ルーブル美術館展

パスポートを受け取って、岡崎公園の京都市美術館へ。
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京都市美術館のルーブル美術館展。

IMG_20150816_100215.jpg 珍之助さまは"東下り芸術の春_06"で、

「ちなみに関西へはルーヴルが6/16~9/27に(こちらも平日に行こうっと)、マグリットは7/11~10/12に(もう1回行くつもり)いずれも京都市美術館へ巡回されます。」

と書いておられました。

そして京都でも、ルーブル美術館展とマグリット展は、京都市美術館でも並んで開催。

この日はなんと、小中学生入場無料とのことで、会場内はその年頃の子供が多い。そしてその親らしき人も一緒。で、トータルでは大混雑というほどではないにしても、思った位置から絵を見るのは難しい。

子供同士であぁだ、こぅだと言っているし、親も子供にいろいろ説明するから、小声ではあっても発生源が多いので、普通の展覧会より騒がしい感じ。
それと、バックパックを背負ったままという人がいるのだけど、これって邪魔。私は小さなショルダーしか持ってなかったけれど、それでもロッカーに預けている(100円返却方式)。

waretamizugame.jpg 全部で83点も出品されているから、1つ1分でも83分もかかる。
(まぁ実際には1分も見ることは普通なく、飽かず眺めるような作品が何点かあって平均1分というところだけど)

有名なフェルメールの《天文学者》などもあるし、名前からすれば、ティツィアーノやブーシェなど、有名どころもあるから、水準以上(ルーブルに収蔵されていることだけでもその証明?)の作品が多いのだろうけど、どちらかというと特別な感動作という感じはしなかった。ただ、多くの有名作家の、普通知られているテーマ以外の作品が見られると思う。また、保存状態が良いのはさすがルーブルという感じ。

本展覧会のテーマは「日常を描く―風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄」ということなので、歴史画や宗教画はあまりない。というか、これら以外をとりあげているという方が正しい。
必ずしも日常を写し取ったものばかりではない。

たとえば、(ジャン=バティスト・グルーズ) 《壊れた甕》という作品(写真上)は、「失われた純潔」を表現しているというが、これが日常のはずはない。
この作品はルイ15世の愛妾デュ・バリー夫人の注文で描かれ、夫人の部屋に飾られていたそうだが、夫人はこれを毎日のように見てどう思ったのだろう、ベッドでは常に処女のように、ということなのだろうか(それなら日常だろうけど)。

さすがにこの作品はしばらく眺めていたのだが、解説では、割れた水瓶は処女喪失を意味するという。図像学に疎いと、作品鑑賞にもいろいろ差し障りがある。神話や宗教画だと、ストーリーがあるし、アトリビュートも周知だから良いのだけれど、割れた水瓶がそういう意味だとは。ちゃんと勉強したいとも思う。


mizuwososoguonna.jpg もう一つ、ヘラルト・ダウ《水を注ぐ女》という作品について、写真右はネットで拾ったものだけれど、この絵については、是非、単眼鏡などを使って、女の表情を確かめることをお薦めする。
この作品は、36×27.4cmと小ぶりの絵である。特にどうというほどのことではないけれど、離れて見ていると、この写真のように、おばさんのようにみえるのだけれど、単眼鏡でしっかり表情を見ると、特に、きらっとした眼を見ると、ちょっと悪戯っぽい少女のような生き生きした表情が感じられる。


ということで、それなりに満足して、そして、あまりの作品の多さに疲れ切って会場を後にした。

次は、向かいにある国立近代美術館である。





これから行くという人のために、ルーブル美術館展の展示作品リストをアップ(画像クリックで拡大)。


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芸術の夏

うっとこの職場でルーブル美術館展に行った人はお盆(15日)のときに行って大変な人出だったと言ってました。六二郎さまが行かれたのは16日ですよね。チビッ子の喧騒はありましたけども、それ以外は15日よりは小マシだったということでしょうか。ちなみに、職場のその人はマグリット展にも行きたがったが、あまりの行列で断念したと言ってました。(行列用の屋外テントが一張しかなかったとか)

『壊れた甕』ってもうタイトルがいろんな意味でヤバいですね(笑)
さすが六二郎さまは何の衒いもなく「純潔」「処女喪失」「ベッドの上では処女のように」などと書かれていますが(フィルタリングなくなったので通りますよね…)完全に“非日常”ですわな。

岡崎エリアではないですが、京都市文化博物館では『レオナルド・ダ・ヴィンチとアンギアーリの戦い展』が今週22日から11月23日まで開催されますね。
幽かな記憶なのですが、けっこう前にNHKか日テレかどこかでレオナルド・ダ・ヴィンチの幻の作品『アンギアーリの戦い』を追う特集番組を観たことがあります。壁画の反対側にはミケランジェロが『カスチーナの戦い』(未完に終わりこちらも幻)を同時進行で制作していたという豪華競演の作品です。もうちょっと見つかりそう…で終わっていたような。

オリジナルは失われていますから、関連作品を集めたものなのでしょうが(さすがにルーベンスの模写は来ないみたいですが、そもそも京都文化博物館での企画展覧会はなぜかビミョーにショボいのが多い)こちらも観てみたいです。
ちなみに、巡回企画には某宗教団体が関係しているので(企画した美術館がそちら系)巷でやたらポスターを見ますが…。

行けたら9月に夏季休暇を使って平日に3つ回りたいなぁと思っております。もちろん六二郎さまとお揃いの単眼鏡を持って。

Re: 芸術の夏

お見込の通り16日に行きました。10:00過ぎに入場してるので未だ少なかったのかもしれませんが、11:30過ぎに出場したときも入場待ちの列は見ませんでした。マグリット展もです。1日違いで随分違ったのでしょうか。

> 『壊れた甕』ってもうタイトルがいろんな意味でヤバいですね(笑)
言われて気付きました(笑)。
こんないたいけな少女、わずかに覗くピンクの乳首が悲しい、衣を手繰り握る姿が痛々しい……。
青少年健全育成条例違反ですね。小中学生にタダで見せるなんてトンデモナイ。
見ていてせつなくなりました。ビーナスとかダイアナとか、ダナエとか描いている方が健康的ですね。

> 岡崎エリアではないですが、京都市文化博物館では『レオナルド・ダ・ヴィンチとアンギアーリの戦い展』が今週22日から11月23日まで開催されますね。
フィレンツェのベッキオ宮殿の壁にひょっとしたら塗り込められているかもしれないというものですね。X線とかで絵の存在ぐらいは解っているのでしたっけ?

> そもそも京都文化博物館での企画展覧会はなぜかビミョーにショボいのが多い)
京都「府」立です。二重行政ですな。府のほうがショボいのはどこかと同じ。
もっとも、大阪府には総合博物館はありませんからショボい以前です(二重行政にはなりませんね)。

> ちなみに、巡回企画には某宗教団体が関係しているので(企画した美術館がそちら系)巷でやたらポスターを見ますが…。
一の人は、まだご存命らしいですね。

無法地帯

1日違いでえらい違いでしたね。11日に行った人からも開館前から行列ができていたとの情報も。六二郎さまはまことにツイておられる。

>こんないたいけな少女、わずかに覗くピンクの乳首が悲しい、衣を手繰り握る姿が痛々しい……。

とうとう書いてしまわれましたね(笑)
悲しい、痛々しいとのアリバイチックな表現(笑)の裏側に無法地帯が垣間見えます。

正確には「京都府京都文化博物館」でしたね。「市」を書いた自覚がなかったのですけど「市」は要りません。失礼しました。京都文化博物館(旧平安博物館ですよね)の建物はそれなりですけど、典型的な二重行政ですな。

>フィレンツェのベッキオ宮殿の壁にひょっとしたら塗り込められているかもしれないというものですね。X線とかで絵の存在ぐらいは解っているのでしたっけ?

ベッキオ宮殿の公会堂か何かでしたね。
現在の壁は二重壁になっていて、裏側に旧い壁があることを確認したところまでテレビで放送していたという記憶があります。絵があるかどうかは現在の壁を壁画ごと剥がさないとわからないようです。そうなると、こちらも美術史的に価値の高い現壁画の現状を壊すことになるので、相当の証拠というか見込みがないとギャンブルできないってことでしょうね。ネットでは現壁に穿った穴の奥=旧壁からレオナルドが使っていた絵の具か顔料かが見つかっているそうです。期待が高まりますね。現壁画の価値を保ちながら剥がす技術、資金が必要なのと、ギャンブルではない証拠待ちってところでしょうか。イタリアも文化財保護技術は世界でも屈指だと思いますが、日本も負けてないですよね。あとは銭か…。

>一の人は、まだご存命らしいですね。

無法地帯だ(笑)

Re: 無法地帯

ルーブル美術館展に行かれたら、是非《壊れた甕》に見入ってください。会場監視のおばさん・おねえさんにチェックされ、怪しいおじさんとして通報され、会場を出たら警察官がついて来ることでしょう。
なお、私はそういうことはありませんでした。少女に同情するやさしいおじさんであります。

京都文化博物館は、日銀京都支店の古い建物を利用したものと記憶しています。
その形になってすぐ、ここで某総通局の無線システムのデモがあって、見に行った覚えがあります。

たしかに日本の修復技術はすばらしく、和紙や日本の糊を使った修復技術は世界へ輸出されていると聞いています。しかしながら、それはごく一部でしかなく、前に「真珠の耳飾りの少女」という記事に書きましたが、欧米の博物館には必ずある修復部を持っている博物館は未だに少なく、ハコはあるが人はいない、絵画のコンディション・カルテもないという状況と言われています(岩井希久子「モネ、ゴッホ、ピカソも治療した絵のお医者さん」)。
だからといって税金を際限なく注ぎ込めというわけではなく、修復の産業化、修復現場の(言葉は悪いですが)見世物化などの方法でコストを回収する努力、たりない部分を財産維持コストとして国民の理解を得る、そうした長期的なビジョンで芸術文化行政をするべきだと思っています。金がかかるからやらないとか、金になるまで時間がかかるなどいう近視眼的な判断は、芸術文化の世界では取り返しのつかない結果になりかねません。
政治・行政こそ、長期、少なくとも100年というスパンで政策を考えるべきポジションにあると思います。

やさしいオジサン

「オジサン」カタカナで書くと、不審者・変質者の臭いがプンプンしますが、あたまに「やさしい」が付くと一層ヤバいですな(笑)

旧日銀京都支店でしたね。珍の通学路でもありまして(三条通を往き地下鉄に乗ります)リニューアル前の「平安博物館」のチープな雰囲気が好きでした。

そういえば日本のミュージアムはどこもバックヤードが狭いくて、そもそも日本のミュージアム(ホールもそんな気がしますが)設計思想にバックヤードの重要性が希薄だという指摘を聞いた覚えがあります。
奈良博にはあったと思いますけど、一般的な日本のミュージアムで修復部は聞いたことがないですね。

ふるさと納税の豪華オマケが喧しいですけど、文化財修復にもそんなのを適用するとか(公立ならできますね)。その方面への国民の意識も熟していない気もしますので、六二郎さまが書かれている「見世物化」は大事だと思います。

思い出しましたが、珍の元上司K川さん(元O府)が昔、S市は仁徳天皇陵の世界遺産登録をめざして長いスパンで周辺地域の整備を行う100年総合計画をつくったらええねんと仰ってました。政治も行政も100年スパンで物事を考えるべき時代になっていますよね。

Re: やさしいオジサン

怪しまれるようですから、これからはオジサンでなく、オジイサンと自称することにします。

> 奈良博にはあったと思いますけど、一般的な日本のミュージアムで修復部は聞いたことがないですね。
奈良には奈文研もありますね。木簡保存とか、肉眼で読めない文書の解読とか、ユニークな技術があるようです。探偵ナイトスクープの依頼で、読めなくなった手紙の解読も奈文研がやってました。

> ふるさと納税の豪華オマケが喧しいですけど、文化財修復にもそんなのを適用するとか
前に「ふるさと納税」の記事に書きましたが、王寺町は達磨時の修復をクラウド・ファンディング(ふるさと納税扱い)でやっています。もう一つ集まりが悪いようですが。

100年スパンで考える話ですが、O府の土木部の人が欧州の都市計画の視察に行ったときの話として、下水道だったか道路だったか、向こうの担当者にいつ完成するか聞いたら、「○十年後である、100年スパンで考えている」という回答だったと聞いたことがあります。
欧州には、ケルンの大聖堂とかサグラダ・ファミリアとか建設期間100年以上のものが多くあります。米国もニューヨーク大聖堂は100年以上建設中だと思います。欧米人にとって100年は感覚的に長くないのかもしれません。

もっとも30年後には人類はコンピュータに支配されていると思いますが。
(コンピュータなら100年どころか、1000年スパンで考えてくれるかも)
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