複数税率は本当に面倒くさいか

軽減税率の還付方式は、どうも反対・疑問の声が大きくて、見送られそうな気配である。
今日は、還付方式ではなく、取引時に軽減税率を適用する場合、複数税率だと面倒なのか考えてみよう。

前にも書いたように、某政治家は「2つ税率があったらややこしいでしょ」ともっともらしく言っていたけれど、本当にややこしいのだろうか。

まず、単純に考えて、商品の価格表示が税込総額表示になっていたら、客はこの価額を単純に足し算していくわけで、客にとっては、とりたててややこしくはないと思う。
問題は、店のレジ・システムなどの変更が必要か、もし必要ならどのぐらいの変更になるか、店の負担はどうだろうということ。

はじめ、これは結構面倒なことになるのではと思った。
というのは、税額をレシートに出そうとすると、レジは各商品の税率を知っていなければ税額を計算できないからだ。単純に8%(あるいは8/108)を計算して印字すればよいということにはならない。
税額表示が不要なら、消費税導入以前と同じだから、そんなに難しいことにはならないだろう。

で、レシートへの税額表示を不要とする法改正をすれば良いだろうと思ったのだけれど、
2015-09-16_145535.jpg 国税庁の消費税Q&Aでは、レシートへの税額表示は現在でも義務ではないようだ

(税額表示が義務付けられているのは、各商品の価格表示の方である。)

なんだ、そういうことなら、複数税率になったとしても、レジ・システムの大改修は発生しないんじゃないだろうか。

このあたり、さすがに国税は現場の事情が良くわかっていて、店のレジの改修コストも考えた結果、そうしたのではないだろうか。
マイナンバーも本当は税のための番号なのだから、税当局が主導し、技術的良心に基づき現場感覚をもって設計したら、あんなに歪で、馬鹿高く、効率の悪いものにはならなかったに違いない。


ところで、今でもレジ・システムの一部は複数税率に対応している。タバコを扱うコンビニの場合、タバコには消費税は課されず、内税であることがレシートに表示されるようになっている。

receiptmikata.png さて、店の売り上げ管理のシステムであるが、こちらは何がどれだけ売れたかを当然管理しているはずだから、複数税率になったとしても修正自体はそれほど大変なことではないだろうと思う。最悪の場合、うち食料品売上を取り出して、そこから軽減税率に従って、消費税充当額を手で計算することもできるだろう。

ということで、「複数税率だとややこしい」という言説は、状況を理解していないか、さもなければ、2%の軽減分のいくらかでも国民に返さずにすむようにしたいという意図があるかのどちらかだろう。

それにしても、制度が変わるたびにシステム改修が発生するし、商品の価格表示の仕方も、内税になったり外税になったり、店は大変だ。ゆきあたりばったりの改正でなくて、今後の制度改正の方針・枠組みまでちゃんと考えて、決定してもらいたいものだ。

品目別複数税率とか、特定客への税優遇とか、考えられそうな税計算方式をあらかじめ組み込んでもらいたいわけ。もっともそうすると競争力皆無の国内IT(ソフト)産業のメシのタネがなくなるか。
あっ、そうか、複数税率の実績のある欧州製のレジ・システムに変更しちゃえばいいんだ!


結局、軽減税率の即時適用と、還付方式を比べると、店の対応負担は、本格対応の場合で、両方式に大差はなく、還付方式にはポイント書き込み機能分が追加となるだろう。また、即時方式は姑息対応が可能だが、還付方式は不可能という違いがあるだろう。

ところで、昔、学生の頃、大学の近所の本屋が、新刊書も割引販売をしていたのだけれど、1円玉や5円玉が不足気味ということで、お釣りを金券で渡すようにしたことがあった。学生には評判が悪かったが、しばらくして、国から不適切と指導があり、その方法はとりやめになったことを思い出した。同じことでも国がやるならOKらしい。

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