マイナンバーをどう理解するか(その1)

マイナンバー(国民総背番号)は、国民の情報の取得・管理に有用である、もちろんその恩恵は政府が受ける。

一方、国民のメリットの第一は、それによる行政効率の向上分を、減税などによって還元されなければならない。
もちろん「消えた年金問題」に代表される、行政や公的機関の杜撰な情報管理が改善されることもあるが、そもそも、きちんと管理されていないこと自体が問題で、そのためにマイナンバーが必要ということは言い過ぎである。そもそも年金情報は、各基金が情報を管理しているわけで、こうした問題を大量に起こした基金ばかりではない。
いじわるく言えば、消えた年金問題は、マイナンバーを導入するのにちょうど良いタイミングで起こったというわけである。

ということで、私はマイナンバー・システム自体を否定するものではない。伝えられる整備費用が莫大であること、企業の対応が遅れているなどと不安をかきたてる報道が目につくので、どうしてそんなことになるんだろう、と訝しく思っているわけだ。

マイナンバーというのは本質的にはどういうものなのか、簡単な分析をしてみよう。
マイナンバーを取り扱う情報システムは、
  • マイナンバーそのものを支える「発番管理システム
  • マイナンバーを利用して個人情報を名寄する「マイナンバー利用システム
    それに個人情報を供給する
  • 企業等の「マイナンバー報告システム
の3つがある。

これは私なりに理解しているシステムの全体像だが、あまりに単純なので拍子抜けする。

mynumber_interprete.png
まず「発番管理システム」については、以前名寄番号」という一連の記事にも書いたけれど、本質的には、同一人に複数番号を割り当てないことが保障されれば良い。なお、全対象者(現行制度では、国民だけではなく在日外国人も含まれている)に必ず付番するというタテマエをどこまで徹底するかについては敢えて問わない。

発番管理システムが管理すべき情報とは何だろうか。
本質的には対象者個人に番号が与えられている、たったそれだけのことである。もし、あらゆる行政事務がマイナンバーで個人を識別するのであれば、たとえば住民登録は、居住証明であるから、このマイナンバーの人の住所が登録されれば良い。本質的に名前の登録は不要となるはずである。

もちろん、現実には、日本社会の文化基盤によって、いわゆる名前が、個人を(ほぼ)識別するラベルとして通用しており、これとの対応関係を管理することが便利と考えられるから、従来の住民記録にマイナンバーを併せて記録することが自然ではある。
であるならば、マイナンバー発番管理システムは、対象者の名前すら管理する必要はない。

個人情報を扱うシステムでは、名前の表記のゆれ(異体字、俗字など)で悩んでいる。マイナンバーで本人識別するなら、表記のゆれは問題にならなくなり、システムコストが軽減されるだろう。

たとえば、あるマイナンバーを持っている人の住所を確認しようとした場合、全市町村の住民記録に対し、当該番号を持つ住民が現に居住しているからどうかを問い合わせれば良いわけである。
もちろん、市町村によって住民登録を電算化していなくても、非電子的方法による問い合わせフォーマットが定められていれば事足りる(レスポンス時間の問題を捨象すればだけど)。

なお、発番管理システムは番号を出しっぱなしにするのか、死亡などによって使われなくなった番号も状態を把握して管理するのかは、マイナンバーの「効力」に応じて考えられるべき問題である。

というわけで、発番管理システムはマイナンバー制度のインフラであり、きちんと発番する事務は、それを担いうる市町村がする、これは制度として無理のないところだろう。

明日は、上述の利用セクターについて考える。
利用セクター側の投資は、ごく限られたものになるはずである。

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