デービッド・アトキンソン「新・観光立国論」

以前、「魯山人の美」という記事中で、以下のようにデービッド・アトキンソンの紹介をしたことがある。
「新・観光立国論」で有名なデビッド・アトキンソン氏の意見もやはりもっともだと思う(原本は未だ読んでないが、同様の主張はネットのあちこちで紹介されている(下のリンク)。
日本は観光小国でしかない、「おもてなし」では外国人観光客は呼べない、というのも納得の主張。 外国人観光客に人気なのはラーメン屋という現実もある。

atkinson_shinkankorikkoku.jpg ここで紹介したリンク先記事は、それぞれかなりの分量があって、私としては「新・観光立国論」を読んだような気になったのだけれど、そして要点は確かにそのとおりなのだけれど、たまたま図書館に置いてあったので、きちんと読んでみることにした。

この本の要点は、前述のリンク先記事を見れば概ねわかると思うが、本書には、その主張の根拠となる数字があげられている。
具体的には、観光客数や観光収入の国際比較、日本を訪れる観光客のカテゴライズなどである。

とりわけ、日本が目指すべき観光客数は、観光立国といえる諸国におけるGDP比や観光収入と同程度を目標とするならば、現時点においても5600万人、世界的な観光の発展からすれば2030年には8200万人とし、政府の観光ビジョン懇談会の目標値(2016年3月:2020年で4000万人、2030年で6000万人、本書執筆時点ではさらに低い)に疑問を表明し、根拠なき目標設定と斬って捨てている。

そしてその目標に向かってなすべきことは、マーケッティングであり、そのためのターゲッティングであり、このどちらも確たるビジョンもフレームワークも持っていないように見えると批判している。

私はこの主張があたっているのかどうか判断できる情報は持っていないけれど、いろんな政策について、科学的と言えるような根拠を持たず、鉛筆をなめて目標設定をしているように見える我が国の政策立案者なら、さもありなんという感じはする。


氏は観光立国の基本条件は、「気候、自然、文化、食事」といい、日本はこの4つが揃う稀有の国であるという。フランスは4つを備えており観光大国としてトップにあるが、イギリスは気候、食事は落第なのに日本よりも観光で成功していると言う。
日本はその4つを活かしきれていないとし、それを活かすための投資が必要であると言う。

氏が言う「観光立国」とは、外国人観光客=「短期移民」とし、国内総消費を飛躍的に増やす経済活動であるから、それを実現する投資は当然のものである(歴史的建造物を大事にしない京都のみすぼらしい街並みは、外国人観光客を失望させている)。


ここは氏の意見に耳を傾けるべきだろう。

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