「ローマ人の物語」電子版

Screenshot_2015-10-16-14-26-16.png 塩野七生「ローマ人の物語」の電子版が出ている。

この本にはたくさんのリマーカブルな言説があるので、このブログでも何度か言及していると思う。
毎年1冊ずつ出される、そのリアルタイムに近い状態で読んだのは、いずれも図書館で借りてだった。予約を入れても数ヶ月待ちになることが常態だった。

その後、手元にも置きたいと思ったことがあったが、ハードカバーは分厚く、場所もとる。それに高価。文庫版になってから2冊だけ買ったけれど、紙面が小さくて、塩野七生先生の語り口になんだか合わないような気がするし、地図や図版がページまたがりになってたりで読みにくい。文庫版を続けて買う気にはならなかった。

電子版が出ていることに気付いたのは、例によってhontoから「電子書籍50%引き」のクーポンが届いて、何かまとめて買う値打ちのあるものはあるかな、とあてもなく電子書籍の検索をしていたとき。
hontoでは全15巻が 21,913円(税込)である。Amazonからも出ているがこちらも同じような値段だった。
しかしである、hontoには半額クーポンがある。1万円以上安くなる!

ちなみに文庫本43巻セットは20,000円ぐらいだと思うが、古本だと半額くらい。ハードカバー15巻は古本しかないかもしれない。オークションに出てたりはする。


既に一度読んでいる本だけれど、ときどきその一節を思い出して、読み返したくなる名作だと思うで、この際、場所もとらないから、電子版で揃えておくことにした。

で、早速第1巻を開いてみると、著者が「電子版刊行にあたって」という一文を寄せている。
2015-10-16_120000-crop.jpg  印刷用の紙を八つ折りにしたことから「オッターヴォ」と呼ばれた文庫版を最初に考え出したのは、五百年昔のヴェネツィアに生きたアルド・マヌッツィオでした。長い中世を通して書籍と言えば、人間がいちいち筆写した大型で重い本しかなかったのが一変し、小型本が普及するようになるのは、グーテンベルグによる印刷術の発明をいち早く企業化した、このヴェネツィアの出版業者によるのです。現代でもなおポケットに入る大きさという意味で「タスカーヴィレ」と呼ばれている文庫版は、このときから始まりました。

<略>

 そして、もしもあの時代に電子書籍が出現したとしたら、アルド社はどう対処していたでしょうか。印刷技術の企業化で自社をヨーロッパ第一の出版社にしたアルド・マヌッツィオのこと。紙の書籍と電子書籍の双方ともを併行して出版していたにちがいないと思うのです。なぜなら、ルネサンス時代のビジネスマンたちにとって、船に持ちこめる荷物の重量をどうやれば軽減できるかは、常に頭痛の種になっていたからです。彼らならば、海外出張ともなれば必らず電子書籍を持って行ったのでは? これもまた、歴史でしか味わえない愉しい空想ではありますが。
そうなのだ。
残念ながら優雅な船旅なんて今のところ縁がないけれど、いざとなればタブレット1つ持っていれば、無聊を慰めるに何の心配もいらないだろう。

RomeWasNotBuiltInaDay.jpg
文庫本よりは、タブレットの画面の方が読みやすいと思う。
また、前述のように、ふと思い出した一節を確認するのには電子版は好都合、のはずだけれど、15巻のどれだったかは思い出さなければ検索できない。さて、本当にそういう使い方はできるか自信がない。

あと、ダウンロードしたタブレットをそのまま貸すのならともかく、コンテンツを人に貸せないというのが、ちょっと残念なところである。

ところで、電子版の案内を見ていると、英語版が出ていることに気付いた。
日本語で日本人が読むだけではもったいないと思う。英訳が出たことは喜ぶべきことだと思う。

そういえば、ポンペイの現地ガイドは塩野七生を知らなかったな。

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