ではマイナンバーの制度面だけでなく、それとは切り離してカードの利用についてもいろいろ書かれている。
ふうんと思ったのは、「来年1月から国家公務員身分証との一体化を進め」とある。え、でもマイナンバーカードのどこに身分の記載をするんだろう。そもそもマイナンバーカードにそんな記載が許されるんだろうか。同様の利用方法を自治体や民間企業にも検討してもらうとも書いてあるのだけれど、企業等の身分証って、入室時の認証機能(ICチップなど)も持たせているのが多いと思うのだが、マイナンバーカードにその機能を持たせられるの? 昨日書いたFIDOのような仕掛けなら原理的に可能だとは思うけど。

すごいのは、キャッシュカードやクレジットカードとしての利用も検討するとある。いやこれは便利だと思う。それにマイナンバーカードの常時携帯が期待できる。
しかし、キャッシュカードって、いまだに磁気ストライプを使ってるんだけれど? ICチップの仕様もマイナンバーカードとは違う。そういう技術面はどうするんだろう。複数の銀行を使ってる場合、ATMでどの銀行との取引か指定するんだろうな。
クレジットカードもICチップの仕様が違う。それより、クレジットカードの裏には署名することになってるけど、これなんかどうしようもない。
つまり、どちらもカードとして携帯してATMや店舗で使うのではなく、ネットで使うということしかできなさそうだ。

JPKIのことも考えている。スマートフォンで電子申請をするために、マイナンバーカード内の署名用電子証明書が読めるようにもしたいという。さすがにカード内の証明書をスマートフォンに格納することは避けたようだけれど(エクスポート不可能が前提)、こういう細かいところは配慮されているのね。

なんだかすごく否定的なトーンになってしまったけれど、私はマイナンバー制度(国民総背番号制)には賛成だし、身分証明書を国民が持つことにも肯定的。しかし、なぜ、こんな歪んだシステムになってしまったのか、そしてまた、こんな突っ込みどころ満載の「活用」策なるものを無理やり書かなきゃいけないのか、そこが不思議である。
関連業界の人たちは何も言わないのだろうか? (できないことがあきらかだから?)

実現困難な「活用」策をたくさん並べるより、マイナンバー制度の本質に即した利用に違う部分の改善とコストダウンを考えるほうが良いと思うのだが。

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