礒山氏の推薦盤―礒山雅 「モーツァルト」(その3)

本書の最後では、15作品をとりあげて、推薦録音が紹介されている。

セレナード ト長調 KV525ゲヴァントハウスSQ+コントラバス、ユーロアーツ 2005年
ワルター/コロムビアSO、ソニー 1958年
モテット「エクスルターテ・ユビラーテ」 KV165バーバラ・ボニー、ピノック/イングリッシュ・コンサート
 アルヒーフ 1993年
フルート四重奏曲 ニ長調 KV285 菅きよみ、鈴木秀美他 アルテ・デラルコ 2011年
ピアノソナタ イ短調 KV310 小倉貴久子「輪舞」 ALM 2012年
ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲 変ホ長調 KV364 寺神戸亮、クイケン、ラ・プティト・バンド アリアーレ 1995年
弦楽四重奏曲第14番 ト長調「春」 KV387ゲヴァントハウスSQ 《アイネ・クライネ》 DVD
セレナード 変ロ長調 KV361
 「グラン・パルティータ」
ブリュッヘン/18世紀オーケストラ フィリップス 1988年 DVD
ピアノと木管のための五重奏曲 変ホ長調 KV452 シフ、ホリガー デッカ 1993年
ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 KV466グルダ、ミュンヘン・フィル クラシカル 1985年
バレンボイム/ベルリンPO ワーナー 1988年
歌劇「フィガロの結婚」 KV492プライ、ポップ、ヴァイクr、ヴァルツァ、ヤノヴィッツ、
 ベーム/ウィーン国立歌劇場来日公演1980年
歌劇「ドン・ジョヴァンニ」 KV527 ムーティ/ウィーン国立歌劇場 デノン 1999年
交響曲 第40番 ト短調 KV550アバド/モーツァルト管弦楽団 アルヒーフ 2009年
クラリネット五重奏曲 イ長調 KV581四戸世紀、トッパンホールアンサンブル TDK 2006年
ヴィトマン、アルカント・カルテット ハルモニアムンディ 2012年
歌劇「魔笛」 KV620 デイヴィス/コヴェント・ガーデン デノン 2003年 DVD
レクイエム ニ短調 KV626アバド/ルツェルン祝祭管弦楽団
 キング・インターナショナル 2012年 DVD

で、著者礒山氏の推薦盤というのは1つも持っていなかった。

本文中で紹介されている録音については、私も持っているものがいくつもあったけれど。

それで、とくに興味を惹かれたものを買うことにした。
フルート四重奏曲 二長調(KV285)、ピアノソナタ イ短調(KV310)、協奏交響曲 変ホ長調(KV364)の3CD。
このいずれもが古楽器を使用したものである。

flute_quartet_suga.jpg ■フルート四重奏曲全曲
 菅きよみ(Flauto traverso) 、
 若松夏美(Vn)、成田寛(Vla)、鈴木秀美(Vc)

これは驚いた。フラウト・トラヴェルソがこんなにきびきびと鳴るなんて。
もちろんモーツァルトの時代には、この楽器でこの曲を演奏していたはずだから、驚くようなことではないのかもしれないけれど。
モーツァルトはフルートが嫌いだったという説がある。しかし、磯山氏は、本当に嫌いだったら、魔笛のフルートの説明がつかないと仰っている。私もそう思う、というか思いたい。
モーツァルトが嫌いだと言ったのは、協奏曲の注文主の銭払いが悪かったからだろう(2曲注文されて、1曲はオーボエ協奏曲の編曲だから無理ないことだけれど)。


Baroque-Traversos.jpg 実は、知人が持っているフラウト・トラヴェルソを触らせてもらったことがある。
トラヴェルソは現代フルート(C管)と違い、管自体の調性はD管、つまりすべての穴を塞いだ管長が最も長い状態で出る基音はDである。そう考えれば、ある程度は納得できる運指ではある。

リコーダーはソプラノはC管、アルトはF管である。私はアルトを吹くときは、頭の中で移調してソプラノと同じ指使いにするのだけれど、人によってはアルトは別の楽器として、アルトの指使いを覚えるそうだ。
つまり、Fを鳴らすとき、私はそれをアルトのドと頭の中で移調して、ソプラノのド(C)の指使いで吹くけれど、人によってははじめからアルトのFは指孔を全部塞ぐ指使いと覚えているということ。正確にシフトされるわけではないだろうから、アルト用に指を覚えるほうが正しいのかもしれないけれど。

が、それ以上に奇々怪々な運指が要求されていて、とても尋常には演奏できない。トリルを吹くときに、バラバラの指を3,4本動かすなんて芸当は無理。私は小一時間ためして、あきらめた。

Symphony_concertante_K364.jpg ■協奏交響曲、ヴァイオリン協奏曲第3番
 寺神戸亮(Vn)、S.クイケン(Vla)&ラ・プティット・バンド

これはちょっと期待はずれ。
この曲の初演のとき、モーツァルトがヴィオラを担当し、ヴィオラを半音高く(つまり変ホ長調に)調弦したことは良く知られている。しかし、現代の演奏でそういうことをしている奏者は少ない。この演奏はそれを注実にやっているという。
ヴィオラの音に張りがある、そう思って聴けばそのとおりなのだけれど、いかんせん、ヴァイオリンの音が薄い。
この曲は、哀愁の強い(第2楽章)ところもあるので、もっと豊かな音が合うと思うのだけれど、どうもヴァイオリンがひぃーひぃー鳴きすぎる感じ。
あらためてヴィオラをモーツァルト指定の調弦にした演奏のCDを調べると、五嶋みどり・今井信子・北ドイツ管弦楽団の演奏、ヨセフ・スークのものなどがあるようだ。こちらも聴いてみたいと思う。


礒山氏は、日本人による良い演奏があれば、そちらを優先的にとりあげているような気がする。

もう1枚のCD、輪舞(ロンド)~ソナタ第8、9、11番、2つのロンド 小倉貴久子については、稿をあらためて。

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