自分のマイナンバーを公開した人がいる

2015-10-28_104229m.jpg 自分のマイナンバーを自身のブログで公開した人がいると報道されていた。
気になったので、件のブログらしきものを探し出した。

簡単に探せる。既にテレビ局も取材していて、本人の顔も名前もネットに出回っている。
なお、同ブログにはいくつかフォロー記事も出ている。

画像はブログのスクリーンショット。
私がマイナンバー漏洩者とならないよう、問題のマイナンバーはもとより、名前その他の個人属性にもモザイクをかけさせてもらった。ブログのアドレスも、漏洩幇助と言われないように敢えて掲載しないでおく。

市長名、市名、市長印(印影)などにもモザイクをかけたけれど、住民票の台紙に市名が入っているのでどこかはすぐわかるけど、このぐらいはいいでしょう。

住所欄が白く抜けているのは、本人がブログにアップする際に加工しているもの。住所がわかると直接的ないやがらせを受けることを怖れたためだろうと思う。

思うに、このことが、実は本質的なところで、公開された住民票の写しには名前が入っているから、おそらくこの人の住所を調べることは造作もないことだと思う。マイナンバーがあろうがなかろうが、本当に守りたいプライバシーとは関係がない。

もし、名前を伏せて、マイナンバーだけ公開していたらどうだろう、それでもし住所がバレたら、それこそ市役所、国税、年金機構から漏れたということになるだろうか。
これもそうはならない。ブログ・サービス業者は、通常は守秘義務があっても「犯罪捜査」となれば協力するだろうから、報道されているように、法律違反が疑われるなら、ブログ・サービス業者が名前、住所を当局に提供することになるだろう。あるいはブログの読者には知人も多いだろうから、そこから漏れるなんてこともありそうだ。
ことほどさように、こいつは誰だと調べて、本人を特定できないケースは、余程の場合だと思う。

報道では、法律違反の疑いがあるとされているが、これは法第十九条(提供制限)で、包括的に提供を禁止し、本人でも個人番号利用事務実施者以外には提供してはならないとなっているからだと思うが、そもそも本人が公開することは想定外の事態だっただろう。なお、違法だったとしても罰則規定はないと思う。
■行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律
(特定個人情報の提供の制限)
第十九条  何人も、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、特定個人情報の提供をしてはならない。
      <略>
三  本人又はその代理人が個人番号利用事務等実施者に対し、当該本人の個人番号を含む特定個人情報を提供するとき。
      <略>


私は、このブログ主の主張には全く与しない。マイナンバーは必要なものだと思っている。
それに、マイナンバーなどより、はるかに管理に気をつかわなければならない識別番号は、クレジット番号、銀行口座、年金番号、健康保険証番号、各種会員ID、メールアドレス、携帯電話番号など、身の回りに山ほどある。

気に入らないのは、前にも書いたけれど、流通してしまうことが不可避のマイナンバーを秘匿しろという無理な制度設計、そして、このために発生する多大の事務コスト、情報システムコスト。本当に、これしかやりようがなかったのか?
原理的には、どのような事務、情報システムも、今まで通り運用し、法で定められた名寄せ事務――

これらはマイナンバー制度の創設に伴って全く新しく行われるものではなく、別の根拠により、従来からいろんな方法で名寄せ・情報取得をしているが、それを正確かつ迅速・効率的に行えるようにするというのがマイナンバー法制の立法趣旨のはずである。

――に情報を提供する場合に、情報にマイナンバーを付加すれば良いだけのはずである。
マイナンバーと従業員コードの対応データを別に管理しておいて、もしこれが漏れても、他に漏れたものがなければ、従業員コードの方を変更しても、そう的外れな対応にはならない。(そのマイナンバーを持つ人が存在することを示す以上の情報は与えない)

繰り返しになるけど、守らなければならない個人情報はマイナンバーではない。マイナンバーが漏れたからといって個人情報が直ちに洩れるわけではない。そんなものを守るために金をかける値打ちはない。

そのくせ、法律に書きさえすれば良いと考えているようなフシがある。マイナンバーを使った個人情報利用(検索)について、その必要性、事務量、事務やシステムのコントロール方法など、コスト・ベネフィットなど、ちゃんと吟味しているのだろうか。


必要だからと言って、何をやっても、いくら経費を注ぎこんでも、どれほど国民に迷惑をかけても良いわけではない。そのうえ、本人が番号を漏らしたら犯罪者扱いなんて一体どういう了見だ。

事務負担が重くなるという声に対し、たとえば税当局は、本人に渡す源泉徴収票へはマイナンバーを記載しないことにしたらしい。マイナンバーが記載されていると法で規制される特定個人情報となり、給与支払者の事務負担が重くなることに配慮したそうだ。
ちょっと待った、マイナンバーが記載されていようといまいと、そこに記載されている給料、手当、税額、そっちの情報の方が遥かに知られたくないプライバシーだろう。これでほっとするようでは特定個人情報取扱者としての見識が疑われるんじゃないだろうか。議論が逆転してしまっていると思うのは私だけだろうか。


これほど注意し、法律で縛っているから安心しろと言うつもりだろうが、国民を脅かす結果にしかなっていない。政府への信頼を高めようとしたつもりが、逆に不信感を生んでいるように思う。
そして、マイナンバーがらみの詐欺事件は実際に起き、実害が出ている。
以下は某府が運営しているメールマガジンの引用である。政府が国民を脅かしてきた結果である。
 10月23日午前、右京区居住の高齢女性宅に男の声で「あなたの住所、氏名が流出している。」等の電話があり、その際、「あなたの個人番号です。」と番号を伝えられた。その後、別の男の声で電話があり、「流出していたあなたの個人情報を抹消しました。」等言われた後、個人番号を尋ねられたため、先の電話で聞いた個人番号を伝えた。再びはじめの男から電話があり「番号言ったでしょ。至急3000万円振り込んでもらわないと刑務所行ってもらいます。」等と言われ、その後に高齢女性宅に訪れた男にキャッシュカードを渡したところ、口座から約600万円を引き出されていた。
どうだろう、個人番号を他人に教えたら刑務所行きだと脅しているのだ。

私も家の表札にマイナンバーを表示してやろうかと思ったことがある。間違い郵便物が届かないように、マイナンバーで確認してください、というわけだが、残念ながら、郵便物のあて名にマイナンバーを書くような使い方は違法らしい。
あるいは、子供に名前を付けるときに、マイナンバーそのものを名前にしたらどうかとも考えたことがあるが、まず名前を付けないと出生届を受け付けてくれないだろうから、マイナンバーも付かないだろう。

ところで、この報道を見て思った。
マイナンバーって、アレみたいなものだったんだ。
  • みんな持っている。
  • 特定の相手に対して、正しく使わなければならない。
  • 見られたからどうというものではないが、積極的に見せるようなものでもない。
    (見せられた側が変に反応する危険はあるかもしれない)
  • 公共の場で見せたり、ネットに写真をアップしたらお咎めがある。
独りでいじっていても気持ち良くならないところがちと違う。


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