物語 行政サービスゼロ地域 (2)土地

genkaishuraku1.jpg 行政サービスゼロ地域の2つ目のテーマは土地。

まず、この地域の区画であるが、これは国が消滅自治体と見做したところである。
そして行政サービスゼロ地域の原則は、「一銭の税も投入しない代わり、収益も期待しない」だから、土地に経済的価値は評価されないと考えるべきである。

森林の所有者などは不満だろうが、経済価値を主張するのは、自治体として消滅させておいて資源だけ奪おうという、虫のよい話すぎる。文句があるなら、消滅させた政府に賠償を求めるべきで、行政サービスゼロ地域となった時点で、あらゆる権利が放棄されなければならない。

年寄りが都会の息子のところへ引き寄せられ、空き家になったところなどはどうか。村おこしのポイントの一つは移住者の住宅の確保だが、そうした空き家を使おうとすると、持ち主は、墓参りのときに困るとか、仏壇があるとかといって、譲渡や貸出を渋ることがあるという。こうした場合でも、村へ帰れば宿舎は手配するとか具体的提案をすれば手離してくれる例も多いらしい。経済的価値ではない、愛着と先祖を大事にする気持ちがそうさせるのだろう。


実務的にも、この地域には市町村というものはないから、固定資産税は課税されない。
土地に経済的評価がないから、相続税などもかからない。というか、そもそも土地に所有権が設定されないと考えるほうが良いだろう。

oklahomalandrush-crop.jpg それでは何の価値もないのか、というと、そうではなくて、ここに生活の実態を置くことができなければ、住民が存在できないから、この土地を使用する権利がある。ただし、権利といっても所有権ではなくて、生活・労働に必要な範囲・時間、その排他的使用が認められるというルールを地区に導入する(住民が定める。住民が1人ならルールはいらない)。

これってどういう場所なのか、モデルになるのは人跡未踏の荒野である。
土地としては、アメリカの西部劇に出てくる荒野である。アメリカ・インディアンのいないアメリカである。

右の画像は、アメリカのランド・ラッシュを描く「遥かなる大地へ」(ニコール・キッドマン、トム・クルーズ)

ただし、アメリカの開拓とは異なり、土地に所有権はない。
切り取り次第だが、期限の制約と活用の義務化(放置=保護も活用と考えるべきだが)の制約を受けるだろう。

荒野に入植する開拓団、土地は開拓団の共有(個人に属さない)であり、そこに生きる人たちはそれぞれの役割の中で土地を使用する。その役割を円滑に果たす上で他人に干渉されない使い方ができる、そういうものである。

つまり、行政サービスゼロ地域においては、人は土地に属すのではなく、人の集団に属するという形になるだろう。

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