この住民票は受け取れません

マイナンバー法が施行されてすぐ、マイナンバーにかこつけた詐欺(未遂)事件とか、マイナンバーの情報システムにかかる贈収賄とか、賑やかである。

shoumeishokofuseikyuakashi-crop.png そして、今度は、ある自治体で、住民票自動交付機のミスで、希望していないにもかかわらず、住民票にマイナンバーが印字された状態で発行されたという事件があった。市町村のこういうシステムはメーカーのパッケージだろうから、同じようなミスは他自治体でも出てくる可能性があったと思う。(右の申請書様式の自治体ではない。念のため)

なお、逆パターン、マイナンバー印字を求めたが出なかったというバグが別自治体で起こっている。

報道の基調は「早くもマイナンバーが漏洩」というもの。しかし、私は前から言っているように、マイナンバーが漏洩しても、それで個人情報が漏洩する危険が、著しく―これほどばか騒ぎをするほど高くなるとは思っていない。

マイナンバーは基本的に名寄せのツールであるから、マイナンバー付きの個人情報が複数の情報源から漏洩したときに問題になる。そしてこれはそれこそ大々的に名寄せが必要で、機械的にそれを行うニーズを持っている者、つまり税当局とか、年金機構とかにとっての便益であって、名簿屋がマイナンバーが付いていないからといって名寄せを諦めることなどあるだろうか。

そして、今回の事件は、本人と推定される人が操作する自動交付機で起こったわけだから、その前提で考えれば本人にマイナンバーが示されたわけで、本当の意味で漏洩にはあたらないだろう。

ところが問題は別のところにある。
個人番号を使える場面は、法で制限されている。
だから、住民票の提出を求めたところが、法によって認められたものでなければ、この住民票を受け取ってはいけない。
提出時に消せば良いというかもしれないが、消すということは証明書の改ざんになるおそれがある。つまり証明効力が失われるという理屈になる。

実際、この点をホームページで注意している自治体がある。
  • 個人番号は、番号法に定められた事務に限り利用することができます。
  • よって、番号法に定められた事務以外の用途で個人番号入りの住民票を提出する場合、使用できない場合があります。
  • その場合は、再度、個人番号を省略した住民票を請求してください。
  • なお、個人番号入りの住民票を提出したことによるトラブル等について、多摩市では、一切その責は負いかねますので、ご了承願います。

しかし、住民票の証明事項は、従来から続柄とか戸籍とか、いくつか選択項目があり、必要な場合はこれらが付いた証明書が交付されるが、交付申請をする人は、提出先から求められている証明事項が載っていなければならないとは考えるだろうが、不要な項目が載っていてはならないと考えることはあまりなさそうだ。

マイナンバーそのものが重大な個人情報と錯覚し、それを守るために厳しい流通制限を加えた制度の異様さ、それによって事務、システムの負担を増大させ、さらに理不尽な利権を生み出す温床を作ってしまった、とまで言っては言い過ぎだろうか。

プライバシーは大丈夫かと聞かれて、反射的にマイナンバーは秘匿しますと返すというような、プライバシーの本質も、マイナンバーの本質も忘れた浅はかな対応をしているんじゃないかと心配になる。


マイナンバー制度のまずい点だが、この稚拙さは実は制度の本質とは別のものだと思う。
マイナンバーは政府が与えた名前である、その取り扱いについては名前と同等の注意を払いましょう、それで何か問題が起こるんだろうか。

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