なぜ幸村は家康より日本人に愛されるのか

hongokazuto_nazeyukimurawaie.jpg 本郷和人「なぜ幸村は家康より日本人に愛されるのか」。

「はじめに」では、「真田幸村はなぜかっこいいのか?」として、「人とは違うことを書きたい! ぼくだけの切り口で、大好きな幸村を書きたい!!」としているのだけれど……
いきなり言い訳が連続する。史料が少ないから、歴史家(の良心)として、扱いにくいキャラクターであるとのことである。
それを数字で証拠だてるように、本書には次のようなことが書かれている。

史料検索の「日本古文書ユニオンカタログ」というのがあって、それで検索すると、「真田昌幸」だと176件、「真田信幸」「真田信之」合せて135件、そして「真田幸村」は0件、「真田信繁」で7件

このカタログというのがどういうもので、どういうものが対象なのかはよく知らないけれど、たしかに落差を感じるには十分な数字である。

ということで、本書では、だから想像を交えざるを得ないとも言い訳をしているが、やはり作家ではないから、勝手なことは書けないとして、信繁のことは、直接にはあまり書かれているわけではない。

分量として多いのは、やはり大坂の陣。とはいっても、信繁の事蹟は史料的に少ないようで、大坂方全体の様子に多くのページを割いている。

大坂の陣では、浪人となった元大名(長宗我部盛親)や、信繁もそうだけれど、徳川方の大名の兄弟(細川興秋)などのビッグネームが大坂城に寄るわけだ。
本書では、さらに、その下に位置しそうな、侍大将級の武将の名前がたくさん挙げられている。そして、その武将が、同じく大坂方の誰それの縁者であるとか、その娘や姉妹と婚姻しているとか、そういう親戚・姻戚関係が細かく書かれている。
そういうことを読むと、大坂方って、案外、そういう縁故で固めていたのかもしれない。これでは大坂落城のとき、生き残ることなど全く考えなかったという人達も多かったかもしれない。
その一方、落城時に逸早く脱出し、大坂の陣の様子を伝えた女中の話(後の重要史料)などもある。

というようなわけで、何だか良くわからないまま、幸村がグッとくるのは……と締めくくっている。

yamamotohirofumi_majime.jpg それにしても、この本の著者本郷和人氏は東京大学史料編纂所の教授で、たびたびテレビにも出演されているが、この本の語り口そのままなのだけれど、東大史料編纂所というと、山本博文教授もさらにテレビの露出度は高いと思うが、このお二人、随分語り口が違う。

山本教授は、知恵泉などの番組で見ると、いかにも落ち着いた学者然とした喋りで、他の出演者の言葉にもゆとりのある微笑で対応されているのだけれど、本書の本郷先生は、やけにミーハーで「この人大丈夫だろうか?」と思わせるのだけど、前述のように、史料を細かく読んでいて、やっぱり学者でもあるようだ。

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