「真珠の耳飾りの少女」来る

P_20160818_195702.jpg 絵の良し悪しなどわからないが、「真珠の耳飾りの少女」は気に入っている。

「本物そっくりの複製」が欲しいと思っていたが、展覧会で売られている複製画には食指が動かなかった。なんといっても真物を見てすぐだから、複製画との落差が大きすぎる。

どこにでもあるA4判の写真を安物の額に入れて飾っていたのだけれど、少々高くても、小ましな複製画はないものかと、ネットで物色していた。
複製画には、複写技術(ジクレーなど)を使ったものと、複製画家の手描きのもの、それを組み合わせたものがある。
手描き複製画の多くは、「フェルメール・ブルーを再現するため、ラピスラズリで彩色しています」というような謳い文句で売られている。たしかにフェルメール・ブルーはものすごく印象的だから、大きなポイントではある。しかし、手描きはどうしても複製画家の個性が出てしまうのではないかと考えた。

そうやって長く経ったが、自分で自分の誕生日祝いのつもりで、手描きよりは随分値段は下がることもあって、デジタル印刷を使ったものを買ってみることにした。
デジタル印刷にハイタッチメディウム加工

ハイタッチメディウム加工による複製画は、高度な技術を駆使し、原画本来の立体感や光沢を忠実に再現したものです。
精巧なデジタル印刷を施した画面に、無色透明の特殊樹脂を熟練した画家が専用筆で全面に塗ることで、油絵特有の盛り上がりや立体感が生まれ、絶妙な質感と、原画の趣を醸し出しています。

税別9,800円

Meisje_met_de_parels.jpg 物が届いて、不安一杯で開けてみる。やはり真物とは随分違う。(右は本物の写真)
真物と並べて見ているわけではなく、真物の素晴らしい記憶と比べているわけだから、勝てるわけがない。

ちゃんとたしかめなかったのだけれど、原寸より少し小さいようだ。もっとも、ダイニングの壁にかけるには、原寸大はちょっと大きすぎるかもしれない。
おもしろかったのは、玄関などの花を変えても全く気がつかないと私を詰る家人が、この絵が変わったことに全然気づかなかったこと。


ただ、これを見て思った。フェルメール真筆に拘らず、作品としての出来として考えるなら、手描き複製画が良いのかもしれない。もちろんヘタクソな画家の模写で、それとわかるほどのくずれ、とりわけ表情が違ってたりしたら、もう論外だけれど。
デジタルで下絵を作ってなぞるという技法のものについても、輪郭は崩れないかもしれないが、筆の勢いのようなものはそがれるのではないかと思う。

そういえば、去年、「フェルメール光の王国」展という催しに行ったことがある。フェルメールの現存する37作品の「リ・クリエイト」の展示。作品は経年劣化しているから、制作当時を再現しようというコンセプトによるデジタル複製画を作っている。
この展覧会の複製はさすがに出来が良くて、本物かどうかは別として、これはこれで欲しいと思った。

また、複製画を探していると、キャノンとリコーが質感印刷技術を開発したというニュースがあった。
キャノンは「真珠の耳飾りの少女」をこの技術で再現したというが、残念ながら、その成果品は販売されていないようだ。
リコーの方は、この秋(2016年10月7日~1月21日)に、上野の森美術館で開催される「デトロイト美術館展」で、その技術を用いた立体複製画を販売するという(開催中の大阪展では販売されない)。残念ながらフェルメールはないようだが、この技術の成果品は是非手にとってみたい。

こうも考えられる。贋物というけれど、世界に1品しかないものの贋物というのは罪がないのではないだろうか。それに対し、偽札のように、たくさんあるものの贋物では、真贋が問題になるのじゃないだろうか。
プロの贋作師というのは「○○の未発見の作品」というように、作品をまねるのではなくて、作家をまねるのだろう。「おしゃれ泥棒(How to steal a million)」でもそうだったと思う。

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さて、家に飾った「真珠の耳飾りの少女」、開封して最初は落胆もしたけれど、しばらくすると、そして、やや遠目で目をやる限り、前のA4ペラペラよりはましかな、そう思えるようにはなった。少なくとも、どの方向から見ても、しっかりとこちらを見てくる少女の雰囲気は再現されていると思う。
もっとも、見つめたら、やっぱり違うと思ってしまうけれど(なんといっても、9,800円である)。

複製画を求める欲は、まだまだ続きそうだ。

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