His Master's Voice

HisMastersVoice.jpg グッドール「音楽の進化史」によると、クラシック音楽のありようが大きく変わったのは録音技術の進歩も一因だという。

録音技術は、音楽愛好家の裾野を広げたが、クラシックの演奏会では新作を求められていたのが、聞き慣れた曲の演奏を求める聴衆が増えた。音楽の主流はポピュラーに移ったのである。


レコードの発明により、それまであまり聴く機会のなかった過去の作品が録音され、それらに注目が集まるようになり、演奏会においても、家にあるレコードの名曲を生で聴きたいというニーズがより強くなったということらしい。

名曲というものはレコードの発明で成立したカテゴリーなのかもしれない。


P_20160630_220246.jpg 実際、アンリ・ゲオン「モーツァルトとの散歩」(1932年)には、(当時)演奏会でとりあげられることは多くないモーツァルトだけれど、ほぼすべての作品は録音されていると書かれていた。
つまり、その気になりさえすれば、モーツァルトならたいていのものが聴けるのである。

ところが、これにより、音楽を支えてきた聴衆の関心はどんどん過去へ向いていき、作曲家は新作発表の機会を奪われ、収入も得られないということになる。
新作発表は、クラシックの演奏会ではなく、バーやクラブ、ディスコへと変わり、音楽の推進者はポップスにとってかわられるということになる。

そして「クラシック」の作曲家は、ますます実験的な傾向を強め、普通人にはとても受け入れられないような前衛音楽にのめり込んでいく(ただしその前衛的試みは、実はムダではなくて、それがポップスの作曲家が吸収する)。

ということで、"His master's voice"。

私はこの犬の名前は"Victor"だと思っていたのだが、正しくは"Nipper"。
昔、我が家にレコードプレイヤーが来たとき、電器屋さんが、この犬の陶器製の置物を持ってきた。
HMV_old.png それと、いつもお世話になるHMV、これも、MはMusic、VはVideoだと思っていたけれど、本当は"His Master's Voice"からとられているのだという。今は使ってないようだが、犬が聴き入る図がHMVの商標にも入っている。


グッドールによると、音を記録する技術はエジソンが最初ではないという。それより早く、カーボン層をつけた板に針で音信号を書き入れる装置を発明した人がいるそうである。ただ、残念なことに、この装置では再生ができなかったのだ。

今なら再生できるかもしれない。
カーボンに刻まれた溝を光学的に読み取れば良い。その原理による、アナログレコードの針なしプレイヤー(レーザーターンテーブル)というのも存在するらしいから。


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