コンビニの傘

梅雨に入って久しい。
今年の梅雨はどちらかというと、晴れと雨が交替するような感じがあって、傘を持っていくかどうか迷うことも多い。

2016-06-13_105235.jpg 先日、夕方までに雨は上がるという予報だった日だと思うが、夕刻、突如として強い雨が降ったことがあった。
私は傘を持っていたのだけれど、降車駅では、雨をにらんで立っている人も多かった。その中に、駅の傍のコンビニまで走る人がいた。駅からコンビニまでは約20mである。

ふと思った。コンビニの傘って400~500円ぐらいだったっけ。
おそらく一般スーパーだと100~200円で売ってるような商品ではないかと思う。
もし、普段200円とかで売っていたとしたら、雨のときにその値札を500円に変更することは許されるだろうか。

sandel_what_money_cannot_buy.jpg この状況は、マイケル・サンデル「それをお金で買いますか―市場主義の限界」(Michael J. Sandel "What money can't buy - The moral limits of markets")に書かれているものに似ている。
同書では、お金を払って不妊手術を受けさせる話や、お金を出せば並ばずにすむテーマパークのアトラクションの話、テストで好成績を収めた高校生に賞金を贈る話などが考察されている。

原理的資本主義者とか新自由主義者であれば、これらのいずれも正しいというだろうし、コンビニの傘の値札の変更も正しいというだろう。

サンデルの答えは明解。
邦題は問いかけだが、原題は断定(the thing which money can't buy)。

なんだけれど、なぜ安倍首相がサンデルを賞賛するのか、そこがわからない。


客: 傘、ください。
店: 500円です。
客: あほか、さっきまで200円やったやないか。
店: 雨が降ってきて需要が増えますので、需要に応じた価格に変更しています。
客: 私は200円と思って来てるんや。
店: 500円でも欲しいというお客様も多勢いらっしゃいます。不服なら他所へ行かれては。
客: この雨の中、出ていけいうんか。背広のクリーニング代、なんぼする思とるんや。
店: 傘の500円はクリーニング代よりずっと安いですよ、経済合理性があると思いませんか。
客: 足下をみよって。
店: お客様、レインシューズもありますが、いかがなさいますか。


コンビニの傘が、普段から原価に似つかわしくない価格で売られているとしたら、需要に応じて値上げをすることがアンフェアと言われる危険を避ける知恵なのかもしれない。

それは、視方を変えれば、普段は一本も売れないことを承知の上で在庫投資をしているものと言える。
ブラインシュリンプのようにひたすら雨を待ち、雨が降ったその一時に投資を回収して利益を出すわけだ。
博打のようだが、これはこれで正当化できるやりかたと評価できると思う。

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