東京都知事選

yuriko_et_tocho.jpg 東京都知事選が終わった。おおかたの予想どおり小池百合子氏が選出された。

この人とは、東京のホテルでエレベーターに乗り合わせたことがある。趣味の良い(値段の高そうな)スーツを着こなされていたが、思っていたより背は低くて、重心がやや頭よりにあるようなプロポーションだった。


選挙結果は私の予想どおりではあるけれど、投票締め切りを期して、直ちに当選確実の報道がなされるとまでは想像していなかった。当確はもう少し遅くまでもつれるだろうと思っていたのだけれど。

それはともかく、この選挙、一部の週刊誌では「窮極の選択」として、誰を選んでも不幸みたいな書き方をしていた覚えがある。
米国大統領選挙では、史上最も不人気な大統領候補と言われているが、それに似た状況。
選挙運動期間中に「出たい人より出したい人」と言っていた某党幹部が居たけれど、これでは「出したくない人」になってしまう。

ところで、この「出たい人より出したい人」というのは、私も子供の頃聞いた覚えのあるスローガンだけれど、この言葉には暗い過去があるということを最近知った(これも某党幹部が不用意に使ってくれたおかげである)。

出たい人より出したい人」というのは、昭和17年の「翼賛選挙」において、「翼賛政治体制協議会」が推薦した候補者への投票を呼び掛けるスローガンとして、「大東亜築く力だ、この一票」とともに使われた言葉だという。この選挙では、翼協の推薦候補には、陸軍省の臨時軍事費から一人当たり五千円の選挙資金が配られる一方、非推薦候補者に対しては、官憲や地域団体が徹底的に選挙妨害を行ったといわれているという。(以上、「鹿児島近代社会運動史」久米雅章他より)

某党幹部はそういう深いことを考えるような人ではなくて、そのときの調子でしゃべったのだろうと思うけれど、そのときは、都連の推薦を受けられない「出たい人」に対して、われわれが「出したい人」という意味で使ったのだろうけれど、この言葉を聞いたときには反射的に「あんた(都連)が出したい人」でしょ、と思った。

とにかく、都民の判断は下ったわけで、これからの都政が円滑に進むように願うのみである。
それでちょっと都財政の指標を見てみたのだけれど、数年前、大変驚いたことを思い出した。
東京都の財政力指数が1を切っているのである。
財政力指数というのは、簡単に言えば収入と支出(普通ならこのぐらい)の比のことで、この指数が1を下回ると地方交付税が交付されるしかけらしい。

2015年度のデータだが、都道府県で1を上回るところは一つもない。東京都が一番高く0.92532、2位が愛知県の0.92083、次いで神奈川県の0.91658。大阪府は6位で0.73756である。
市町村では、全国1740市町村中、1以上は64団体しかない。

昔、今の場所へ引っ越してすぐの頃、居住市の合併に関するアンケートがあって、設問に「合併するとしたらどこが良いですか」という問いに対しては、久御山町と答えたことがある。近隣自治体ではここだけが財政力指数が1を超えていたからである。


で、東京都の財政指標を見ていると、ここ数年、つまり舛添さんが知事をしている間に、どんどん改善している。
財政力指数はH22年度の1.162から、H23:0.961、H24:0.864、H25:0.871、H26:0.925とV字回復である。
経常収支比率や実質公債費比率、将来負担比率など、他の指標でも同様の傾向である。

これは要するに、舛添さんは、自分の個人的な楽しみにはお金を使ったかもしれないが、大きな事業はいっさいやらなかった、そういうことなのかもしれない。

財政至上主義では東京オリンピックはやれまい。
知事が明示的にできることは、施策の優先順位づけと、動かせる財源(限られた)をどう貼り付けるかぐらいだが、東京都の経常収支比率は低く、将来負担も小さい。規模を考えれば相当な額を動かせるはずだから、いろんなことができる可能性はあると思う。
さて、新知事はどういう判断をするのだろうか。

選挙戦を見ていて、都庁職員を死ぬほど働かせてやるという雰囲気は感じられなかったのだけれど、行政をきちんと動かすためには、公務員の給料を下げるより、しっかり働かせることが大事だと思う。役人というのは、上の指示があれば、それにあったストーリーを書き(でっちあげ?)、実行するのが仕事なんだから。

なんといっても民主党政権、さらには党自体の崩壊の大きな原因は、官僚を使いこなせなかったことだと思う。官僚の言うことを頭から否定することが政治主導だという錯覚―そしてそれが国民に一時は受けたわけだが―その底の浅さが国政を混乱させ、支持を失う原因になったと私は考えている。

公務員は、仕事もせず、身分保障され、高給を得ている、という大衆に迎合するイメージを否定したら票がとれないという現実もあるから、選挙中は控えるのは仕方がないけれど、本当にそう思っているとしたら政治家としては失格(あのハシモトさんだって、府民向けには公務員を馬鹿よばわりした一方で、優秀な職員がたくさんいると持ち上げている)。
それに民間企業だったら、社員を役立たずよばわりする社長はロクな仕事はできない、部下を使えない馬鹿なリーダーと言われるだけである。


小池氏は、ちょっとこわもてだけれど、都職員を掌の上で遊ばせるぐらいの度量を発揮できるだろうか。

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