カッシア~グッドール「音楽の進化史」から

グッドール「音楽の進化史」をとりあげてから、19音音階で遊んだりして、ずいぶん日が経ったけれど、今日はこの本で知ったカッシア=名前が知られる最古の女性作曲家のこと。

Wikipedia日本語版には項目が立てられていないが、英語版(EN)には項目があるので、一部を訳出してみた。
カッシア(805/810~865以前)

ビザンチンの女子修道院長、詩人、作曲家、および讃美歌作家。
最初の中世の作曲家の一人で、そのスコアは現存し、現代の学者・音楽家にも解釈可能である。
約50の讃美歌作品が現存し、うち23曲は東方教会の典礼書に収められている。
正確な数は、多くの賛美歌が異なる写本で異なる作者、しばしば匿名とされているように、評価困難。
また、非典礼詩の一部789も現存。多くは"gnomic verse(格言詩)"と呼ばれる警句や金言、たとえば「金持ちがあたかも貧民のようにうめくのを憎む」がある。
カッシアは、中世にその実名が記録されている2人のビザンチン女性の一人として知られている。もう一人はAnna Comnena。


Wikipedia ENには、さらに人生や作品など、かなりの分量の解説があるが、彼女はコンスタンティノープルの富裕な家に生まれ、類まれな美貌と知性を持った女性に成長し、まだ独身だったテオフィロス(東ローマ帝国第2代皇帝)にも見初められたが、彼女のあまりの才気に結婚をあきらめてテオドラと結婚したというような話も載っている。

Kassia_Byzantine.jpg Kassia(VocaMe).png それで、グッドール本でカッシアのことを知って、すぐCDを注文したのだけれど、結局、在庫なしで、入手できなかった。
しかし、YouTubeには、そのCDがそのまま(多分)アップロードされている(Kassia Byzantine hymns of the first female composer of the Occident)
ようなので、これを聴いてみた。

この演奏が当時を再現したものかどうかはわからないけれど、それを聴いた限りでは……。

グッドール本にあるように、未だ現代の我々が聞き慣れた合唱曲のような和声的なものではなくて、単旋律(ソプラノ)にドローンが下の方で鳴っているものが多い。

ドローンは、曲によっては、最初から最後までほぼ同じ音(複数音の場合もある)をひたすら伸ばしているものもあれば、平行音程で上下するものもある。
その他、撥弦楽器がポロロンといった感じで寄り添うものもあるが、なんだかソプラノとは別にというか、オブリガートに入っているような感じに聴こえる。擦弦楽器はドローン的に、ギーとまさに擦れる音で鳴っている、そういう曲もある。

ちょっと耳で聴いただけなので、これ以上細かいことは書けないけれど、旋律自体も後世の和声を感じさせるものではなくて、語りに近いものを感じる。とはいうものの、メロディとしては特別不自然ということでもなくて、案外、これを現代の映画音楽とかに採用しても、効果を上げることができる、そういうもののように思う。

そう思っていたら、先日の「題名のない音楽会」で、アニメの音楽には、安定感のありすぎる和声を嫌って、ドリア旋法を使っているという話があった。そういうものかもしれない。


それにしても、バロック以前はみんなそうみたいだけど、前述のように和声が確立する以前は旋律自体の進行も和声的ではないようで、絶対音感がない私などは、音程も19音音階で構成されていると言われたとしても、はぁそうですか、と思ってしまうだろう。

ところで、CDのタイトルに"of the Occident"とあるのだけれど、ビザンチンはオチデントなんだろうか?
オリエントのような気がするのだけれど(というか、ローマを中心に西か東ではないんだろうか)。


【おまけ】

CDが在庫なしで入手できなかったと書いたけれど、こういうCDは店頭にはまず出ていない(発売直後ならまだしも)。
当然、通販を使うことになるが、AmazonもH社も、どちらも在庫なしである。もう一つ大きなCDショップのT社のページでは在庫があるような表示になっていたから、今回初めてT社を使ったのだが、取り寄せ中が数週間続いたまま梨のつぶてで、結局、「当社規定によりキャンセルした」のメールが随分経ってから来た。
(H社の場合は、取り寄せに時間がかかる場合は、注文主にキャンセルするかどうか確認してくる)
こういう状態なのに、Yahooのページを開くたびに、件のCDがおすすめ表示されるのはいかがなものか。


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